第7話 今のぼくにできること
元気のなくなったお兄ちゃんが心配なぼくです。
今のぼくにできること…今のぼくにしかできないこと。隣りの本棚に目をやる。
ミカは意を決して、机に向かうリアムの後ろ姿に声をかけた。
「……おにーちゃ」
「……」
返事がない。
「おにーちゃん」
「……」
ぽいっ
ドサッ
ぽいぽいっ
「……?」
ぽぽぽい!!ドサッドサッ!
「?!わぁ??」
「ミカくん何してるの!?」
振り返ったお兄ちゃんの目が丸くなった。
何って、本棚の本を抜き出してポイしてるだけです!
本ばっかり読んでるからいけないんだからね!
えい!えい!
リアムが振り向いてくれないことに、なかば八つ当たりぎみに始めた暴挙(良い子のみんなは真似しないでね!)だったが、だんだん楽しくなってきたミカ。いつのまにかきらきらも飛び回ってるし、鼻歌まで歌っちゃうもんね。
ふんふ~ん♪
ぽいっ
「わぁ!!!ダメだよ、本は大事にしないと…」
当初の目的も忘れて鼻歌まじりに本を取り出しては落とすミカ。
悪いことしてるのに無敵感がすごい。なんか周りがキラキラ光ってるし!
ふははは!ぼくの手の届くところに本を置いとく方が悪いのだ!!
ふんふふ~ん♪
ぽいぽいっ
「ミカくん!ミカったら!」
慌ててミカをとめようとするリアムだったが、その時。
ドサッ…ドサドサドサッ!
「…!!」
夢中でぽいぽいしてたら、他の本も崩れて全部が床に落ちた。
しーん……。あれ?ちょっとやりすぎちゃった?
「……あ~~…」
あまりの惨状に目が点になっていたリアムだったが、ミカのなさけない声にとうとう噴出した。
「ぷふっ……まったく…ミカ君たら」
「あ~~じゃないよ、もう」
久しぶりのお兄ちゃんがくすくす笑う声となでなで。
「ごめんね、ミカくん寂しかったよね。一緒に拾おうね。」
ちょっと困ったような笑顔で、こんな時でも優しいお兄ちゃんに、ほっとしたらちょっぴり涙が出ちゃったのはナイショで。




