第2話 真夜中のきらきら
自我が芽生えて(?)からさらに1週間。
お母さんとお兄ちゃんと一緒の赤ちゃん生活を受け入れつつある僕です。
ちなみにまだお父さんの存在は把握してません、お父さんは
働きに行ってるらしく、起きている時に会えてないので。
タイミングの悪さをお父さんが嘆いていることには全く気付いてないミカ。
今日も家族が寝静まった静かな夜に、ベッドで小さな手をぱたぱたと必死に動かしている。
当面の目標はただひとつ、早く動けるようになりたい、だ。
そのとき——
ふと目の端に、小さな光の粒が見えた。
キラキラ、ゆらゆら。
まるで夜空の星がひとつだけ部屋に落ちてきたみたいに。
(……なんだ、あれ?)
ミカは手を伸ばした。
でも光はふわりと逃げて、ベッドの端をくるくると舞う。
(……つかまらない!)
光はまるで、ミカと遊ぶのを楽しんでいるようだった。
ミカも必死に手を伸ばす。
「あー!」
小さな声しか出せないけれど、気持ちは全力だ。
すると、光の中からかすかに小さな声が聞こえた気がした。
「くすくす」
(……しゃべった!?)
ミカはきょろきょろと見回すが、
もちろん真夜中の部屋には誰もいない。
ミカは目をぱちぱちさせながら、光をつついてみた。
光は逃げる。つつく、逃げる、追いかける。
(このっ!このっ!)
小さな手と光の小さな追いかけっこが、夜のベッドの上で続いた。
光がふわっとミカの頭の上を通った瞬間、ミカは小さな手をぎゅっと伸ばし、
指先でふわふわの光をかすかにつかもうとした。
「あー!」
(……つかまえた!?)
しかし光はくるりと舞い、またちょっと離れたところに消えた。
でも、ミカは確かに何かと遊んだ気がしたのだ。
(……あのきらきらは精霊とか、そういうのかな)
(…また来るかな)
そう感じながら、ミカは小さな手を胸の前でぎゅっと握った。
小さな赤ちゃんの胸に、新しい友だちができた気配があった。
静かな夜。
ミカの小さな冒険は、ひそやかに、でも確かに始まっていた。




