第75話 王の頼み
しかし、ガルムが、ファンネルを倒せなかったことを知ると、彼らは王への不満を露わにした。
「奴をみんなで狩るべきだ!」
「これだけの問題をどうするのだ!」
みんなが好き放題喋る中、エサルが喋り出す。
「王、あなたに彼女が殺せないのであれば、どうでしょう人間に対処させるというのは」
ガルムにとってそれはあまり気の進むものではなかった。
「そうだ! 何のために人間と関係を作ったのだ。奴らにやらせろ!」
「奴らに借りを作れとそう言っているのか?」
エサルは首を振る。
「あなたが殺せないから、仕方なくですよ。対処できるのであれば私たちは気にしません」
ガルムはこの提案を受け入れるしかなかった。しかし、なぜここまでエサルがファンネル殺しに躍起になるのか、少し気になった。
ガルムはみんながいなくなったあと、ファンネルと仲の良かった、ミケルというリスを呼び出した。草食の獣にも優しかった時代があるガルムとミケルの関係性はそこまで悪くなかったが、ミケルは王を恐れていた。
「頼みがある。ファンネルのことだ」
ミケルは入りがそうなると思っていなかったので少し拍子抜けした。
「なんでしょう。頼みというのは」
「ファンネルの様子を見てきてほしい。」
だがミケルは首を振った。
「王もお分かりかと思いますが、もう彼女は昔のファンネルではないです。あそこに近づいたものは全員おそわれるか、ファンネルの力で、正気を失います」
ガルムは考えた。
「ならば、エサルの様子を監視してもらえるか?」
ミケルは思わぬ提案に驚いた。
「エサルですか?」
王はうなずくとミケルの顔をじっと見つめる。
「奴は用心深い、悟られると殺される恐れがある……。無理をするな」
ミケルは頷いたが、尋ねてみた。
「なぜエサルを?」
ガルムはあえてここで本音を伝えることにした。
「奴がなぜファンネルを殺したがっているのか気になっている」
そのガルムの視線でミケルはなんとなく王の気持ちを感じ取った。そこにあるファンネルを救いたい気持ちを感じたミケルは王の指示に従うことにした。
そして、そこから数日後、ミケルは王の元に訪れた。
「どうだった」
ミケルは震えていた。
「エサルは一体何者なんです?」
そこからミケルが話したのは驚くべき話だった。




