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超獣戯画Ⅱ  作者: 纏笛


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第71話 刺青

 これには後ろにいたラビルが驚いた。

――これは面白い展開になったな。

 ロウが尋ねる。

「お前の持つ入れ墨と王の入れ墨が一緒だと?」

 サラは頷いた。

「詳しい力までは正直わからないけど、近い性質を持っている事は間違いありません」

「だから、それを移動させる方法があると、そう言うことだな」

 サラは少し迷ったような顔をしたが頷いた。

「これはあまり、知られてはいけないのだけれど、入れ墨は望む人に移すことができるはず」

 サラが警戒していたのはラビルだった。自身の能力の根幹に関わるこの話をするのは禁じられていたが、サラはマリウスや町長の記憶を見て、自分の判断で禁を破るべきだと決めた。

 ここでマリウスが死ねば、物事は解決するかもしれないが、町長と王には軋轢が残る。何より、ここでロウがマリウスを殺すと言うこの構図がどうしても正しいとサラは思えなかった。

 ラビルは興味深そうに見ていた。

――彼女が話している話はおそらく、銀の爪自体の根幹に関わる話だ……。

 サラはマリウスをロウに触らせる。

「移したい場合は直接触る必要があるの」

 マリウスは恐る恐るしたがった。

「そう、そこで入れ墨を動かして、全て相手の方に移して……。全てよ」

 マリウスは言われるがまま入れ墨をうつす。マリウスの手を通って、ロウの体に入れ墨が移動した。

「全部移動した?」

 マリウスは頷く。ロウは体に入れ墨があるが、まだ細かく揺れていた。

「じゃあ今必死で力を入れているところを全部離してみて。一気に力を抜くの」

 マリウスは恐る恐る恐る全ての力を抜く。するとマリウスと繋がっていたはずの入れ墨のいくつかが離れていくのを彼は感じた。

 まるで今まで紐で繋いでいた犬の散歩をしていたその犬が急に紐を抜けてどこかへ行ったようなそんな感覚があった。マリウスは驚いてサラを見る。

 サラはうなずくと、ロウを見る。逆にロウには入れ墨がつながり始める感覚があった。

「まだ残ってるわね。もう一度同じことをして」

 サラの指示通りマリウスはロウにまた入れ墨を移して、力を抜く。ロウの体にまた入れ墨が移るが、最後にマリウスの体に十字架の入れ墨が一つ残った。

 マリウスが最後の入れ墨を移そうとするとサラが止める。

「あなたは本当に彼に入れ墨を移したいのね?」

 マリウスは頷く。

「じゃあその気持ちを込めて、ゆっくりと入れ墨を移動させて」

 マリウスはうなずく。触れたまま、ロウに渡すと念じながらゆっくりと入れ墨を移して行った。ロウに最後の入れ墨が渡ると、十字架の入れ墨がロウの体の中心に行き、周りの入れ墨が全て、等間隔で散らばった。

「出来たわね」

 マリウスは緊張が解けてその場に座り込んでしまう。

「これが王の力……」

 ロウは不思議な感覚を味わっていた。まるで、手や足が増えていくようなそんな感覚の中で、ロウは知らない記憶のようなものが自分に流れ込んでいくのを感じた。


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