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超獣戯画Ⅱ  作者: 纏笛


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第69話 掟破りの結末

 なんとか、牧場まで帰り着くと、急いで母がいる家へとマリウスは走った。

 しかし、家へとたどり着いた時、なぜかちょうど医者が家から出てきていた。

 そこに、ビルムも一緒に出てきていた。マリウスは嫌な予感がして二人に駆け寄る。

「マリウス! お前どこにいっていたんだ」

「実だよ! 実が手に入ったんだ! これで母さんを助けられるよ」

 だがビルムも医者も二人とも首を振った。

「遅かったですな」

「遅いってどういうことですか……母さんは……」

 ビルムは首を振ってマリウスを中に招き入れる。

「ほんのついさっきだ……最後までお前を探していた……」

 部屋のベッドで、リラは目を閉じていた。生前の苦しそうな表情ではなく、顔はどこか晴れ晴れとしていて、マリウスは自分が間に合わなかったと実感した。

 その後はひとしきり泣いて、自分の部屋で閉じこもることしかできなかった。

 母を救えなかった事実と、王を殺してしまった罪の二つという、到底処理しきれない事実が彼にのしかかっていた。

 考えることを放棄して、ただ宙を見つめていると、扉をノックをする音が聞こえた。そしてすっと扉が開くと、誰かが入ってくる。マリウスは始め誰かわからなかったが、視界に入ってそれがようやく町長だと気づいた。

「大変だったな」

 マリウスは答えなかった。町長はただ彼の肩を叩くと、

「助けてやれなくてすまない」

 と言った。マリウスが町長の顔を見ると、彼の目からは涙が溢れていた。そんな表情を今まで見たことがなかったが、その瞬間マリウスは自分と同じ気持ちで唯一動いてくれた人間であることに安堵し、町長にしがみついて大声で泣いた。

 町長は彼を優しく抱きしめて、それを受け入れた。一通り泣いて落ち着いた後、マリウスは自分のしたことを思い出した。

「町長……俺とんでもないことしちゃった」

 町長はマリウスの部屋にリンカの実が転がっていることに気づいた。

「これをどこで?」

 マリウスは全ての経緯を話した。町長は少し考えると、彼の方に向き直る。

「王は、本当にそう言ったんだね……。殺してほしいと」

 マリウスは頷いた。

「そして理由は王になればわかると言った……。何かわかったことは? もしくは王になって変わったことは?」

 マリウスは首を振った。

「そうか……リンカの実の件は一旦私があずかろう。うまくいけば誤魔化せるかもしれない」

 そういうと町長はリンカの実を部屋を出て行った。

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