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第56話 作業中止
一通り見終わった後で、ラビルは興味深そうに顎をかいた。
「ふうん、これはかなり面白いですね……町長が……」
だがロウは厳しい表情を崩していない。
「町長だ」
ラビルは、ん? という表情を浮かべる。
「町長の居場所を探し出して記憶を得てこい。今すぐにだ」
―-まあそうなるだろうな。あれでは町長が犯人を知っていることはほぼ明確だ。
「わかりました……。クラマス君」
ラビルは研究員を呼ぶ。
「はい」
「一旦、他の人間の記憶の収集作業を中止して、全員町長探しに行かせられるかい?」
クラマスと言われた研究員は頷いた。
「大至急町長を探させましょう。彼が全ての鍵を握っている可能性は高い……。こちらはどうします? まだ続けますか?」
ラビルは繰り返しのことを指していた。ロウは少し考えてからうなずいた。
――やつの居場所の手がかりがあるかもしれん。どのみちやつはこの町か、森にはいるはずだ。
ラビルは少し思いついたように話す。
「あの獣狩りなら、何がわかるかもしれません。この記憶を見せても構いませんか?」
ロウはすぐに答えず振り返って歩き出したがい一瞬止まると。
――好きにしろ。
とだけ言い残した。




