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第53話 新たな手掛かり
ラビルは森で、狼姿のロウと会話をしていた。
――やはり、クラムは手を出してこなかった。奴ごときに王が敗れるはずがないとは思っていたが……。
ラビルがうなずく。
――しかし、こうなると他の人間の仕業ということになりますが……目ぼしい人間はいなさそうですね……。
そこに男が一人ラビルの元に駆け寄ってきて、何やら耳打ちをした。ラビルはそれを聞いてニヤッと微笑む。
――ロウさん……。どうやら面白い記憶が見つかったそうです。せっかくなので先に私たちでみましょうか
ロウは先に尋ねた。
――それは誰の記憶だ?
ラビルの横の男が答える。
――役所の職員の女性です。町長の居場所を知っていないかと思って見てみたのですが、もっと興味深いものが見つかりました。
ラビルはうなずくと合図するように手をかざした。




