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超獣戯画Ⅱ  作者: 纏笛


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第21話 手記 五日目-三回目②

 町長が私に確認したい事があるという内容だったので、リクを連れて役場へと向かった。部屋に案内されると、町長が神妙な面持ちで私達を待ち構えていた。部屋に入ったのを見ると、町長は手で人払いの指示を出す。その後、部屋に私達しかいない事を確認すると、町長はゆっくりと喋りだした。

「なぜ狩りの邪魔をしたのです?」

 町長からの呼び出しがあった段階で、ある程度この流れは想像がついていたので、私は答えを用意していた。

「それについては説明させてください。まず今この町で何が起きているのかを説明する必要があります」

 私は一旦そう区切ると、五日目に一度獣を殺してから、同じ日を繰り返していることを町長に告げる。町長は一通り黙って聞いていたが、私が全て話し終えると、けわしい表情で口を開いた。

「にわかには信じがたい話です……他で聞いた事もない。時間を巻き戻せるなんて……」

「私も同じです。時間を操れる獣というのに当たったことは過去にありませんし、そういった事象も聞いたことがありませんでした。

 しかし、実際に起きています。なぜか私だけが自覚しているようなのですが……」

 町長はうなずいた。

「私が気になっている部分はそこです。もし仮にあなたの言うことが本当だとすると、なぜあなただけがそれに気がついているのか、と言う点が気になります。

 仮にファンネルを殺した者だけが気づくと言う話なのであれば、うちの獣狩り達にも同じ現象が起きていなくてはおかしい……」

 私が今日確認したかった事の一つがそれだった。なぜ私のみが、この事象に気づいているのかと言う点。確かに、今日見ていた限りでは、昨日ファンネルを殺したはずの獣狩り達は今日繰り返しに気づいている素振りはなかった。

 町長はつづける。

「正直、今の貴女の話を全て信じるには、根拠が足りなさすぎる……。しかし、もし仮に真実であるなら何か対処をしなくてはならない……難しい所ですね」

 私はうなずく。正直、町長からすれば頭のおかしい人間に見られても仕方がないと思っていたのでむしろ対応は丁寧に感じた。

「これからも貴女が、あの獣を倒すのを邪魔するのであれば、私は貴女を一時的に拘束する必要がありますが……」

 私はここで一つの取引を提案した。

「私を一旦捕らえてもらって構いません、そのかわりファンネルの状況を教えてもらっても良いでしょうか。今日この後日付が変わる前にファンネルが殺されたかどうかを正確に把握したいのです。

 もし、三人の獣狩りが今日中にあの獣を殺したら私に知らせてくだされば大丈夫です」

 町長はうなずいたが、心配そうな顔になる。

「わかりました。しかし、仮にあなたのいう現象が起こらずに明日を迎えた場合、あなたは囚われたままという状況になるのですが……」

「私が今知りたいのは、この繰り返しを抜ける条件と、これが本当にあの獣が原因で行われているのかどうかです。

 もし今日抜けられるのであれば、それがある程度固まるので、別な点の検証に移れます」

 こう言うと町長は納得してくれた。

 リクは特に、繋がれなくても邪魔はしないという事で、宿に帰される。

 役場の係が私を役場の中にある牢屋へと連れて行き、私が入ると鍵をかけた。

 ここの任務につこうと思った時には町長捕らえられるとまでは思っていなかった。

 横になりながら、明日に想定できる展開をいくつか考えておく。

 最も可能性が高そうなのが、繰り返しを抜けるということだ。

 もしこの繰り返しが獣による能力だとすれば、白だということを考えても、『自分が死ぬ現実を時を遡って変える』という能力だというのは想像しやすかった。それならば今日死ななかったのだから明日を迎えれるはずである。

 その場合は、どの殺し方であればこの繰り返しを抜けられるのかという検証に話を移せるとも考えていた。

 だが私の勘はどこか、別の可能性を感じていた。というのも能力があまりに強すぎるからである。時を遡れる程の能力を一拡大型であるファンネルが有しているのかは正直疑問符がついた。

 とするなら、一つ別の仮説が立ち上がる。それは『これは現実ではない』という説だった。

 ファンネルを倒す部分のほぼ全てが現実ではなく、そう思わされているとすれば……。そのくらいならば拡大型の能力としては許容範囲に感じるし、私のみ他の人に比べて影響を受けていないの物納得できた。

 銀の爪の刺青には獣の能力に対して抗う部分があり、獣から受けた傷の治りが速かったり、一部の獣が持つ精神そのものに影響させる能力に対してはその影響が他の人間より弱くなるという能力があったからである。

 だがこの仮説にも欠点がある。獣の目的だ。

 仮にこちらの技や殺す方法の対処を考えているのであれば、私が殺した日とあの三人に殺された日の二つのみで検証はよかったはずである。

 もし回避の方法を探るのであれば、ファンネル自身の行動が変わらない限り、私達を倒す術はわからないはずなのである。だが当のファンネルは行動に一切変化がなかった。ということは別の目的がファンネルにはあるのかもしれない……。

 そこまで整理すると私は一旦眠りに着いた。


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