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超獣戯画Ⅱ  作者: 纏笛


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第20話 手記 五日目-三回目①

五日目-三回目

 朝、起きるとやはり強烈な違和感に襲われる。まずは昨日つけた机の傷を確認すると、予想通り消えていた。

 いつも通りに外に出て朝のひんやりした空気と霧を感じているとラフサルさんが通りかかる。

 あいさつをしても、初対面の私を気味悪がるだけなのは変わらない。

 その後リクと合流すると、町と森の境まで移動する。昨日までは森へと入り、ファンネルの縄張りへと向かったが、今日は違った。

 森の入口の茂みにリクと一緒に身を隠すと、時間が経つのを待った。すると程なくして、三人の男達が現れる。

 彼らはファンネルと私について話していた。

「あの女、本当に銀の爪なんですかね?」

 他の男二人はうなずく。

「そうだろうな。俺も女だったし半信半疑だったが、一回目の戦いを見たろ? あの異様な身のこなしは他の獣狩りとかとは違った」

「武器も特殊でしたしね……」

 質問した男も納得した顔になる。

「まあ確かにあいつがきてからファンネルの集中は俺らじゃなくてあいつに行きましたしね」

 男の中で最も年配の男が、おそらく首領なのか、その先の会話を引き取った。

「そうだな、何にせよ銀の爪が今日しとめられなそうなら、俺たちが狩るぞ。集中が向こうにいってる今が勝負だ……」

 男の真剣な表情に他の二人はうなずいた。

 彼らは予想通りファンネルの縄張りを越えて、山のかなり深い所まで分け入っていく。

 三人がそれぞれ木の後に陣取ったところで、私とリクはそのさらに後方からこっそりと彼らの様子を伺っていた。そのまま待っていると時期にファンネルが現れる。

 ファンネルはゆっくりと足を振り上げると、一気に地面に叩きつける。すると衝撃波が広がっていく。

 衝撃波の範囲を計算しているのか、衝撃波は彼らの木の直前で途絶えた。三人はそれを見計らって、音を立てずにファンネルに近づいていく。途中で射程内に入ったのか、立ち止まると各々武器を構えだす。若い二人はボウガンで、残りの一人、年長の男はライフルを持っていた。

 私はその空気を見て、今の彼らであれば、ファンネルを殺せるだろうと直感した。

 ライフルを構えた男の集中が頂点に達しそうなタイミングで、私はダガーを取り出すと彼らの真後ろにある木の枝にむかって、ダガーを投げた。枝の周りには雪が積もっていて、ダガーが刺さった瞬間、雪が枝から落ちる。ファンネルはその物音に気づいて振り向いた。

 男は焦ってライフルを打つが、間一髪、ファンネルは身をいなして、弾をかわした。

 周りの男たちもボウガンの矢を打ち込むが、外れて下の地面に突き刺さる。

 ファンネルは男達の位置を目で捉えると、また両足を高く振り上げて、一気に振り下ろした。

 衝撃波が来ると思い男達はその場から後ずさりしたが、今回は衝撃波はこなかった。

 おかしいと思ったのか、男達が周りを見渡すと、正気を失った動物達が周りをゆっくりと囲み始めていた。私達は認識外だったのか、動物達は近寄ってこない。

 男達は一瞬顔を見合わせると、各々バラバラの方向に逃げ始めた。森の道に詳しいのか、うまく動物達をかわして、各々動物達の手を逃れて行く。

 だが年長の男が逃げる際、不意に木の上から猿が現れ男に飛び掛かった。彼はうまく銃で防いだが、猿に足に組みつかれて転んでしまう。

 そこを、正気を失っている鹿達が襲い掛かろうとしてきていたので、私は咄嗟に一番手で襲い掛かろうとした鹿の片足を銃で撃ち抜いた。鹿はのたうち回り、何匹かの動物を巻き込んで倒れた。

 男は襲われる瞬間、銃で顔を隠していたため一瞬何が起きたのかわからないといった表情だったが、他の動物が襲ってこないところを見ると、猿を銃で殴ってその場から逃げ出した。

 私は一息つくと、リクを連れてその場から脱出する。なんとか動物達に気づかれずに、森から出ると町へと戻った。

 道中、リクは、

「どうして、今日はあの人たちの邪魔をしたの?」と尋ねて来た。

 私はうまく答えきれなかったので、「あとで理由を話す」と言ってその場は特に何も伝えなかった。

 一旦宿へと帰ってしばらくすると役場の者が私を呼びにきた。


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