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手作りのお守り

作者: ことり。

「はい!これ合格祈願だよ。高校入試頑張ってね!」




「えー!手作りじゃん!!嬉しい!ありがとう。」




少し前にスポーツ推薦で合格したアユはカオルに自分で手作りしたお守りを渡したのだ。




2人は保育園からの幼馴染だ。



とても気が合い、家から徒歩10分くらいのところにお互いの家があった。



カオルはアユの気持ちがとても嬉しかった。




なので、その日から塾のカバンの中にお守りを入れることにした。




12月中旬の寒い夜、塾の休憩時間にカオルは友達と一緒にコンビニへ行こうと横断歩道を渡ろうとした。



「危ない!!」



ドンッ!!



カオルは直進して来たトラックに思いっきり撥ねられてしまったのだ。



勢いよく吹っ飛んで地面に倒れてしまった。



塾の近くと言うこともあり皆んなが目撃していた。



カオルは恥ずかしさのあまり素早く立ち上がった。



「ごめん。ごめん。大丈夫?怪我はない?」




「大丈夫です。」




「ごめんねー。なんかあったらこの番号に連絡して。」



「はい。分かりました。」



カオルはおもいっきりトラックに撥ねられて吹っ飛ばされたのに全くの無傷だった。




トラックの運転手はそそくさと警察も呼ばずにその場から逃げて行ってしまった。



カオルは塾から帰ってから母にさっきトラックに撥ねられたことを言いたくなかったが報告した。



「何それ?!ありえないんだけど!警察とか呼んでもらわないとだめでしょ!体は大丈夫なの?」



「うん!全然大丈夫だから!心配かけてごめん!」




カオルはその日ゆっくり暖かいお風呂に入り、冷えた体を温めた。


冬場なので厚着をしていたため無傷だったのだろうか、、。不思議なくらい全くどこも痛くなかった。




自分の部屋に帰り塾のカバンの中を見てみると、アユからもらったお守りの紐が少しばかり切れていた。



そう言えばトラックはカオルの背中にぶつかって来たのだ。



カオルはアユのお守りが守ってくれたんだと瞬間的に感じた。




あの時背中にリュックを背負ってなかったらと思ったらカオルは少しぞっとしたが、その話を早くアユに明日報告しようと心に決めて親の心配をよそにウキウキしながら眠りについた。




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