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家庭菜園物語  作者: コンビニ
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38 米襲来

 麦は思った以上に収穫ができたが、お酒の布石にために必要分以外は大麦などに変えて、保存庫に眠らせている。

 大麦が保存された袋が増えてきていることに姉さんがやや怪訝な顔していたのでこれ以上増やすのは難しいため、パンを繰り返し焼いて、少し売りに回したりもしている。原料として売っても非常に安いので致し方ないが、家の中では常に焼きたてのパンの香ばしい匂いが充満している。


「にゃーん」

「仕方ないじゃないですか。小麦だってもったいないし、少しの匂いくらいは我慢してください」


 我が家のメニューとして、パンも定番となり、ジャムを舐めたいモモが朝食として採用することはやや多めである。

 まぁパンも美味しいからいいんだけど、今度こそジャムは取り上げる必要があるかもしれない。

 一度は取り上げようとしたが、涙目で見つめられてしまえば、俺もイチコロである。


「にゃーん」

「あ、甘やかしてるわけではないつもりです。パンだって美味しいですし、体に悪い物ではないですからね」

「にゃーん」


 常にするパンの匂いで姉さんも若干不機嫌ではある。

 

「まぁまぁ、これからは米のシーズンに入りますから。炊き立ての新米ですよ!」

「にゃーん」


 いいですね、漬物に魚に味噌汁。最近、漬物壺という商品を購入して、ナスやきゅうり、大根、人参などの漬物シリーズも自家製で作成されている。

 ジャムのせいでパン派になりつつあるモモには若干の不評ではある。

 ここで米の美味さを改めて体感してもらい、米の良さも知ってもらいたい。

 10月になって田んぼがついにラインナップに展開されるたので、米を育てるのに必要に環境を整えていく。先月あったお金は使い切ってしまったが、パンの売上たカボチャなどの高額な野菜の売上もあり1ヶ月でそこそこの金額を用意することはできた。

 平均単価が上がったというのに使用しなければならない金額の単価も上がっていくというのは仕方ないと思いつつも、溶けていく金額を見れば悲しくもなる。


 田んぼを購入して設置、うんうん、水が張っていないカピカピの田んぼだ。アイコン上に水が必要と出ている。

 田んぼの側に小川を設置すると、妖精さんが現れて数時間で小さい滝方面から細い川が引かれる。あとは小川から用水路設置すると、田んぼ側に排水口と給水口が出来上がり、アイコン上でも田んぼが使用可能と表示される。

 アイコンを選択すると、米を収穫するまでの流れが表示される。何日目で水を抜いたり、どのくらいの水の量にしておくなど水のコントロールをしなければいけないのは手間ではあるが、美味しいお米のために頑張ろう。


「お父さん、これは種ではないですよね?」

「ああ、これは稲の苗なんだ。水を張った後に、これを田んぼに植えていかないといけないんだけど、モモも手伝ってくれるかな?」

「わん!」

「お前に言ってないんだが。いいか、大福。これは泥遊びじゃないから絶対に入ってくるなよ」

「わん」

「ちょっともダメですかって、大福様が」


 なんで犬って泥遊びが好きなんだろうか、猫じゃらしの誘惑に勝てない姉さんのような状態ということか。


「大福、今日だけだぞ」

「わん!」


 勢いよく飛び出した大福が泥団子へと変わっていく。洗うのがしんどそうだ。

 あ、小川に自分で入ってもらって少し汚れを落としてもらうのもありか?


「じゃあ、こっちはこっちで植えていこうか」

「はい!」


 子供の時に田植え体験をしたことはあったけど、基本田植えは暖かい期間にする行事だったので、半ズボンで素足でやっていたけど、今は気温的に流石に寒いので、汚れ防止も兼ねてるウェダースーツというのを子供用合わせて購入する。

 モモの髪は帽子でまとめてもらい、ウェダーを着てもらう。うちの子は何を着ても可愛いな。

 最近は俺の着ているツナギを気に入って、子供用のツナギも着ているがどんな服もこの子なら着こなせてしまう、恐ろしい子だ。


「できるだけ、均等に植えていこう!」

「頑張ります!」


 腰に苗を入れる用の袋を購入して、装備し、腰を落として1つ、また1つと植えていく。

 ふと隣で植えていたはずのモモが消えていた。ははーん、俺のスピードについてこれず後ろに−−いないだと! うん、知ってたけど、麦の時のデジャブである。モモは俺よりずっと先に進んでおり、真っ直ぐに綺麗に植えている。それに引き替えて俺の苗ときたら根性が捻じ曲がってやがる。


「にゃーん」


 横で見守っていた姉さんが曲がってるのはお前の性根だと、丁寧なツッコミを入れてくる。

 そこまで曲がっていないつもりなんですがね。

 麦の時と同様にモモの方が早く自身の担当分が終わったので、モモの応援を背中に自分の担当分を完遂する。


「お米は何日後に収穫できるんですか?」

「この庭の仕様だと15日後の予定だよ」


 田んぼに苗で22万仕様したが、精米器が10万円となっているのでまたお金を用意しないといけない。

 小川を設置するのにも、用水路を作成するのに石材の加工でお金もかかったし、常にお金がない状態が続くな。


 


 

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