表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家庭菜園物語  作者: コンビニ
21/180

20 新生活?

 ガンジュさん達がこの森を離れて2日ほどでモモの熱は下がったが、体の節々が痛いと動くのが辛そうだった。

 成長痛のようなものだろうか。無理をしないように姉さん監視のもと、家から出ないようにしてもらってる。

 縁側に座って俺の畑仕事を眺めているくらいまでは許可しており、だいたいは縁側で過ごすことが多かった。

 

 そして3日目にはガンジュさん達を送ってきてくれた大福が戻ってきた。

 

「わん!」

「大福、お疲れ様−−ってお前また黒糖饅頭になりやがって、あっモモに抱きつくなよ! 洗ってからだ! モモも触らないの!」

「わん」


 お疲れの中、悪いな大福。

 簡単に井戸水で大福を流して風呂場へと連れていく。大福用のタオルを2枚用意して、あとはシャンプーをしてっと、大福は姉さんと違って風呂が好きで助かる。

 意思疎通ができるのに姉さんは変わらずに風呂で暴れるので一苦労だ。


 簡単に泥を流すだけで、排水溝には毛がいっぱいになる。排水溝がどこに繋がっていて詰まるかもわからないが、念のために毛を除去してシャンプーでは洗う流す、除去、洗うと繰り返しやっと黒糖饅頭から大福に戻ってくれた。

 

「わん」

「あいよ。お礼なんてよせよ。こちらこそ、ガンジュさん送ってくれてありがとうな。これから飯を狩りに行くのも大変だろから、今日はカリカリとか専用のフード出すからさ」

「わん!」


 仕上げとして、貯めておいた湯船にに大福がダイブする。気持ちいいと、満面の笑みで風呂に入る姿はSNSがあったら可愛過ぎてバズるだろうな。


「なぁ大福。相談なんだけどさ、さくらさんと連絡って取れないかな」

「わん」

「方法あるのか?」

「わん!」


 相変わらず大福の言葉がわかる訳ではないが、なんとなく会話ができた。

 さくらさんを呼んでもらえるなら助かる。これまでのこととか、これからのことも相談したかったし。


 大福が風呂を堪能した後にブルブルしてもらって、できる範囲で水分を飛ばし、1枚目のタオルで水分を拭き取って、もっかいブルブルからの、もう1枚のタオルで仕上げ拭き。あとはドライヤーだ。大型犬用のドライヤーも欲しいなぁ。


「わん」

「大福様、おかえりなさい」

「わん!」


 モモに帰ってきたよと、頭を擦り付ける。


「少し冷たいですね。乾かしますね」


 うちの子と犬のセットは相変わらず可愛いな。

 成長痛で激しい運動はできないが、乾燥とブラッシングはモモに任せる。俺がやると露骨に嫌そうな顔するんだよな。そんなに下手かな。そもそもブラッシングにうまい下手ってあるのか?

 あるから嫌がってはいるんだろうが、もしかすれば俺が下手な訳ではなくモモが上手すぎとか?


「姉さん、うちの娘が凄いって解釈でいいですかね?」

「にゃーん」


 姉さんには知らんがなと言われた。そう言う姉さんもモモのブラッシング好きなくせに。

 ある程度、大福の感想が終わると、縁側から外に向かって大きな遠吠えをした。なんだ?


「大福、突然どうした?」

「わん!」

「お父さんにお願いされていた、さくらさんへの連絡を取るためにお願いをしたと仰っています」


 遠吠えがさくらさんに届くのだろうか、お願いというくらいだから別の手段があるのかな。

 

 大福が遠吠えをした後も、特に変化がなく穏やかに草原や、野菜達が揺れるだけだった。まぁ、大福は自信まんまんだったし、何かしらアクションはあるんだろう。


 7月の後半になって更に暑くなってきたが、エアコンを購入するほど暑くはない。自然の風だけでも十分に涼しいが、扇風機だけは購入して、昼間とかに氷を置いてちょこちょこ使用している。

 回る羽根にモモが隠れて、声を当てていたのは、どこの家庭でもある夏の風物詩だろう。特別うちの子の方が可愛いがな。


 ここまで日焼けするのは初めてで、少しヒリヒリする。麦わら防止と薄めのロンTで日焼け防止はしていたけど、カバーは仕切れなかったな。俺はいいけど、モモにはケチらずに日焼け止めを購入しよう。

 ガンジュさん達と頑張った結果、アンロック数が一定数達成できたため、新しい野菜が解放されている。そうあの野菜なのか果実のかのかどっちやねんっていう夏の風物詩、西瓜である。美味けれどっちでもいいというのは俺の見解である。


 ガンジュさん達がいれば西瓜で驚かせてあげたかったなぁ。西瓜ってそもそもこの世界にはあるのかな?

 大豆とかはあるっぽかったし、野菜も似たようなのは見たことあるって感じで知らない種類もあったし、全く一緒という訳ではないみたいだけど。収穫まで1週間かかるので8月になってしまうが、モモに食べさせるのが楽しみだ。


「今日はこんなもんか。明日はそろそろ石材にも手を出していきたいな」


 西瓜を多めにいつものじゃがいも夏野菜シリーズを少々って感じで植え終わった。肉はまだまだある。

 お金はガンジュさん達用に使用したので手元は心もとない状況だ。モモも正式に家族になったし、これからの成長を考えればもう1つ家をランクアップさせたい。でもそれは来年になりそうかなー。

 とりあえずは水田のアンロックを狙って、米などを買わなくてもよい環境を作りたい。濃い2ヶ月ではあったけどまだまだ俺のスローライフはじまったばかりだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ