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第7話 そういうところです。

「死ぬのか?」

「なら、私を飼ってくれますか?」


 まさかこんな場所で自殺志願者と出会すとは。

 今日の俺には、妙な巡り合わせがあるのかもしれない。無理矢理引き摺られる奴隷を見たのも、奴隷の高さに驚かされたのも。


 その全てが、今この瞬間への伏線に思えてならない。


「スキル『鑑定眼』」


【ステータス】

 名前:ルナ

 ギルド:無所属

 ユニークスキル:【???】

 スキル:『隠密行動』F『剣術』E『体術』F『冷静』F『軽業』F『料理』G『並列思考』G『瞑想』G『敵感知』G



「私に居場所なんてありません」


 こ、これは。あのユエとかいう『黒精種(ダークエルフ)』よりも圧倒的にスキル数が上。しかも実戦的なスキルが多く取り揃えてある。ダイヤの原石が地面に転がっていたような、とてつもない高揚感が押し寄せた。


「……待て。お前の名前」

「何ですか、急に。これから死ぬ人の名前なんて聞いてどうするつもりですか」


 彼女の猫目がすっと細く俺を見据える。


()()……」

「ど、どうして私の名前を。なんですか、ストーカーですか、変態ですか。どこから聞き付けたのですか!」


「い、いや誤解だ。これはスキルで……!」


 違う。俺はその前にこの子の名前を一度聞いていた。


(()()()()()()()()ッ)


 無理矢理連れられたあの少女。確かにこの子の名前を叫んでいた。ただならぬ関係、そして踏み入れてはいけない闇がそこにあるような気がした。


 彼女は他の奴隷とは違い、首輪をしていない。

 彼女の背景から想像するに「元奴隷」だろう。


 俺は彼女に関わっていいのか?

 俺は、何か強大な物を敵に回すのでは無いか。


 そんな疑問と思惑が、入り乱れた。



「ルナ。俺がお前を飼ってやる」


 俺は手をさし伸ばす。

 怪訝な表情でルナは身を引いた。


「これは取引だ。お前は俺の剣となれ。そうすればきっと、お前がかつて捨て去った願いを叶えてやるさ」


「願い……」


「ああ。約束しよう。俺はこう見えても、有言実行するタイプだ」

「もし、それが……()()()()()()()()()()()ですか?」


 あれぇ?????


 うーん、なんか雲行きが怪しいぞぉ?


 おかしいな。俺の予想では、涙を滲ませながら俺の手を取り、よろしくお願いしますと冒険の相棒となって、やがては唯一無二の存在にまで昇華する予定だったのだ。


「ふ、復讐は何も生まないぞ?」

「でも、今の私にはそれくらいしか……」


 まーずいな、これ。完全に目が据わってる。

 やばい人に手出しちゃったかなぁ〜?


「ふふふ、まあいい。好きにしろ。だが当分は俺の言いなりになってもらう。それでも構わないな?」

「分かりました。この悲願が果たせるなら、私に好きにしてくれても構いません。なんでも命令してください」

「え、今なんでもって」

「何想像してるんですか、変態ですね」


 こいつ……俺を舐めているな。

 よし来た、今晩にでも"理解ら"せてやる。


「それで貴方をなんとお呼びすれば」

「んー、そうだなぁ」


 改めて言われると困っちゃうな。


「『変態さん』ですか?」

「それはやめろ。命令な」

「……」


 ねぇ今、舌打ちしなかったこの子。


「やっぱりご主人様♡かな」

「はい、変態っと……」

「違う、これはジャパニーズ文化と呼べ!」

「じゃぱ……?」

「くそっ、好きに呼べよもう。俺はレイ、よろしく!」

「ふふ、なら好きに呼ばせてもらいますね。"主"」


 0→2


 ふん、生意気だがこれ以上ない逸材。

 使いこなしてこそ、有用な武器となる。


「では早速街に戻るぞ」

「何をされるんですか、強姦ですか?」

「しねーよ、馬鹿か。武器を揃えるんだよ」

「武器、ですか」

「女の子に生身で戦えって命令する程俺が鬼畜に見えるのか? 今度からお前に死なれたら俺も死ぬ運命にあると思え」

「メンヘラ彼女みたいな事言わないでください」

「後追い自殺じゃねぇよ!」


 俺がスライムも倒せないポンコツとも知らずに。

 ふん、まあいい。戦闘系スキルを手に入れるまではこの子を傍において置く事で決定だな。



「で、武器屋はどこにあるんだ?」

「はい……?」


 街の中心地に戻ったはいいものの、滞在歴一か月と満たない俺に武器屋の所在など知るはずもない。見てみろ、ルナの呆れきった顔を。これが仮にも主へと向ける顔だろうか?


「ルナは」

「知る訳ないじゃないですか。ずっと囚われの身だったのですよ。多少なりと土地勘はありますけど、案内できる程では」


 俺が1を聞く前に10の返答が帰って来た。

 言葉の端々に毒っ気があるのもきっと気のせいだ。


「じゃあ適当に見て回るか」

「そうですね」


 思えば、ここらを歩き回るのも、ちょうど俺がこの世界に来て以来だった気がする。整備された街並みに感銘を受けたあの頃に比べると、第二の故郷というべき落ち着いた感覚に満ちていた。


「いらっしゃい、兄ちゃん。これ買っていくか?」


 バナナ……じゃない、ブルバの実だ。

 どれも新鮮な果物を取り揃えてある八百屋のようだ。


「ふむ」


 確かに小腹が空いてきた。

 こいつ(ルナ)にも何か買ってやりたいな。


 ───スキル『交渉術』発動。


「えーとじゃあブルバの実を……」

「お、彼女さん連れかい? ならサービスしてやる」


 二房のブルバの実を俺に手渡してきた。


「銅貨3枚。ちょうど、毎度あり!」


「なんですか、なんなんですか。彼女って……!」


 ルナさんは大変ご立腹の様子だ。

 顔を赤らめながら器用に憤慨している。



「そうだ、この辺りで武器屋を探しているんだが」

「武器屋? なら、ジンエイの店を訪ねるといい。店主は気難しくて、人を選ぶような真似をするが、きっとお前達ならお眼鏡にかなうはずさ。はっはっは」


 適当言いやがってコノヤロウ。

 軽く礼を言って八百屋を離れた。


「ほれ、これ食えよ」

「な、何ですか。何が目的ですか」

「別に見返りを求めてる訳じゃねぇ。食え、命令だ」

「なんなんですか、全く」


 実を剥いて、ぱくりと小動物のように小さく口にした。甘さが口に広がって頬を緩ませる。


「主は変な人ですね」

「それは褒め言葉か?」

「そういうところです」


 2→4



名前:ルナ

ギルド:無所属

ユニークスキル:【???】

スキル:『隠密行動』F『剣術』E『体術』F『冷静』F『軽業』F『料理』G『並列思考』G『瞑想』G『敵感知』G

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