学校の七不思議その三
学校の七不思議。
定番中の定番。
ごくありふれた都市伝説。
此のフレーズは前にも言ったな~~。
まあ~~良いか。
次の七不思議だが……。
夜の学校をうろつき回る人体模型。
確か昼間に見たって怖い理科室の「人体模型」。
其れが夜の学校で徘徊しているという話。
「其れ痴呆症? 深夜徘徊って……」
「え~~と」
僕の言葉に困り顔の相棒。
というか離れて欲しい。
腕を組まないで欲しい。
変な気分に成る。
「まあ~~そんな都市伝説というだけだよ」
「そうなの相棒?」
「まあ~~」
「うわ~~いそれ怖いわ〜」
「あ~~」
僕の棒読みに頬を掻く。
うん。
ごめん。
たいして怖くないわ。
「だれが見たの?」
「警備の人が見たみたい」
「学校に居るの?」
「まあ~~仕事だし」
「何処で見たの?」
「更衣室」
「……」
その人まさか女子更衣室見てないよね?
捨てられてるゴミ箱漁ってないよね?
例えば更衣室に隠しカメラ設置とかしてないよね?
犯罪臭がひどいんだが……。
学校は何も言わんのか?
「その人なにしていたの?」
「戸締まりかな?」
相棒……何で顔を逸らす。
僕と同じこと考えてたな此れは。
コツン。
コツン。
「うん?」
コツン。
コツン。
夜の闇が其処に広がっている。
暗い闇。
其処には原始の恐怖を感じさせる何かがある。
懐中電灯の向けた先に一人の人影があった。
ヘドロのような黒。
ドロリとした何かを連想させる。
トレンチコートを着た不審人物。
顔は見えない。
何故か。
何故か見えない。
其の人物はトレンチコートを脱ごうと手を襟にかける。
其の瞬間僕は走った。
そのまま跳躍っ!
「仮面○イダーキックッ!」
そのまま激突っ!
そのまま不審人物を廊下に倒し乗っかる僕。
「djcjsdhkjdkdcdhっvcっ!」
何か知らん悲鳴を上げる不審人物。
まあ~~仕方ない。
僕のキックした先は不審人物の股間だからだ。
うん?
なんか妙に硬いな?
「え~~と? 何やってるの?」
「いや全裸徘徊してる変質者かと思って」
「酷い…」
相棒は脱力していた。
「女子の前で不審な行動を起こしたのが悪い」
「何其の暴論?」
「そう?」
僕は不審人物の顔を拝もうと下を見る。
相棒も興味をかられたのか見る。
「khしいdsっc~~」
「「……」」
人体模型でした。
紛らわしい。
「相棒」
「了解した」
阿吽の呼吸である。
スマホを取り出した相棒は警察に連絡した。
後日談。
都市伝説専門の部署に人体模型は送られることになりました。
本日二体目です。