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4話 父上殿の友人

サブタイトルに副題を付け加えました。

 朝食後、父上殿に誘われ散歩に行くことなり、歴史書が読めるのは、帰ってからとなった。


 散歩をしながら話す中でいろいろと情報を仕入れることができた。


 ここは王都から徒歩で一時間ぐらいの距離にあるドンテという町。

 冒険者1割ぐらいで、他は農業で生計を立てているものが多い。

 父上殿と母上殿は、わしが生まれる1年前ぐらいにこちらに引っ越してきた。


 父上殿は毎日王都まで通って仕事をしているとのこと。

 冒険者の依頼としては、王都の警護隊に派遣されて、警護をしているとのこと。

 母上殿が冒険者に復帰したら、二人で日帰りできそうな案件を受ける予定らしい。

 ケンカの加勢はいいが、仲裁は苦手だと話していた。

 

 街には商店もあり、八百屋や肉屋、服屋などいろいろなお店があった。

 お店にどのような商品があるのか気になったが、父上殿が友人と会う約束があるということで、その後に寄ることになった。

 なんじゃ、散歩でなく会う約束があったのか。

 こういう場合も散歩なのか?

 そんな散歩の定義を考えていると、うちと同じぐらいの一軒家へとたどりつく。

 鉄の門を開けて、中へ入り玄関までいき、父上殿がドアノッカーをたたく。


「おーい、キリスタだ。」


 しばらくしてドアが開いた。

 ドアを開いた人物は、父上殿よりも長身で、体形は細身。

 肌の色は、前前世の黒人をほうふつとさせる。

 髪の毛は銀髪であった。

 また、耳がエルフ族特有のとがった形状である。


「おう、よく来たな。まぁ、何もないが上がってくれ。」


「あぁ、お邪魔させてもらうわ。あと、この利口そうな子供が愛息だ」


 前にでて、頭を垂れる。


「うむ、ルイトと申す。以後見知りおくのじゃ。」


 ゴチン!


 脳天に痛みが走る。


「ルイ、大賢者ごっこは止めなさい。もう一度やり直して」


 どうやら父上殿から拳骨をくらったようである。

 かなり痛い。

 どうやら大賢者の威厳ある話し方がダメだったようだ。

 ふぅ。仕方ないのじゃ。2度目の拳骨は勘弁じゃからな。

 前前世の知識を思い出して、なるべく丁寧に話すことにするのじゃ。


「お初にお目にかかります。キリスタの息子、ルイトと申します。今後ともよろしくお願いいたします。」


 頭を再度垂れる。

 あれ、相手の反応がない。

 頭をあげると、相手はポカーンとしている。

 父上殿を見ると何やら複雑な表情。


「えっと、何か失礼いたしましたでしょうか? 」


「あっ、あ、いや。丁寧なあいさつをどうも。俺はカスタルニアだ。よろしくな。」


「はい、こちらこそよろしくお願いいたします。」


 カスタルニアは父上殿をみて、


「この子、本当におまえの子か? 冒険者というより商人みたいな挨拶だったぞ。」


 どうやらやりすぎだったらしいのう。

 加減がわからんかった。


「ああ、確かに俺の子だ。たぶんな。ただ今朝から様子がおかしい。」


 様子がおかしい?

 そりゃそうじゃ、おそらく中身が昨日とは別人じゃ。

 しかし、考えると昨日までのこの体の主は、どこへいったのか?

 わしが吸収したのか?

 それなら、昨日までのこの世界の記憶があるべきじゃがない。

 もし、わしの転生で人格が死滅したとなるとものすごく申し訳ないのう。

 しかし、わしの意思でやったことではないからのう。

 わしを恨むことだけは勘弁してほしいのじゃ。


「そうか。まぁ、いつまでもここで話さず、中に入ってゆっくり話そうぜ。」


「あぁ、そうだな。お邪魔します。」


 そういって父上殿は、わしの手を握ってカスタルニアについていく。


 客間らしき部屋について、促されるまま二人用ソファーへ父上殿のと座る。

 カスタルニアは、わしらを案内するといったん部屋からでていった。

 そこそこ豪勢な客間に少し驚き、あたりを見回した。


「はは、すごいだろ。あいつはドラゴンスレイヤーと言って、ドラゴンを倒した男なんだよ。だから名声と金をたんまり持っている。」


 ドラゴンスレイヤーとな。前世のわしでも倒すまでに30分はかかるドラゴンを倒すとは。

 なかなかやりおるわ。

 まぁ、前世のわしの強さには、及ばんがのう。

 そうこうしているうちに、カスタルニアが飲み物と茶菓子をもって戻ってきた。

 茶菓子はクッキーとケーキ。

 飲み物は、わしにはオレンジジュースで、父上殿には紅茶のようであった。


「まだ昼にもなってないからな。アルコールはなしだ。」


「構わんさ。酒はまた今度、大人だけで楽しもう。」


 むむ。わしもお酒飲みたい。

 5歳児じゃ当分お預けじゃのう。


「誕生日おめでとう! ルイト君」


 そういって、カスタルニアはわしに剣を差し出す。


「あ、ありがとうなのじゃ」


 ゴチン

 また、拳骨をくらう。


「ありがとうございます。カスタルニアさん」


 わしの背丈より大きい剣を両手で受け取る。

 ずっしりと重い。この歳だと振り回すのは無理じゃぞ。


「ははは、重いか。使いこなすのは10年ぐらい先になりそうだな」


 まぁ、今の体ではまともに振ることも難しかろう。

 魔力があれば、身体強化の魔法で使えんこともなかったんじゃが。


「いいのか、こんな上等な剣をもらって。」


 父上殿が申し訳なさそうに質問する。


「もちろんだ。娘と同じくムサシ様に師事を仰ぐのだろう。娘のふみだ・・ごほん。娘の良いライバルになってもらいたいからな。」


 踏み台と言いかけたぞ。

 こやつは完全に親バカじゃ。


「すまんな。俺も、リトアちゃんにはもっと高価なプレゼントを渡すべきだったな。」


「何言ってんだ。プレゼントは価格じゃねぇだろう。気持ちだ。娘は毎晩もらったぬいぐるみを抱いて寝ているぐらいお気に入りだ。あほなことを言ってると張っ倒すぞ。」


 なかなかいいことを言うではないか。

 そうだ、気持ちじゃ。価格ではないのだ。


「すまん。俺が間違っていた。ありがとう。」


 そういって頭を下げる。


「そういうのはいいから、いいから。おまえは前からまたに、少し堅苦しいところがあるぞ。この話はこれで終わりだ。で、実は謝らなければいけないことがある。今日は顔合わせが目的だったんだが、その本人のリトアがまだ帰ってきていない。すまん。」


 なるほど。今日はそういう会だったのだな。

 寺子屋で会う前に、事前に会うことで中を深めようという。


「いや構わんが、どこに行っているんだ?」


「ああ、自主練と言って出かけたから、いつもの公園だろう。いま、妻に迎えに行ってもらっている。」


 自主練?

 なんともストイックなおなごじゃ。

 5歳児がやるもんではないぞ。

 いや、5歳児なのか?

 寺子屋には5歳児から通えるようじゃが、リトアが5歳児とは

 誰もいっとらんからのう。年上かもしれんのう。

 当然身体的な意味で。


「はは、相変わらずだな。前来た時も自主練に行っていいか何度も聞いていたからな。」


「どうも俺に憧れているようで、ドラゴンスレイヤーになるんだっていつも言ってる。俺に憧れてくれているのは嬉しいんだが、危険が常の冒険者にはなってほしくないんだがなぁ。魔剣士でなく、魔法使いを目指してくれるとまだマシなんだが。剣術の稽古は、顔や体に傷が付くからやってほしくない。」


 女の子じゃからな。気持ちはわかるぞ。


「リトアちゃんは、魔力量にも恵まれているんだっけ。それなら魔法使いで冒険者を目指してほしくなるよな。」


「そうなんだよ。わざわざ剣術を鍛える必要なんてないくらいの魔力量なんだぜ。剣術を鍛えずに魔法一本に絞って鍛えていけば、大賢者を超えることも夢じゃねぇってのに。」


 はははは、それは無理じゃ。

 前世のわしを超えるなど、不可能じゃ!

 それが可能のはわしだけじゃ。

 しかし魔力量に恵まれているとは、なんとも羨ましい話じゃ。

 わしなんてゼロじゃからのう。ゼロ。

 はぁ~。


 このあと、娘自慢が10分ほど続き、早く終わってくれと神に祈り始めたころ、

 ガチャと扉が開き、リトアらしき子供が入ってきた。

【わしからのお願い】


この小説を読んで少しでも面白いと思ったり、続きが気になる、エタらずに頑張れと応援してくれる読者殿がおるのなら、↓の★★★★★を押して応援してくれると助かるのじゃ。

それを励みにきっと作者は頑張るのじゃ。

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