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番外編短編・新しい友達

「え!? 婚約者と同居しているってどういう状況なの?」


 ある日の放課後、美加子さんと櫻子さんと一緒に甘味処でお茶していた。


 この甘味処は、美加子さんの親戚がやっている所で、時々おまけしてくれる。


 私達が今食べているあんみつの果実の量がちょっと多い。

 平日の放課後は、こんな風に寄り道は出来ないが、今日は半ドンなので羽を伸ばす。


 ミッションスクールで新しく出来た友達とこんな風にお茶するのが楽しみでもあった。


 矢絣の着物に袴にブーツというハイカラな女学生の姿もすっかり慣れた。


 入学してから三カ月たち、美加子さんや櫻子さんという同級生ともすっかり仲良くなった。


 なんと二人ともクリスチャンで、聖書の話をするようになって仲良くなったにだ。


 これも神様が導いてくれた縁だと思う。


 私は隆さんと婚約中だが、特に引っ越したり生活は変えていない。今までの事情を説明すると、二人とも納得してくれた。


「そうなんだ。そういう事情だったら、仕方がないわ」

「でも、志乃が卒業まで結婚を待ってくれるんでしょ?とても良いお方ね」


 美加子さんも櫻子さんも否定するどころか、この事情を理解してくれてとても嬉しかった。


 女の子同士のおしゃべりは弾み、おススメの賛美歌、好きな聖句、最近祈った事の内容で話が弾む。


 あんみつも美味しく、楽しい時間をはあっという間過ぎていく。


 隆さんは、結婚は卒業後で良いと言ってくれた意味がよくわかる。


 もし、あのまま家庭の入ってしまったらこんな風に同年代の子と友達になれる可能性は低かっただろう。


 別に多くは望まないが、こんな楽しい時間をくれた隆さんに感謝しか無い。


「あんみつ、美味しいわね」


 美加子さんが笑って言う。


「そうね。何だか夢見たいの美味しいわね」


 櫻子さんもうっとりとした表情で言う。


「私はみんなと居るだけで楽しいわね」


 私はついつい本音が漏れてしまった。


 こんな時間は長くは続かない事はわかっていたが、今は甘味と友達とのおしゃべりの浸っていたかった。

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