表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/1385

86.海賊船を調べます

 スケルトンたちを倒し、大型海賊船の甲板に上がった三人。

 狙いはもちろん、その内部だ。


「レンちゃんっ!」


 甲板から船室へと向かう扉にレンが右手を伸ばすと、駆け寄ってきたメイが左腕に抱き着いた。

 そんなメイの左腕に、さらにツバメが抱き着く。


「何があるのかなぁ……っ」

「何が出て来るのでしょうか……」


 ドキドキしながら顔を見合わせる二人。

 薄暗い無人の海賊船へ忍び込む怖さと、何が待ち受けているのかに期待するワクワク感。

 それらの合わさった結果が、この抱き着き合いだ。


「前回もそうだったけど、なんで体力の一番低い私が先頭なのよ」


「きゃあきゃあ」言いながらしがみついてくるメイたちに、つい笑ってしまうレン。

 ドアを開けると、そこは装備品が並んだ作戦室のようだった。

 ほこりだらけのサビた武具は、この船がもう長らく使われていない事を示している。

 階段を降りて進んで行くと、そこには少し豪華な作りのドア。

 ここが船長室だろう。

 再びレンが、ドアノブに手伸ばす。


「レンちゃんっ!」


 もちろんメイはレンに抱き着き、そのドキドキ感に尻尾を小刻みに震わせ出す。

 そんなメイにしがみつくツバメも、すでに船長室に熱い視線を送っている。


「はいはい、準備はいい? それじゃ開けるわよ」

「うんっ!」

「はい」


 レンはドアノブをゆっくり回していき、そこでストップ。


「…………」


 そっとドアノブから手を放す。


「レンちゃーん! もったいぶらないでー!」

「まさかの焦らし攻撃です……っ」


 期待通りのリアクションの二人を見て、レンは笑いながらドアを開く。

 最初に目に入って来たのは、小型のシャンデリア。

 敷かれた赤い絨毯に、深い色合いの木製デスク。

 船長室はかなり豪華な作りをしていた。


「これはまた、意味ありげな航海日誌ねぇ」


 デスクに置かれていた日誌に手を伸ばしたレンは、さっそく目を通してみる。


「……なるほどね。この海では『海魔の王』と『白イルカ』が、ずいぶんと長い年月をかけて戦い続けてきたと」


 日誌には、海賊が見てきたルルタンの歴史がつづられていた。


「海の生き物たちを『悪』に変えて従える海魔の王。海賊たちはこの『海の生き物を従える』力に目を付けて、競うようにして海魔の王を奪い取りに来たけど……返り討ちにされたのね」

「悪さをしていたサザンガニやマッドシャークは、海魔の王の手下だったのですね」

「ということは、必然的にこの遺跡が海魔の王の住処ってことになるわね」

「ここに集まっている海賊たちは皆、海魔の王とその手下にやられてしまったということですか……」

「そしておそらくだけど、今この海を守っている白イルカは世代交代中でまだ力不足なのよ」

「あの子、そんな大変な戦いをしてたんだぁ……」


 感嘆の息をもらすメイ。


「どうやら、戦うべき相手が見えてきたみたいね……ん?」


 サン・ルルタンに潜んでいた大きなクエスト。

 その概要を知ったレンは、最後のページに書かれていた言葉に目をとめる。


「カギは三段目の引き出し。開けられる本は一冊だけ……さてどれを開くべきか」


 デスクの引き出しの三段目。

 レンが開けてみると、そこには古びたカギが一つ。

 続けて本棚に目を向ける。

 革表紙の本が並ぶその場所には、明らかに雰囲気の違うものが四冊収められていた。

 赤、青、黄、緑の表紙の本に、小さなカギ穴がついている。


「……スキルブックね」


 その内容は炎の魔法が二冊と、氷の魔法と岩の魔法が一冊ずつ。

 どうやら選べるのは、この中から一つだけのようだ。


「先に『海中の仕様』を確認しておいてよかったわ」


 苦笑いしながら、レンは【フリーズストライク】を選択した。

 さっそく鍵を使って、スキルブックを使用する。


「火の魔法じゃないんだね」

「光る石畳の上も判定は水中なのよ。炎は効果激減で、この後始まるであろう戦いに使えそうにないからね」


 レンに炎のイメージを持っているメイは「そうなの?」と首と尻尾を傾げる。


「こういうのがあるから、マップ埋めはやめられないのよね」

「偶然良いものを見つけた時の感動は、忘れられません」

「確かに一度知っちゃうと、気になって先に進めなくなっちゃうねぇ」


 また一つ、ゲームの『あるある』を知ったメイ。


「さ、遺跡に向かう路に戻りましょうか」


 ゲーム好きなレンは、満足そうにほほ笑んだ。

誤字報告ありがとうございます! 適用させていただきました!


お読みいただきありがとうございます。

少しでも「いいね」と思っていただけましたら。

【ブックマーク】・【ポイント】等にて、応援よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ