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855/1481

855.一掃

「【影走り】」

「【影走り】」


 残るアサシンは二体。

 その狙いは、戦いの中心になっていたメイとレンだ。

 しかしメイが立ち塞がったことで、アサシンは二体ともメイに攻撃を仕掛けにいく。


「ボス格の連携……!?」


 この事態に驚く追従プレイヤー達。


「【斬烈】」


 一体目のアサシンが、飛ぶ剣撃を放つ。

 これをメイが身体の傾けで避けると、即座に二体目のアサシンが短剣で続く。


「【双斬烈】」


 左右二連の剣撃は、攻撃範囲を広げる空刃で剣を包むもの。

 メイはこれを冷静に見極め回避する。

 すると剣撃を飛ばしたアサシンの直後に、間髪入れずに短剣の振り払いが続き、踏み込みからの返しへとつなぐ。

 これを下がって避けたところに、【跳躍】から振り下ろす斬撃。


「【アクロバット】!」


 バク転でかわすと、着地したばかりのアサシンを追い越す形で、短剣のアサシンが空いた手を伸ばす。


「【極氷砲】」

「【裸足の女神】っ!」


 だがスキルが発動する直前、メイは低い跳躍でアサシンの目前に。


「【カンガルーキック】!」


 放つ前蹴りがアサシンの胸元を蹴り、スキルをキャンセルさせつつ体勢を崩した。


「【装備変更】【キャットパンチ】!」


 装備を【狐耳】に変更し、一気に【狐火】拳打を叩き込む。

 さらに横から飛び込んできたアサシンの剣をかわして、三連発。


「【尾撃】っ」


 硬直が解けた短剣アサシンの頬を張り、攻撃を強制停止。


「【斬烈】」


 ここで剣のアサシンが、近距離から斬撃を飛ばす。


「よい、しょっと!」


 メイは迫る水平の剣撃をブリッジで回避し、そのまま足を蹴り上げてバク転。

 体勢を立て直す。

 すると剣撃はそのまま、短剣のアサシンに直撃。


「「「おおっ!!」」」


 この距離で敵の攻撃を利用して戦うメイに、歓声が上がった。

 ボス二体を相手にしても、メイはしっかり優位を取る。


「お、おいっ!」


 だがこの戦いに目を付けたのは、剣のガーゴイル。

 翼を羽ばたかせて滑空し、そのままメイの背後に着地。

 そのまま剣を振り払う。


「【装備変更】【アクロバット】!」


 しかしメイは、急な滑空から剣を振り払った大型ガーゴイルの攻撃を、側方への伸身宙返りでかわす。


「「「ッ!?」」」


 飛来時の翼の音の接近、そして着地の音を聞きつけ、攻撃が縦であろうと横であろうと回避できる角度へ跳躍。

 これによってアサシン一体と剣のガーゴイルが、同時に隙を晒した。


「メイっ!」

「りょうかいですっ!」

「【魔剣の御柄】【フリーズブラスト】!」


 この隙を逃さず【低空高速飛行】で後方からやってきたレンは、そのまま魔法の剣でアサシンを斬る。


「続きますっ」


 レンを追い抜き、続くメイの振り上げ。

 すると大きく斬り飛ばされたアサシンと入れ替わるように、跳躍から短剣で斬りかかりにくる二体目のアサシン。


「【解放】!」


 ここでさらにメイの前に出たレンが、放つ氷嵐で吹き飛ばす。

 レンからメイにつないでまたレンというめずらしい連携に、思わず笑い合う二人。


「四体目ッ!?」


 しかしこの隙に迫り来ていた槍のガーゴイルがレンを狙い、一気に距離を詰めてきた。

 着地と同時に槍を引き、そのまま突き出してくる。


「マズいぞっ!」


 思わずもらす言葉。

 しかしその穂先がレンに届く瞬間、槍のガーゴイルの首にかかった一本のロープが、突然強く引かれた。


「【ゴリラアーム】! からの【ラビットジャンプ】!」


 メイは捕えたガーゴイルを振り回しながら跳躍。

 跳べば当然、槍のガーゴイルも宙に浮く。


「せーのっ! それええええええ――――っ!!」


 そのまま鎖鎌の要領で、槍のガーゴイルを剣のガーゴイルに叩きつける。

 絡み合う形で転がっていくガーゴイルは、そのままアサシンたちの方へ。

 ボーリングのように転がるアサシンを前に、メイは右手を突き上げる。


「【装備変更】! それでは――――よろしくお願い申し上げますっ!」


 神殿区画の足元に、現れる魔法陣。

 そこから飛び出してきたのは、巨大な一頭のクジラ。

 天空遺跡を舞うクジラという幻想的な召喚魔法に、いよいよ唖然とする追従プレイヤー達。

【幻影】によって二頭になったクジラはそのまま、大型ガーゴイルとアサシンのもとに直撃。

 ガーゴイルは巻き起こる波に流されて消え、アサシンも吹き上がる青い炎に焼かれて倒れる。

 メイはクジラに頭を下げた後、両手で狐を作って「こんこん」と決めポーズ。

 誰もが安堵の息をついた。

 しかし次の瞬間、付近の小型ガーゴイルたちが一斉に飛び上がった。

 未だ数百を数えるガーゴイルたちは空を飛び、その向きをメイの方へと向ける。

 輝く黄色の結晶。

 見れば早い段階で転倒から復帰した一体のアサシンは、召喚の発動と同時に駆け出し、ギリギリでクジラの攻撃範囲を抜け出していたようだ。


「【影走り】」


 こちらに向けて走り出すアサシン。

 それに反応してガーゴイルたちも、一斉に飛び掛かってくる。

 アサシンの奥義は単体の攻撃スキルではなく、ガーゴイルたちをまとめてけしかけるという驚異の戦法。


「なんだよこれ……!」


 大量のガーゴイルを引きつれ、先行するのはアサシン。


「【超速処刑】」

「「「っ!!」」」


 それは目にも止まらぬ速度で迫る、刺突の一撃だ。

 そのうえ相手の動きを最後まで見て放つため、安易な早い回避は致命傷となる。しかし。


「【かばう】【地壁の盾】!」


 ここで合流してきたまもりが【かばう】を発動。

 猛烈な雷光のエフェクトと共に放たれた突きは、盾に阻まれた。


「【投擲】」


 ここでさらにツバメが、【雷ブレード】でアサシンを止める。

 まもりは大急ぎで走り出し退避。

 メイはすでに、右手を高く掲げていた。


「ありがとうまもりちゃん、ツバメちゃん! ――――それではどうぞ、お越しくださーい!」


 新たに描かれる魔法陣は空中。

 落下してきた巨大な白象の衝撃に、プレイヤー達が一瞬浮き上がる。

 その鼻から放たれた大量の水は雨となり、場の天候を変えた。

 そしてレンはすでに、準備を終えている。

 手にしたのは魔法広範囲化の杖【ヘクセンナハト】


「【コンセントレイト】【フリーズブラスト】!」


 放たれる『溜め』の氷嵐は、その範囲を大きく広げる。

 降りしきる天気雨に濡れたガーゴイルたちは一斉に凍結し、落下していく。

 こうなればもう、後はまとめて叩くだけ。


「いきますっ! 必殺の――――」


 メイは掲げた剣を、力強く振り下ろす。


「【ソードバッシュ】だああああああ――――っ!」


 駆け抜ける猛烈な衝撃波が、ガーゴイルの群れを消し飛ばし、アサシンを吹き飛ばす。

 やがて雨が上がると、そこにはもう倒れ伏すアサシンしか残っていなかった。


「レンちゃんないすーっ!」


 自然と集まり、ハイタッチする4人。

 メイは帰って行く象に、笑顔で手を振る。


「これが……メイちゃんたちの力か……」

「すさまじいな……」


 合計6体のボスを圧倒し、小型のガーゴイルたちまで一掃した4人。

 その力量を目の当たりにした追従プレイヤー達は、感嘆の息をつくのだった。

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【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
[一言] むむ? こっちのアサシンは中身がプレイヤーではないのかな?プレイヤーなら私語くらいするよね?スキル名以外は言葉を発しなかったところを見ると、普通にイベント中ボスか。
[良い点] 二人三連携と四人五連携! そのうち相手が倒れるまで続く野生の脅威な無限連携とかやりそう。 [気になる点] メイちゃんもう「裸足の女神」と「ゴリラアーム」に躊躇いなくなっちゃって… 運営「…
[一言] 論理クイズ「幼女と40人の村人」でトリッキーな答えに迫れるか 行きますね。 問題 幼女が訪れたある村には、子供が20人、大人が20人いる。 1番目の子供が「大人のうち少なくとも1人は嘘つ…
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