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80.三人と夜の海

「ああー、楽しかったぁ」


 友達三人と、ギャラリーに応援されながらのミニゲーム。

 それは、これまでなかった特別な体験だった。

 思い出してニコニコと、頬を緩ませるメイ。


「調整の報酬として南国植物の種をもらったわ。これも基本的にはハウジング用のものみたいだけど」


 見事な勝利を飾った三人は、そのまま海沿いのデッキに座りながらのんびりと過ごしていた。

 浮かぶ大きな月と並ぶ篝火は、夜のビーチリゾートの雰囲気を見事に演出している。


「急なバレーへの参加だったけど、付き合ってくれてありがと。こうやって友達と肩の力の抜けたミニゲームで『遊ぶ』の、なんか最近ちょっと憧れてたのよ」


 そう言って、恥ずかしそうにほほ笑むレン。


「メイやツバメが一緒なら、そういうのも楽しいんだろうなって」

「楽しかったです」

「うんっ。わたしもすっごく楽しかったよ! 楽しい海の思い出ができましたっ!」


 メイもうれしそうに笑う。


「そういえば前にヘッドギア焼けがどうって言ってたけど、あれってどういうことなの?」

「家族旅行で海に行った時も、そこでずっとゴールデンリザード狩りをしてたんだよ。そしたらヘッドギアの陰になってる部分を残して日焼けしちゃったんだ」

「それは……」


 日焼けの中でも、かなり恥ずかしい部類の焼け方だろう。

 メイは同級生に「な、なにそれ……?」と聞かれたのを思い出して苦笑い。


「本気で村を救うつもりだったのですね……」


 七年も本気でトカゲと戦い続けた日々をしのぶツバメ。


「……でも、こんな風に海で遊ぶなんて思いもしなかったわ」

「うん。みんなと一緒に水着を着て遊ぶなんて、想像したこともなかったよ」


 メイは遠く月を眺めながらつぶやく。


「本当によかった……ヤシの葉の水着じゃなくて」

「あれはあれで、絶対に忘れない思い出になりそうです」

「みんなの記憶にヤシの葉水着で残るのはちょっと……」


 恥ずかしい上に防御力も下がる。

 そんな恐ろしい状況を想像して、思わず震えるメイ。


「そうよツバメ。恥ずかしい姿で皆の記憶に残るっていうのは、とても大変なことなの」


 思い当たるフシしかないレンが、ものすごく真面目な顔で言う。


「それは誰の記憶にも残らず『あれ、お前誰だっけ?』と六年間同じクラスだった人に言われるのと、どちらが大変なのでしょうか……」

「お、思ったより難しい問題ね……っていうか、その中間になりたいんだけど」

「まったくです」

「まあ、私はもっと海の野生児メイが見たかったけどね」

「もう、レンちゃん」


 尻尾でレンの肩をぺしぺし叩くメイ。

 そんなメイの姿に、「かわいい」と夢中になるツバメ。


「本当、今回はルルタンに来てよかったわ」


 レンがうれしそうに笑う。


「わたしもだよっ!」

「私もです」


 三人並んで眺める、満月の夜の海。

 不思議と、いくら見ていても飽きない。


「あれ?」


 するとメイの前に、見覚えのあるウミガメがやって来た。


「この前はありがとー」


 メイがあいさつすると、ウミガメは少し進んで、そのオールのような手をフリフリと揺らす。


「……本当、こういうものよねぇ」


 それを見て、穏やかな笑みを見せるレン。


「探しに行くと見つからないのに、不思議なものです」


 横に並んだツバメも、小さくうなずいた。

 満月の夜。潮の引き始めた海。

 これまで海に覆われていたその場所に出てきたのは、欠けた石柱の並び。


「どうやら、祠の宝珠を起動するとあの石柱が出現。さらに満月の夜になると潮が引いて目視できるようになるって仕掛けみたいね」


 月明かりに照らされる石柱たち。

 もちろん、攻略情報でもまだ見たことのない内容だ。

 レンは立ち上がり、大きく伸びをする。


「さ、行きましょうか」

「うんっ」

「行きましょう」


 三人、並んで石柱のもとへ向かう。


「やっぱり、冒険はいいわね」


 つい熱くなってしまうミニゲーム。

 仲間たちと一息ついたところで始まるのは、新たな冒険だ。

 早くもワクワクし始める冒険心に、たまらず歩きが早くなるレン。


「本当です」


 ツバメもこくこくとうずいて応える。そして。


「何があるのかなぁ、楽しみで仕方ないよー!」


 メイはそんな二人の腕を引き、尻尾をブンブンさせながら走り出すのだった。



【名前:メイ】

【クラス:野生児】


 Lv:199

 HP:14370/14370

 MP:333/333


 腕力:661(+32)(野生回帰+99)

 耐久:522

 敏捷:438(+20)(野生回帰+65)

 技量:399(+20)(野生回帰+59)

 知力:10

 幸運:10


 武器:【王蜥蜴の剣】攻撃32

 防具:

 装飾:【猫耳・尻尾】敏捷20 技量20(【鹿角・尻尾】)

   :【召喚の指輪Ⅱ】


 スキル:【ソードバッシュ】【投石】【装備変更】

    :【ラビットジャンプ】【バンビステップ】【モンキークライム】【四足歩行】【裸足の女神】【野生回帰】(【アクロバット】)(【突撃】)

    :【アメンボステップ】【ドルフィンスイム】

    :【遠視】【聴覚向上】【嗅覚向上】【夜目】【雄たけび】

    :【自然の友達】【密林の巫女】

    :【クマ召喚】【クジラ召喚】



【名前:聖城レン・ナイトメア】

【クラス:魔導師】


 Lv:61

 HP:2080/2080

 MP:688/688


 腕力:10(+8)

 耐久:10(+16)

 敏捷:111

 技量:103(+15)

 知力:396(+15)

 幸運:10(+1)


 武器:【銀閃の杖】攻撃8 知力15(【ワンド・オブ・ダークシャーマン】)

 防具:

 装飾:【銀の腕】防御15 技量15

   :【真っ赤なリボン】防御1 幸運1


 スキル:【スタッフストライク】【吸魔】【浮遊】

    :【ファイアボルト】【フリーズボルト】【ファイアウォール】【ブリザード】

    :【フレアアロー】【フレアストライク】【フリーズブラスト】【フレアバースト】

    :【魔眼開放】【連続魔法Ⅲ】【魔力剣】【魔砲術】【コンセントレイトⅠ】

    :【クイックキャストⅠ】【クールタイム減少Ⅰ】【MP向上】



【名前:ツバメ】

【クラス:アサシン】


 Lv:47

 HP:2810/2810

 MP:94/94


 腕力:114(+45)(+38)

 耐久:10(+5)

 敏捷:273

 技量:73(+10)

 知力:10

 幸運:10


 武器:【ダインシュテル】攻撃45

   :【黒曜石のダガー】攻撃38

 防具:

 装飾:【シルクグローブ】防御5 技量10


 スキル:【加速】【跳躍】【隠密】(【スティール】)

    :【スラッシュ】【投擲】【電光石火】【アサシンピアス】【紫電】【ヴェノム・エンチャント】

    :【二刀流】【ダブルアタック】

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お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 1人だけレベルが可笑しいのは……JUNGLE育ちだから、仕方ないネ!
[一言] よろしくお願いします!※召喚 クマとクジラの友情ツープラトンアタック クマが膂力のクロスアタック→クジラが吹き飛んだ地点に召喚ボディープレス後に子グマが片手上げてアピール
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