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364.猛追! 遺跡保存組!

 トップ姉妹の一団とは、大きく差をつけられてしまっているメイたち。

 しかし動力部へと向かう途中に図書館ロボットを助けたことで、その距離を大きく縮めることに成功。

 たどり着いた新たな道をひた走る。


「……何ここ」


 たどり着いたのは、大型ロボット兵の格納庫。

 ブロック壁の広い空間、その壁側にロボット兵が六体ほど並んでいる。

 高さは7、8メートルほど。

 壁際にたたずむロボット兵の姿に、足を止める遺跡保存組。そして。


「トレジャーハンターだわ」


 その視線の先には、最奥のドアを開こうとしているトレジャーハンターの姿。


「チッ、この道も見つかってしまったか!」


 忌々しそうに舌打ちをすると、近くのロボットの足元に駆け付ける。


「邪魔はさせねえぞ! この遺跡のお宝は俺のもんだ!」


 そして重たいレバーをゆっくりと倒していく。

 すると壁際の大型ロボットの一体が、メイたちに向けて動き出した。

 閃く、頭部の魔法石。


「くるっ!」


 走る熱線が遺跡保存組を狙う。

 しかしメイの早い喚起が功を奏し、全員が回避に成功。


「【ソードバッシュ】!」


 すぐさまメイが反撃を仕掛ける。

 駆け抜ける衝撃波の一撃は見事にロボット兵を捕えるも、その体勢を崩したのみ。


「おいおいマジかよ」


 メイの攻撃でダメージを受けていないことに、驚く面々。

 するとトレジャーハンターは走り出し、さらに新たなロボットのレバーに手をかけた。

 二体目のロボット兵が動き出す。


「高速【フレアバースト】!」


 レンはすぐさま二体目に魔法を放つが、またも無傷。


「とりあえず俺たちはトレジャーハンターを止めよう!」


 メイたちの攻撃でダメージを取れないのなら、自分たちにできることはトレジャーハンターを止める事。

 即座にそう判断した遺跡保存組の前衛は、全力で走り出す。


「【忍び駆け】!」


 保存組の忍者が先行し振り下ろす忍刀。しかし。


「ダテに宝を集めてきたわけじゃねえんだよっ!」


 トレジャーハンターはアイテム【瞬転珠】を使用し、瞬間移動。

 さらに新たなロボット兵の前へ。


「させるか! 【シューティングソード】!」

「邪魔だっ!」

「うおおおおっ!?」


 飛び込んできた細剣使いに【風爆弾】を投じて吹き飛ばすと、三体目のロボット兵を起動した。


「【投擲】!」


 ツバメはすぐさま【ブレード】を投じて、ターゲットを自分に向ける。


「このロボットも、ダメージを受けていません」


 反撃とばかりに、頭部の魔法石から放たれる光線。


「【加速】!」


 その範囲は広いが、これを回避しながら接近。


「【四連剣舞】!」


 連続の剣撃を放つも、やはりダメージはなし。


「とにかく、トレジャーハンターを止めろというクエストなのでしょうか」

「これ以上ダメージ無視のロボットを増やしてたまるか! 【爆進】!」

「させるか! 【虚像の杖】っ!」


 一気に距離を詰めに行く武闘家も、四人に増えたトレジャーハンターを捉えられない。

 ロボットにはダメージが入らず、トレジャーハンターも止められない。

 このままではさらに、新たなロボットを起動されてしまう。

 状況はいよいよ不利に傾いていく。しかし。

 そんな状況を崩すのはやはり、メイだった。


「分身は『音』に注意してくださいっ!」


 魔法石による光弾連射を回避しながら、メイはこれまで自分が敵の分身を見抜いてきた戦法を教授。

 全員が動きを止め、意識を集中する。


「「「左だぁぁぁぁーっ!」」」


 これによって遺跡保存組は、分身本体の位置を把握。


「【雷遁・突牙】」

「【蜂狩り】!」

「【破天衝】!」

「ぐはああああっ!! チッ! ここは捨てて先に行く!」


 HPゲージはなし。

 弾き飛ばされ派手に転がったトレジャーハンターは、足元に【煙玉】をぶつけるとそのまま最奥部の扉から姿を消した。


「よし! これであとはロボットだけだ」

「でも、どうやって……」


 振り返る前衛組たち。そこには魔法石に狙い打たれるツバメの姿。


「【加速】【跳躍】! 【アクアエッジ】! ……っ!?」


 ここでツバメ、大きな事実に気づく。


「HPが……減りました」


 ツバメはメイやレンが戦っているロボットを、あらためて見比べてみる。

 胸部の作りが、わずかに違う。


「そういうことですか……意地悪なクエストです……っ。レンさん! 私の前にいるロボットをお願いします! 続いてメイさんの戦っているロボットへ! このロボットたちは物理か魔法のどちらかのみ無効という作りのようです!」

「了解っ! 【フレアバースト】!」


 レンの放った爆炎がさく裂し、なんと一撃でロボット兵を打ち倒した。

 不運にも、『相性』が最悪な相手を選んで戦ってしまっていたメイたち。

 どうやら敵は、無効属性以外の攻撃にはかなり弱いようだ。


「もう一回! 【フリーズブラスト】!」


 続く氷嵐が、さらにもう一体のロボット兵を撃破。


「メイさん! レンさんが戦っていたロボットに【フルスイング】をお願いします!」

「りょうかいですっ! 【バンビステップ】!」


 メイは一気に距離を詰め、手にした剣を構える。


「からの……【フルスイング】だああああ――――っ!!」


 放った強烈な一発はロボット兵を吹き飛ばし、見事に一撃必殺。

 三体のロボットの特性を見破ったメイたちは、見事に勝利を飾ってみせた。


「やったー! ツバメちゃんすごーい!」

「よく気づいたわね! 最高のお手柄だわ!」


 左右からメイとレンに抱きしめられ、思わず顔を赤くするツバメ。


「偶然、【アクアエッジ】がダメージになったので……」

「すげー! よく気づいたな!」

「メイちゃんの分身見破りもすごいし、すぐに魔法を撃った反応の良さもすごかった……良いパーティだなぁ」

「どんどん行こうぜ! このメンバーならいけるぞ!」


 メイたちを中心に見事やっかいなロボット兵を打倒した遺跡保存組は、さらに意気を上げる。


「これだけのギミックがある場所ってことは、動力部への最短ルートになっている可能性が高いわね」


 そしてレンの予想は正解だ。

 向かう最奥の扉。

 駆け出したメイたちがたどり着いたのは、点滅ブロックの敷き詰められた部屋。

 そこには今まさに、トップ姉妹を追いかけるお宝奪取組の一団が駆け込んできたところだった。

 圧倒的な速度でトップ姉妹との距離を詰めていくメイたち。その猛追は止まらない。

ご感想いただきました! ありがとうございます!

図書館のギミックと言えば動く本棚、そして隠し通路や隠し部屋ですね! 定番ですがやはりワクワクしてしまいます! そして難易度高めのロボット救助クエストから続く道だけあって、結構な距離の短縮に成功した模様ですっ!

1号ちゃんは迷子から大きくクエストに貢献する形になりました! ただ一度掲示板を見にきたことで絶妙なすれ違いになってしまいました……っ。2号ちゃんが銀の雫の能力を得てメイ化したら恐ろしいですねぇ……ですがスライムであるということは、様々な可能性も秘めていそうですっ!

謎解き系も、今回のような物探しを始めとして色々あっても良さそうですね! 遺跡の場合は古代文字や仕掛けなんかを絡ませたりしてできると楽しそうです! レンの知力値や、妙な事を知っているツバメなんかも活きてくるかもしれませんっ!


お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 謎解きか、そう言えば昔クイズゲームの謎解きで、問題の文章全部がたぬき構文になっているのあったな、確か 話題の大学生が発見したのは? だったな
[一言] もう少しで追い付きますね
[良い点] 最初のトレジャーハンターはNPCで邪魔してくるのか… [気になる点] そうか2号ちゃんがメ○ルスライムになる未来が…! 来たら1号ちゃんにずっと付きまとわれそう・・・だけど仲良くなるならい…
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