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227/1390

227.砂漠に青空が戻ってきました!

 古き悪王が倒れ、空が底抜けに明るい晴天へ戻っていく。

 これまでの暗い雰囲気が一転、再びどこまでも続くいつもの砂漠になった。


「やったー! 二人とも王様の動きを止めてくれてありがとうっ!」

「メイもよく決めてくれたわ!」

「最高の勝利でした」


 そのまま抱き合って喜ぶ三人。

『星屑』が始まって以来、初めての登場となった古き悪王は見事『完全体』の状態で倒された。


「おーいっ!」


 白馬に乗ってやって来たのは、アルトリッテとマリーカの二人。


「三度も星が落ちたから大騒ぎになっているぞ! あの後どうなったのだ?」

「アサシン教団が復活させた悪い王様を今倒したところよ。あと三度目は星じゃなくてメイ」

「……?」


 レンの回答に「どういうことだ?」と、ダイビング【ソードバッシュ】によってできた大きなクレーターの上で、まばたきを繰り返すアルトリッテ。


「外からはどう見えてたのですか?」

「……突然空が暗くなって黒い星が出てきたという感じ。私たちは星の落ちた方に向かってきた」

「衝撃が新ピラミッド前にまで届くほどの演出だったが、あれは何が起きてたのだ?」

「攻撃魔法です」

「あれが敵スキルだというのか?」

「……あれが魔法」


 その規模の大きさに、驚くアルトリッテたち。


「補助をかけた前衛が防御スキルを張って、その後ろに皆で隠れるのが正しい対処法なんでしょうね」


 それでもかなりの高レベルパーティでないと厳しいだろうけど、と続けるレン。


「『完全体』の固有技でしょう。凄まじい迫力でした」

「すごかったねえ。星を落とす魔法なんてびっくりしちゃったよ」

「その落ちてきた星を打ち返したって言ったら、驚く?」

「……以前の私なら信じていない」

「その通りだな」


 そう言いながらメイの方を見るマリーカとアルトリッテ。

 メイは少し照れながら、「てへへ」と笑う。


「冒険者の皆さま、この度はありがとうございました」


 そこにやって来たのは、一頭の豪華なラクダ。

 乗っているのは、ルナイル国の姫二人。

 偽物に乗っ取られていたザーラ姫と、その危機を前にメイたちを頼ったネフェルティア姫だ。


「長きに渡るアサシン教団の暗躍。その中でも一番の脅威だった古き王の復活。もう怯える必要はありません」

「これも皆さまのおかげです」


 そう言って二人の姫は、頭を下げる。


「あらためて、王宮にお越しください」


 その言葉にレンは、『王家のラクダ』を呼び出す。


「あっ、一つ聞いてもいいでしょうかっ?」

「はい」

「王宮に伝説の剣や、身体を小さくするアイテムはありますか?」

「王家に伝わる物の中にはなかったと思います。ですが、世界を旅する商人などに話を聞くに、姿を変える魔法やアイテムは色々あるようです」

「……身体が小さくなるものは?」

「ございます。北西の商人から話を聞いたことがあります」


 ネフェルティアの答えに、マリーカが目を輝かせる。


「ま、待て! エクスカリバーについては何か知らないか?」

「伝説の聖剣。その話も耳にします」

「おお! それはどこにあるのだ!?」

「場所までは……」

「ぬはー! これでは状況が変わらないではないかーっ!」

「……小さくなるアイテムがあると分かっただけでも、大きな進歩……っ」


 頭を抱えるアルトリッテと、歓喜に目を輝かせるマリーカ。


「……せっかくだから、私たちは北西に向かおうと思う。ありがとうメイ、貴重な情報が得られた」

「確かにまだ行ったことのない方面だな。エクスカリバーの情報も得られるかもしれない!」


 こうしてアルトリッテたちは、目標に向けて動き出す。


「助かったぞメイ! 次は何かのイベントや、新クエストで一緒になるといいな!」

「はいっ!」

「その時はまた、一緒に冒険しましょう」

「……楽しみにしている」

「それじゃ、二人ともまたね」


 手を振り合って別れる五人。


「いた! メイちゃんたちだ!」

「やっぱり砂漠が夜になったのと星の落下には、メイちゃんが挑んだクエストが関わってたんだな!」

「アルトリッテさん! 何があったのか聞いてますか!?」


 何が起こったのかを知ろうとやってきたプレイヤーたちが、通りがかりのアルトリッテたちを取り囲む。


「ふむ、どうやらメイたちが――」

「メイちゃんたちが……っ?」


 期待に一歩、踏み込むプレイヤーたち。


「星を打ち返したようだ!」

「「「…………はい?」」」

「……アルト、それでは少し言葉が足りない」


 そう言って、補足をくわえるマリーカ。


「……ただし、最後に落ちてきたのはメイ自身」

「「「…………はい?」」」

脱字報告、ご感想ありがとうございます! 適用させていただきました!

実は前話のタイトル『古き悪王』と対比の流れになっております! 掲示板は盛り上がるでしょうねぇ。

ピッチャー強襲、爆破で瀕死でございますっ!


お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 親方!空からメイちゃんが!
[一言] 2人して言葉が足りにぃwwwwww
[良い点] メイちゃん、お星さまになる(悪い意味でなく) [気になる点] 掲示板で混乱した民が「野生を虐げると空から野生の邪神メイちゃんが落ちてきて地面もろとも更地にする」とかになったりして。 [一言…
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