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1460/1481

1460.不屈の魔物です!

 その難易度の高さから、マーちゃんたちが採掘を辞めた地下坑道の奥。

 マーブル地層がのぞく採掘場で【不腐鉄】鉱石を取り出したところに、現れたのは異世界の魔物だった。


「二足歩行だけど……人のものではないわね」


 濃い灰色をした骨の魔物は、やや前傾の身体に長い腕。

 大きな足で身体を支え、頭部にあるのは二本の角か。

 三体が順番に、この場にやって来た。


「くるよっ!」


 そしてそのまま走り出し、攻撃体勢に入る。


「……新しいの、試してみてもいいかな?」

「もちろん。まずは軽くお願いね」

「りょうかいですっ!」


 メイは笑顔で駆け出すと、骨の魔物による爪の振り降ろしをかわしてスキルを発動。


「【蛮族流】【装備変更】っ!」


 右手に【地帝の斧】を、左手に【世界樹の剣】を握って攻撃体勢に入る。

 まずは斧を力いっぱい振り払うと、骨の魔物が容赦なく砕けて散った。


「やはり斧は、一発が大きいですね」

「このままいきますっ!」


 メイは異種の二刀流のまま攻撃を継続。


「それーっ!」


 残り二体の骨の魔物の前に踏み込むと、斧で手前の魔物の腰を叩いて砕き、続け様に剣で奥の魔物の頭を斬り飛ばした。

 そこからくるっと一回転。


「【フルスイング】だーっ!」


 このスキルは、剣はもちろん斧でも使用が可能。

 頭を飛ばされて体勢を崩していた二体目の魔物に、そのままもう一発。

 豪快な振り降ろしは、敵を粉々に砕いてみせた。


「やったー!」

「なんていうか、すごく豪快ね……」

「はい。これでまだ斧から剣の連続スキル攻撃も残していると考えると、恐ろしいです……」


 形の違う二つの武器を、強大な【腕力】と感覚に頼って振り回す。

 その戦い方はまさに蛮族の狂戦士といった風情で、思わず息を飲むレンたち。

 実は二本の大きな武器を使って戦うのは意外と難しいのだが、メイは両手の武器を掲げて楽しそうだ。


「それじゃあさっそく、持って帰りましょうか」


 あまりにあっさりとした結末。

 皆で【不腐鉄】鉱石を拾って歩き出す。

 大量の鉱石を抱えるメイに笑いながら、並んでこのフロアを出ようとしたところで――。


「ん?」


 聞こえた音に振り返る。


「レンちゃん!」

「きゃあっ!?」


 なんと確かに打ち砕いたはずの骨の魔物たちが、完全に元通りの姿になっていた。

 跳びかかりから放つ爪の一撃を受け、倒れ込んだレンの手から【不腐鉄】鉱石が転がり出る。

 残る二体が狙うのはツバメ。

 先行した骨の魔物は低く長い跳躍で爪攻撃を仕掛けてくるが、ツバメはこれを問題なく回避。

 すると続いた最後の個体は突然、足先に魔力を込めて地面を踏みつけた。

 すると天井のマーブルから、青緑の雫が二滴落下。


「【加速】【リブースト】! くっ!」


 気付いたツバメは全力で逃げるが、爆発に弾かれて転がった。

 巻き込まれて砕ける骨の魔物と、散らばる鉱石。

 ここの爆発は円形の炎を生む形で、規模はやや控えめのようだ。


「なるほど、そういうことね!」


 ここでレンが異変の内容に気づく。

 爆発で砕けたはずの魔物がなんと、逆再生するように組み上がっていく。

 打倒後、すぐに元通りになる敵。

 しかもすでに二度目の復活を果たしていることに驚きながら、一体目への攻撃を狙う。


「【誘導弾】【連続魔法】【フリーズボルト】!」


 骨の魔物は、これを早いステップでかわして跳躍。

 そのまま爪の振り下ろして反撃してきたところを、レンは大きく下がって回避する。


「【バンビステップ】!」


 そこに踏み込んできたのは、鉱石を一度地面に落としたメイ。


「【フルスイング】!」


 左手の剣を大きく振り回すと、レンへの攻撃を外した個体が斬り飛ばされて転がる。


「やあっ!」


 そして残った二体の飛び掛かりを、右手の斧で砕いて飛ばす。

 こうして再び、その原型を失った骨の魔物たち。

 しかしその破片はまたも、寄り集まって形を取り戻していく。


「戦い続けてもキリがない可能性があるわ! 鉱石を拾って、ここを出ましょう!」

「りょうかいですっ!」


 レンの言葉に、メイたちはこぼした【不腐鉄】鉱石を拾い直す。

 そしてその姿を最後まで見守っていたレンが、原型を取り戻したばかりの敵にもう一撃。


「【氷塊落とし】!」


 三体をまとめて潰したところで、最後に自分も鉱石を拾い上げて走り出す。

 慌てて採掘場を出た四人は、続く洞窟へ飛び出していく。


「待って!」


 落ちてきた雫が起こす爆発で足止め。

 落ち着いたところで再び駆け出すと、その先の天井にはまだ雫がたまっていない。

 好都合とばかりに走り出すが――。


「っ!」


 道の先に現れたのは骨の魔物。

 その足で地面を強く踏みつければ、マーブル模様に光が走り雫が落ちることになる。


「【超高速魔法】【フリーズボルト】!」


 一番手持ち鉱石が少ないレンは率先して鉱石を放り出し、慌てて魔法を放つ。

 するとギリギリでのスキル発動キャンセルに成功。


「【低空高速飛行】【魔力剣】!」


 そのまま進み、一撃のもとに骨の魔物を斬り飛ばした。


「私の分は仕方ないわね……!」


 そう言葉にして振り返った瞬間。

 見えたのは背後の奥でこぼれた雫が上げた光。


「まもりっ!」

「【天雲の盾】!」


 レンの目が自分よりも後ろに向いていることに気づいたまもりは、振り返りと同時に鉱石を捨てて盾防御を発動。

 なんと後方で落ちた雫のケアを、見事にこなしてみせた。


「本当にまもりさんは、いざという時に強いです……!」

「メイとツバメが抱えてる量があれば、二度は入らなくていいはずよ……このまま抜けましょう!」


 見ればすでに、骨の魔物の修復は始まっている。

 四人は慌てて、来た道をひた走る。


「ここはどちらでしょうか……!?」


 しかし帰り道は行きに通らなかった別れ道もあり、意外と判断が難しい。


「左よ!」


 レンは言いながら松明を掲げてみせる。

 すると左の壁には、杖で擦った跡が残っていた。

 行きがけに刻んだちょっとした心がけが、見事に四人を救う。


「【低空高速飛行】! そこっ!」


 レンは現れた二体の骨の魔物に急接近して、【魔力剣】を振り払う。


「この先の雫は、間に合わないよ……っ!」


 曲がった先に続く道。

 その奥に雫が膨らんでいることに、警察犬のように鋭いメイの鼻が気づいた。

 だが角に戻っての待ち時間は、骨の魔物の修復と重なる可能性が高い。

 これはやっかいなことになりそうだ。


「いきます! 【天雲の盾】【チャリオット】!」


 しかしまもりが前に出て、炎を押し返して進む。

 これによって、魔物の修復を待って対応する手間を省くことに成功。


「行けるわ! このまま出ましょう!」


 見えたのは外から入る光。

 出入り口まで、あとわずかだ。


「っ!」


 最後の道を塞いだのは、二体の魔物。


「【フリーズストライク】!」


 ここならもう崩落もないと踏んだレンが、氷砲弾で二対まとめて吹き飛ばす。


「時間差っ!?」


 しかし横穴から新たに、骨の魔物が三体続けて登場。

 魔法を使わせたところに、本命部隊が出てくるという戦略だったようだ。

 敵は横並びになった状態。

 魔力輝く足が地を突けば、いくつの雫が落ちるか想像もできない。


「でもっ! パラス・アテネ!」


 だが今のレンには『もう一手』がある。

 吐き出した【火炎弾】がぶつかり、広がる炎に骨の魔物たちが体勢を崩した。


「いーちゃん!」


 そんなレンを見たメイも即座にイタチを呼び出し、突風で続く。

 体勢を崩していた骨の魔物は強風によって吹き飛ばされ、そのまま坑道の外へ。

 それに続く形でメイたちも、鉱石を持ったままでの脱出に成功した。

『メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと英国転移譚~』第2章開幕!

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【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
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キュアアルカナシャドウの戦闘シーン https://youtube.com/shorts/_G_pu8Xll0k?si=uW0-5dvAYW1ga926
やはり拘束系。こういう敵には拘束が刺さる
キュアアルカナシャドウの変身 https://youtu.be/h41JRJRvETc?si=WIGoVc50FompKVCs https://youtu.be/5BuYjf4hzt4?si=X8R5…
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