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1432/1481

1432.地底湖と隠し通路

 火山洞窟の地下深くに、広がる大きな空洞。

 そこには広い地底湖があった。

 エメラルド色の湖は、ぼんやりとした輝きを灯していて美しい。


「地底湖、本当にあったんだな」

「あるっていう話は聞いてたけど、行き方は隠されてたみたいだね」


 どうやらここは、一部の発見者が秘匿していた場所のようだ。

 湖の外縁を歩いていくと、その先にまた道がある。

 そこへ向かうのが王道ルートだ。


「よく見ると、向こうの小島の岩にまた穴があるよ!」

「ど、どちらが良い道なのでしょうか……」

「穴は見つけるのが少し難しいし、多少泳ぐ必要があるからそこが本命……と、思わせて」


 レンは両手を合わせて、メイに頼む。


「ちょっとだけ水中を、見てきてもらってもいい?」


 思いついてしまったら、気になってしまうレン。


「おまかせくださいっ!」


 メイは駆け出すと、さっそく湖面へ駆けつける。

 そしてすでに制限時間の中にある可能性を考えつつ、水中に道がないかの確認に向かう。


「【アメンボステップ】!」


 そのままエメラルドの水面を走ると、大きく跳躍。

【アクロバット】でくるりと回転して、そのまま水中へもぐりこんだ。


「【ドルフィンスイム】!」


 辺りを見ながら、青緑に輝く水中を進んで行く。

 意外な深さのある地底湖は、その壁面に張り付く光苔の影響でまた美しい。


「あっ!!」


 メイは思わず声を上げた。

 湖に入り込んで来たプレイヤーに気づいて猛然とやって来るのは、首長竜のような姿をした獰猛な魔物。


「【装備変更】!」


 メイはすぐさま【海皇の槍】を取り出し、一気に直進。

 そのまま勢いに任せて、先手で突きを放つ。

 しかし首長竜は体表を硬化させて、物理攻撃のダメージを大幅減。

 水中で使える『魔法』が少ない事を考えると、やっかいな敵であることは確定的だ。

 首長竜はここで、攻勢に出る。

 速い接近と同時に、そのヒレを硬質かつ鋭利なものに変えて特攻。


「うわわっ!」


 これをメイも、ドルフィンキック一つで大きく動いて回避。

 そのまま背後に回り込むような形を取ると、再び刺突のために接近。

 すると首長竜は四つのヒレを上手に使って身体をひねり、長い首を曲げて食らいつきに来た。


「おっと!」


 これをメイは、【海皇の槍】を縦に構えることで防御。

 噛みつかれると、わざと水中深くに引きずり込んで『窒息』も狙う悪質な魔物。

 再び両者の間に距離ができる。


「そーれっ!」


 ここでメイが【海皇の槍】を投擲。

 すさまじい勢いで突き進む槍は、全く水の抵抗を感じさせない速度で進み、首長竜に突き刺さった。

 しかし【硬化】によってその刺さりは弱く、ダメージもそこそこという感じだ。


「……このままだと、時間がかかっちゃうかも」


 ただイタズラに正面から戦うと、時間ばかりかかってしまう相手。

 そんな事を考えたメイは、帰って来る槍を待って逃げるように泳ぎ出す。

 目指すのは水面だ。

 するとすぐさま、首長竜も後を追って来る。

 急加速からのヒレ斬撃を急な方向変化でかわすと、すぐに体勢を直して再度の特攻。

 今度は喰らいつきをギリギリで避けて、メイはとにかく水面を目指して進む。


「今だーっ!」


 そして再び首長竜が喰らいつきを狙って一直線に昇ってきたところで、メイは水中からイルカのように高く跳び上がった。

 弾ける水しぶき。

 その光景に、目を見開く一団。

 滞空は、ごくわずかな時間。

 しかしメイが仲間たちの方に振り返ったことで、意図が伝わる。

 直後にメイを追う首長竜が、豪快に飛び上がってきた。

 その目標は、もちろんメイだ。


「【投擲】!」

「高速【誘導弾】【フレアアロー】!」


 メイが飛んだのは、これまでの経験を共にした仲間たちなら、自分の狙いに気づいてくれると考えたから。

 水面から飛び上がれば『釣り』

 そしてその期待通りツバメは【雷ブレード】を、レンは杖を構えて待っていた。

 レンの炎矢を喰らった首長竜は、続けざまに電撃を受けて硬直。

 だが、これだけでは終わらない。


「【スライム砲】ぽよ!」

「【アイシクルエッジ】!」

「【ロックストライク】!」


 レンたちが構えたことで、掲示板組も気が付いた。

 まさかの一斉攻撃を喰らった首長竜は、そのまま水中へと落ちる。


「いきますっ!」


 大きな隙を晒す首長竜。

 一方メイは【海皇の槍】を構えて水中へ戻る瞬間、槍を全力で投擲。


「それええええ――――っ!!」

「「「うおおおおおおお――――っ!?」」」


 メイが槍を投げたことで生まれた衝撃によって盛大に飛び散る水しぶきに、思わず声を上げる掲示板組。

 放った一撃は、硬直で【硬化】を使えなかった首長竜を貫通し、そのまま打倒へと至った。


「ぷはっ! やったよー! みんなありがとーっ!」


 見事首長竜を仕留めたメイは、槍を振りながら勝利を皆に伝える。


「さすがメイさんぽよーっ!」

「野生の狩りの達人って感じでいいな!」


 こんな戦い方はもちろん、メイしかしない。

 同時に次を見据えた準備をしていた二人にも、思わず感嘆しながら同調した掲示板組。

 見ればまもりも、いざという時のために剣と盾を持ってスタンバイ済みだった。


「ありがとうメイ。どうだった?」

「あったよ! 壁際の穴が道になってた!」

「やっぱり」


 レンはメイの報を聞いて、うなずく。


「分かりやすい道を見せておいて、見つけにくいけど注意してれば分かる道の方を『本命』と思わせる。そのせいで本当に特別な道は見つけられない。しかも内心でプレイヤーは水中戦になったら面倒と思っているから、必然的に見つけにくいだけの道を本命だと思ってしまうって感じかしら」

「信じたいものを信じてしまうというやつですね」

「すごい計算がされているぽよ……っ」

「さすが使徒長。そこに気づいてしまうとは……」


 驚きにぽよんぽよんするスライムと、なぜか自分のことのように誇らしげな顔をする樹氷の魔女。


「メイちゃんたちと行く未知のルートか。また自慢話が増えちまったぜ」


 もちろんマウント氏もご満悦だ。

 こうしてメイたちは見事、未発見ルートを進むことになったのだった。

誤字脱字報告、ご感想ありがとうございます! 適用させていただきました!

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◆◆◆新作よろしくお願いいたしますっ!◆◆◆

【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
レンに、キュアアルカナシャドウみたいな感じの服着せても良いかも メイには https://x.com/i/status/1496771885526179841 リーアの衣装とか?
面白そうなテーマパークあったので https://youtu.be/lAB7svaxAFE?si=2OeYXyViQ32LnHFn
割と強敵だった水中ルートの門番。 こんな隠しルートでも、タイムオーバーになると、溶岩に飲まれたり、水面が溶岩になって窒息するのかな?
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