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1078.ミッションと捕虜仲間

「迷子ちゃんさんのクエストは脱出。一緒に捕らえられたNPCさんも連れてというのは、ミッションのような形なのでしょうか」

「そうなると思います」


 迷子ちゃん一人で逃げ出しても、成立するクエスト。

 ミッションの達成を狙ったことが、メイたちとの再会につながったようだ。


「そう言えば迷っている途中、多くの人が連れて行かれるのを目撃しました」

「それが、クク・ルル村の住人かもしれないわね」

「メイさんの故郷なんですよね」

「はいっ……はいでいいのかな?」


 迷子ちゃんの言葉にうなずいた後、「あれ?」と首を傾げるメイ。

 五人は迷子ちゃんを護送するような陣形で、洞窟の道を進む。


「さて、また魔導士トカゲの背後を取った形になったけど……」

「今度は、私が先行します【忍び足】」


 見れば並ぶ魔法珠の放つ橙の光が、トカゲ魔導士の影を描いている。

 魔導士トカゲが『魔法陣展開ソナー』を使うということを知っているツバメは、ゆっくりと走り出す。

 すると次の瞬間、魔導士トカゲが杖で地面を強めに突いた。


「「「っ!?」」」


 先ほど同じように魔法陣展開を使ってきた個体とは、まるで違うその範囲。

 二十メートルほど離れている五人の元にも、魔法陣が届くほどだ。

 レンたちはわずかに下がるだけで、範囲外へ。

 しかしツバメは大きく踏み込んでしまっているため、勝負をかけることにした。

 二度の魔法陣発動に、右足、左足の順で跳んで回避。

 するとここから、魔導士トカゲは連打を開始する。


「っ!」


 速い突きの連打に合わせて、高速で連続展開する魔法陣。

 ツバメは細かい足の運びに変えて、右左右左と、小刻みな低空ジャンプで魔法陣を跳び越えていく。

 さらに跳びながらもツバメは、視線を杖に集中。


「やっぱり来ました! ここですっ!」


 続くディレイ。

 だが持ち上げておいて、少し遅らせるやり方はもう知っている。

 ツバメはしっかりとワンテンポ送らせて跳躍することで、これも回避。

 すると次の魔法陣展開は、ディレイなしの直突き


「「「ッ!?」」」


 ではなく、まさかの『突くフリ』

 接地直前に一瞬停止した後、一拍遅れて魔法陣を展開した。

 これには思わず、メイたちも息を飲む。


「エ、【エアリアル】!」


 ツバメは二段ジャンプで、魔法陣への着地を逃れる。


「うぐっ」


 しかし天井はそこまで高くなく、強めに頭を打つ。

 どうにか着地に成功し、魔法陣もかわすことができた。

 しかし魔導士トカゲも、すでに接近していたツバメにさすがに気づいてしまう。

 振り返り、杖を構える魔導士トカゲ。

 だが魔法陣罠に捕まったわけではないツバメに、杖を向けて魔法を放つのでは、遅い。


「【加速】【リブースト】【電光石火】! 【反転】【アサシンピアス】!」


 放たれた溶岩弾とすれ違ったツバメは、速い連携で魔導士トカゲを打倒した。

 息をつき、振り返れば後方に杖を構えた状態のレン。

 駆けてきていたメイと迷子ちゃんが、手前で速度を緩める。

 その背後には、遅れて走ってくるまもり。

 どんな事態になってもツバメのフォローに入れるように、動いていたようだ。

 前衛三人は、そのままハイタッチ。

 メイとツバメは、迷子ちゃんをしっかり捕獲して笑い合う。


「さすがですね。皆さんそろってフォローに動いているなんて……」


 単純に火力が高いだけではない四人の、次を見越した動きに感嘆する迷子ちゃん。


「いえ、迷子ちゃんさんも早いフォローの動き。助かります」


 怒涛の魔法陣ギミックを越え、安堵の息をつくメイたち。

 五人は並んで、洞窟の奥へと下っていく。

 するとそこにはマップ通り、牢の間があった。

 長く広い廊下の左右には、岩肌を削って作られた長方形の部屋に鉄格子。


「あっ!」


 その一つに、迷子ちゃんが同行していたというNPC少女を発見。


「どうしてここに?」

「助けに来たんですよ。一緒に脱出しようと誓ったのだから、置いて行けません!」


 駆け寄った迷子ちゃんはそう言って、鉄格子をつかむ。

 トカゲに捕まった際に一緒になって、逃亡を図る途中の危機にオトリを買って出て、捕まってしまう少女。

 なんとしても、助け出したい。


「どうやらこの場所は、生贄の儀式に使う人間を分けておく場所みたいなんだ」

「なるほどね。帝国から一人で逃げ出した後、そのまま放っておくと生贄にされちゃうんだわ」

「そんな……! なんとしても助けます!」


 迷子ちゃんは牢を力いっぱい引っ張るが、ビクともしない。


「鍵は看守から奪わないと」


 少女の『奪う』という言葉を聞いた瞬間、白目になるツバメ。

 すると、重い鎧を着た戦士が歩いているかのような音が、聞こえてきた。


「看守が来る……! 儀式の時間が来たんだ」


 その言葉に、迷子ちゃんはすかさず構えを取る。


「待って。連れて行かれるのよね? そしてそれを止めるクエストなんだったら、牢から出した後に戦う形でもいいんじゃない?」

「そうですね!」

「その手がありましたか……!」


 レンのちょっとしたアイデアに、うなずく迷子ちゃんと、失った感情を取り戻すツバメ。


「ツバメ、【隠密】は?」

「まだ少し、クールタイムが必要です」

「それなら仕方ないわね」


 レンは確認する。

 すると予想通り、空いている牢の鍵は閉じられていなかった。

 五人はそのまま隣の牢に入り、息をひそめる。

 やがてやって来たのは、重戦士を思わせる鎧装備の看守トカゲ。

 ヘビィリザード。

 生贄のための看守を任されている重装のトカゲは、少女を乱暴に引きずり出すと、髪をつかむ形で連れて行く。

 五人はうなずき合い、そっと牢を出る。


「【忍び足】【加速】」


 誰よりも早く牢を出たツバメは足音を消し、重装トカゲの背後から接近。


「【電光石火】!」


 そのまま敵の左側に、斬り抜けを叩き込んだ。

 硬直を奪ったところで、走り出すのはメイ。


「【裸足の女神】!」


 超加速によって、右側の少女を一瞬で奪還した。


「【スリップ・フット】」


 そこに駆け込んできたのは、迷子ちゃん。


「【ジェット・ナックル】!」


 レンの思いつきによって生贄少女を取り戻し、さらに先手を取ることにも成功。

 硬直が解けたばかりの、ヘビィリザードの背中に拳を叩き込んだ。

 勢いよく転がった看守トカゲは、体勢を立て直して振り返る。


「私の大事な捕虜仲間は、返してもらいますっ!」


 迷子ちゃんはそう宣言して、ヘビィリザードに拳を向けた。

誤字報告、ご感想ありがとうございます! 適用させていただきました!

「かいほう」に注意しつつ、返信はご感想欄にてっ!


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― 新着の感想 ―
[一言] 多分ゲーム上はそれで良さそう…… トカゲのジャングル内で生きていた野生児がクク・ルル村で保護(?)されたみたいな感じw
[一言] 論理クイズは出題者が正解と思えれば正解とするみたいなので、変則的なのもあり見たいです。 後これは代表的な解答を書いてあるので、実際は14人がこの問題に正確しています。
[良い点] まるで某ドラゴンに乗って戦ってたら突然鬼畜音ゲーの世界に放り込まれたようなタイミングゲーにw [気になる点] メイ(もしかして・・・でも、う~~~ん、仕方ない、よね?)えいっ! っ牢と檻だ…
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