1047.星屑内某所
「ここは、どこなのかなぁ……」
グィンドラとの戦いが終わった後は、確かに祝勝会を楽しんでいた。
それなのに、気が付くとなぜか密林にいた。
掲示板では『古代の文明に引き寄せられる呪い』ではないかと、言われていた。
それなら今回のことで、呪いも消えるのではないかと思ったのだが――。
「……これは?」
足元に見えたのは、古びた大きな石碑。
地面に埋まった石碑には、固い枝葉がガッチリと絡みついている。
蹴っても、引っ張っても動かない。
「もしかして!」
迷子ちゃんは【剪定ばさみ】を取りだし、枝葉を挟む。
すると予想通り、パチンと心地よい音を鳴らして切れ落ちた。
退いていく枝葉。
続けて石碑から、光の柱が天に昇って消えた。
それはまるで、宿っていた魔力が失われたかのようなエフェクトだ。
「これって……」
石碑には、謎の文字で書かれた言葉。
見覚えがあるのは、それが遺跡のものと酷似しているからだろう。
だが今なら、古代文字の解析班が作ったメモがある。
これを見ながらだったら、書かれていることの内容が分かる気がする。
迷子ちゃんは一文字ずつ、その内容を確認していく。
「ええと……『Empire of the Lizard』」
その言葉の、意味するものは。
「――――トカゲの帝国?」
その瞬間、何かの鳴き声が聞こえたような気がした。
ざわつく木々の葉たち。
昼間だというのに、寒々しい風が吹き抜けていく。
迷子ちゃんは、その下に書かれた文字に気づかない。
そこには確かに、『この封印、絶対に解くべからず』という言葉が刻まれていた。
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