表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/97

決意を決めるしかない

 そんなヒドイ俺の姿を目にした男性は、

「がっははは。お前さん面白いやつだな。ところで昨日はゆっくり寝れたかい?」

 と、笑顔で挨拶をしてくれる。やっぱり良い人だ。


「あ、はい。おかげさまで」


「それは良かった、もう少しで薪割りも終わる。俺の部屋で少し待っててくれ、場所はカウンターにいる妻にでも聞いてくればわかるから」


「わかりました。それでは部屋で待たせてもらいます」


 面白いやつの認識で助かった。二日連続でやらかしてしまっている状態だし、そろそろ良いこと起きてくれなきゃやってられない。


 マジでハッピーイベントくれよ⋯⋯


***


 とりあえず言われた通りにカウンターのオカミサンに部屋の場所を聞き、部屋で待つことにした。



 余計な事をして、これ以上の失態は裂けねばらない。




 しばらく部屋で待っているとガチャと扉の開く音とともに、さっきの男性がやってきた。


「おう! 待たせたね」

「いえ、大丈夫です。遅くなりましたが、俺はヒデと言います」


 フルネームを言うか迷ったが、大抵こういう場合はニックネーム的なものの気がする。

 その為、あだ名でもあった【ヒデ】と名乗った。


 まー本名聞かれたら、答えればいいと思う。


「ヒデだな。俺は、ベックだ。宜しくな」

「こちらこそ宜しくお願い致します」


 ベックさん、笑顔が素敵です。


「そんな固くならずフランクでかまわないよ。ところで思い出したか?」


「いえ⋯⋯やはりなぜあの場所にいたのかはわからないです。」


「そうか、その前の記憶はあるのか?」


「⋯⋯」


 ここで本当の事を言うべきか、記憶喪失を装うか⋯⋯記憶喪失という事にしようとは思っていたが、親切にしてもらった人に嘘を着くというのはな⋯⋯



「⋯⋯言いたくない何か事情があるんだな? まぁいいさ! 言いたくなったら言ってくれれば。それで、これからどうするつもりだ? こんな田舎町じゃ情報も無いだろう。情報集めるなら、やっぱり【ディグナルト】って町に行くしかないな」


「ディグナルト? それはここからどのくらいかかるんですか?」


 ハッピーイベント発生の予感―――


「歩いて三ヶ月ほどだな」


 ⋯⋯。

 はい、ハッピーイベントじゃありませんでした。


 三ヶ月も何も知らない世界を歩いたら確実に死ぬな。ウサギに会えばそれまでだ。

 とりあえず金を稼いで、強くなる準備をするしかない。




「あのー、なるべく早くお金を稼ぐにはどうしたらよいですか?」


「やっぱり冒険者になることだろうな。死ぬかも知れんが」


 死にたくは無いが、やっぱり冒険者とかあるのか。

 ってことはどう考えても冒険者だろうな。スキルも何もないけど、一からレベルを上げていくしか⋯⋯


 もしかしたら、もしかしたらだけど、まだ勇者の血筋とかの可能性が。《ギルドを通してめっちゃ強くなる》


 ズキン―――

 またかよ、頭の奥に鈍い痛みが⋯⋯。



「わかりました、冒険者になります! まずはお金を貯めて昨日の宿泊費は必ず返します」


「そうか、なら町の中心にギルドがあるからそこで登録が出来る。まぁ、何かの縁かもしれんから、金が貯まるまでは宿を使ったらいい。勿論、金がたまったら払ってもらうがな」


 そう言うとベックさんはニカッと笑顔になった。

 これで宿は大丈夫だ。金を稼ぐ方法も理解した。あとはやるだけだ!


 ギルドに登録して素手でも出来る依頼とか受けて、武器を買おう。

 あるのであれば、エクスカリバーとか装備したい。有るかは知らんけど。


 俺は、ベックさんに再度お礼を言い、期待を胸に早速ギルドへと向かった―――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ