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バカな子

 ナカイトまではほぼ一本道。というか、ド田舎の道だ。左を見れば森しかないし、右を見ればに草むらしかない。町に着くまでずーとこの景色だ。初めて通ったときは、歩きにくいけど田舎道っていいなー。とか思っていたが五時間を越えたあたりから苦痛でしかなったのは苦い思い出だ。

 そりゃユキも1人では行きたくなかったのだろう。なら受けるなよとも思うけど⋯⋯


「そーいや、なんでこのクエスト受けたの? 時間効率悪いのに」


「確かにそうなんですけど、温泉好きなんですよ! 1ヶ月に1回は入りたいと思うんですよね。なので、クエストはついでです」


「あーね。それにしても往復で20時間歩くのはキツイじゃん」


「だから! ヒデさんを誘ったんじゃないですか! 女の子1人旅は危険ですからね」


 ルンルン気分で歩くユキに、ドロップキックをかましたくなった。ok!coolだぜ。


 急にビンタするとは言っても女の子だ。ドロップキックは流石に無い。この世界では18才から大人だというので、俺は大人だ。

 相手は17才の子供ではないか。諭してあげるのが大人の責任だ。


「ユキ。確かに女の子1人旅は危険だが、男との2人旅も危険なんだぞ。急に襲われる何て事だってある」


「大丈夫ですよ。ちゃんと人を選んでますから。ヒデさんはそういうことしないと思いますし、万が一ですよ。万が一そうなったら取って置きの呪文がありますから」


 何を根拠かは知らんが、信頼されているのは素直に嬉しい!頼られるのも悪くないな。でも、呪文は気になるな


「ちなみにその取って置きの呪文ってのはなんだ?」


「あー、それはですね。《気持ち悪い》です。これでヒデさんなら動きを封じられます!」


 ドヤッ!


 ⋯。

 ⋯⋯。

 ドヤッ!じゃねーよ。バカヤロー!

 そんなもの効かねーよ!いやっ、ちょっとは効くけど。

 急にビンタをするから薄々は、気づいていたけどユキはバカなんだな⋯⋯


 嫌だなー。バカな子と理解してしまったら放っては置けないよな。放置して何かあっとなれば目覚めが悪い⋯⋯俺がしばらくは教えてやらねばな。


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