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白い死神  作者: 夜白@白い死神
8/8

剣の教官と組織の参謀

今回の投稿は体育祭や小テストがあって遅れてしまいました。

つくづく思うのですが、名前って考えるの難しくないですか?何か意味のある名前をつけようとすると

どうしてもおかしな名前になっちゃうんですよね。・・・ネーミングセンスがないとも言いますが。

まぁ、それはともかく、今回もよろしくお願いします!。

私とラウラは訓練所の中を歩いて行く。教官たちは私たちに気づいたけど、

他の皆は前を向いていて気づかない。


「すみません、遅れました」


ラウラが教官に謝る。一応私も頭を下げておく。


「まだ、訓練開始時間ではない。そんなに謝る必要はないぞ」


女性の教官が私たちに言う。その女性教官は、剣を腰に携えていて、如何にも

剣士って感じの人だ。


「ところで、お前の隣りにいるそいつは新入りか?」


私に目を向けながらラウラに問う。他の訓練者達は、教官のその言葉を聞いて

私に目を向けてくる。


「はい、昨日新しく入った子です。訓練が始まる前に自己紹介させたいのですがいいですか?」


「ああ、構わんぞ」


女性教官はラウラの提案を許可する。


「ありがとうございます。さ、夜白ちゃん、前に出て自己紹介してきて」


「・・・分かった」


私は教官の方に歩いて行く。この場にいる全員から視線を感じる。この感覚は

あまり好きじゃない。


私は皆が並んでいる丁度真ん中まで行き、自分の名前を言う。


「・・・夜白です・・・・よろしく」


私はそういい、軽く会釈をする。背後にいる教官達にも、同じように自己紹介を行う。教官達は私を興味深そうに見る。他の皆も同様に私を見る。


「よし、夜白の自己紹介が終わったところで、訓練を始めさせてもらう。」

さっきの女性教官が切り出す。


「いつも通り、筋トレをした後、外に出て、ランニングだ。ルートは昨日と同じ。

それらが終わった後、各自の訓練をするように」


女性教官がそういうと、訓練者達はそれぞれストレッチを行う。

一人でするものもいれば、複数人集まってするものもいる。


私も他の人と同じようにストレッチを行おうとする。だが、それは、女性教官に

止められてしまう。


「夜白、お前の体はまだ出来上がっていない。なので、あいつらとは別の訓練

をしてもらう。」


「もちろん、お前の体が通常訓練についていけると分かったら、

こちらに組み込む。いいな」


通常訓練がどんなものか知らないけど、教官がそう言うなら、従おう。

いきなり体に負担のかかるトレーニングをしたら逆効果って父さんの本にも

書いてあったし。


「・・・分かった」


「よし、それじゃあ私についてこい。場所を移動する。」

教官は歩きだす。それに私はついていく。


「そういえば、私の名前を教えていなかったな。私は”クエナ・ベルルク”という。

主に剣を教えている。呼び方はなんでも構わない」


「剣についてなら私に聞くと良い。ここには私以上に詳しいやつはいないしな」


教官もといクエナさんは、歩きながら声音を変えずに言った。剣を教えている

ということは、カタナにも少しは精通していると思う。今度聞いてみるか。


それから少し歩くと、先程の訓練場より少し小さい訓練場に着く。

そこには、私よりも年上の男女が走り込みをしているのが分かる。

よくみると、私と同じくらいの子達も走っているようだ。


「此処にいる奴らはみんな、体が出来上がっていない連中だ。

ここでは、身体強化の訓練を主に行う。そして空いた時間で、様々な

武器を使ってもらい、自分に合った武器を探してもらう」


「だが、いきなり使ってケガをされても困る。なので通常訓練が終わった後、

武器の基本的な扱い方を教えに教官たちが来る。」


「ここに来る教官は日によって違う。私はほぼ毎日来ているが、他の教官は

いつ来るか分からない。もし、使ってみたい武器が複数あったら、滅多に来ない

教官の使ってる武器を優先的に教えを請うと良い」


「さて、話は以上だ。何か質問はあるか?」


・・・クエナさんは肝心なことを説明してない。ここでの訓練は一体何をすれば

いいのかということを。身体強化の訓練といっても、内容が分からないと何を

したらいいか分からない。


「・・・訓練、何すればいい?」


「ん?それはさっき言ったはずだが?」


「・・・身体強化の訓練と言われても、訓練内容が分からないと何をしたら良いのか分からない。」


「ああ、そういうことか。訓練内容は簡単だ。自分で考えて、自分に合う訓練を

しろ。」


「ただ言われたことをこなしているだけでは、意味がない。それは、考えることを

放棄しているのと同義だ。」


「いま、あいつらがやっている訓練は、あいつら自身で考えたことだ。我々教官

はそのことについてとやかく言うつもりはない。」


・・・なるほど。確かにクエナさんの言っていることは正しいと思う。いざという時に

自分の判断で動けなかったら、そこで死ぬしかない。自分で”考える”ことは

大切だ。でも、いきなり自分にあった訓練をしろと言われても、そういった知識

が私にはない。だったら最初はその知識を得るところから始めないといけないかな。


「・・・分かった。・・・でも、訓練をするにも私には効果のある鍛え方を知らない。

だから、そういったことが書かれている本を読みたい。これは、私が考えて

私自身が必要だと思ったこと」


私はクエナさんの顔を見つめる。クエナさんは少し驚いたような顔をしている。

私の顔を見て驚いている訳じゃない。私の言ったことに対して驚いているのだと思う。クエナさんは少し間を置いて話す。


「・・・そんなことを言ったのはお前が初めてだよ。正直驚いた。しかも、歳の割に

妙に落ち着いている。普通、お前くらいの子供は騒がしいものなのだがな」


「まぁいい。鍛え方に関する本だったか?そういう本があるか分からないが、

クレトの部屋にかなりの数の本があったはずだ。探せば見つかるかもしれない」


「せっかくだ、私がクレトの部屋まで案内してやろう」


クレトって人は多分、この組織でも上の立場にあるんだと思う。私がアレクと

あったときも、”クレトの使いだ”って言ってたし。ラウラとリアンがアレクのこと

をさん付けして敬語で話してたのもアレクが上の立場だってことが予想できる。

次に、クエナさん。クエナさんは今、クレトの部屋に案内してやるって言った。

このことから、クエナさんもクレトと同じ位の立場だと予想出来る。この組織には

幹部が5人いるってラウラから聞いた。そのうちの3人はクエナさん、アレク、

クレトなんじゃないかと思う。まぁ、この辺のことは後で調べればいいか。


私は、クエナさんと訓練場を離れて、クレトの部屋まで案内してもらう。

その間、私とクエナさんは何も話さなかった。


しばらくすると、図書室のような部屋に連れてこられた。そこには、部屋いっぱいに本棚が設置されている。だが、本棚に収められているはずの本のほとんどが床に散らばっており、かなり足場が悪くなっていた。


そんな部屋の奥に椅子に座り机で何か作業をしている男性が見えた。

その男性は黒いメガネを掛けており、俯いているが知的な顔立ちをしている。

クエナさんが声を掛けた。


「クレト、ちょっといいか?」


その言葉に男もといクレトは、顔上げる。私はクレトの顔から、二十歳位だと

思った。容姿もかなりいい方だと思う。


「クエナか。なんだ?今忙しいんだが」

クレトは嫌そうな顔をする。クエナさんは気にせずに話を続ける。


「こいつに、ここの本を読ませて欲しいんだ」

クレトの目に入るように、一歩前に出る。クレトは目を細めて私を見た後、

クエナさんに視線を移す。


「ああ?なんでだよ。ここにはこいつが読めそうな本はないぞ。読み聞かせて

やれとか言うんなら今すぐ出てけ」


ここの本って言うだけじゃ、こういう答えが返ってきても仕方ない。


「・・・体を鍛える方法が載った本を貸してほしい。それを参考に訓練がしたい。

・・・字は一応読めるから大丈夫。」


クレトは私を見る。そして口を開く。


「お前、名前は」


そういえば、名前を言ってなかった。何も考えずにクレトと話したけど、私よりも

立場は上なはずだ。口の利き方に気をつけないと。


「・・・失礼しました。・・私は夜白と言います」


「夜白か。・・ここにはお前の言う本は少ないが置いてある。だが、それを

お前に貸して俺に何のメリットが有る?」


メリット・・・確か利点って意味だったかな。私に本を貸してクレトが得るメリットか・・・。確かにこのままだと私だけが得することになる。


私は回りを見渡してみる。本が床に散らばっていて、とてもじゃないけど、

集中出来る空間だとは思えない。なら・・・


「・・・私がここで本を借りる間、この部屋の掃除をする・・・します。

それでどう・・・でしょうか」


・・・いきなり丁寧な言葉で話すのも難しい。それに、私はあまり長く話したくない。

・・・だって、面倒だし。


「・・・足りないな。というかそれじゃ割に合わない。」


割に合わないか。私がクレトに提供出来るものといったら、労働力としての私だ。

でも、それだけじゃ、割にあわないみたいだし、・・・諦めるしかないか。


「今後、俺の部屋の出入りを自由とする。読みたい本があれば読んでいいし、

わざわざ俺に許可を取る必要もない」


・・・・ん?それじゃあ私だけが得をすることになってしまう。それに、さっきよりも

条件が良くなっているし。


「お前が数冊の本の為にこの部屋を掃除するのは、俺にとって利はあれど、

お前にはそこまでない。」


「だが、ただ掃除するだけでここの本すべてを読んでも良いというのは、お前への利が大きくなりすぎる。」


「そこでだ、お前が部屋の掃除と俺の補佐をするなら、お互いの利が同じくらいになり、お前はここを心置き無く使うことが出来る。どうする?これを受け入れるか?」


・・・・私は、この部屋を使わせてもらえるだけでクレトよりも得をしてる気がする。

代わりに掃除と補佐をするっていうのを考えてもだ。

・・・クレトがこれで納得しているのなら、私が断る理由はない。


「・・・受け入れる・・・ます」


「そうか、なら交渉は成立だ。それと、俺に対して無理に丁寧に話す必要はない。

聞いてるこっちが違和感ありまくりだからな」


それは助かる。丁寧語を使うと、精神が疲れる。


「・・・分かった。」


「話は終わったみたいだな」


今まで黙っていたクエナさんが口を開く。


「それにしても、お前がすぐに受け入れるなんて思いもしなかったぞ。

しかも、夜白を補佐にするなんてな。」


「別に。俺は、お互いの利が同等の上で交渉をしただけだ。それに、俺の補佐をするということは、俺の仕事を半分こなすという意味だ。そう考えるとまだ俺に利は偏っているような気はするがな。」


「それでも、だ。お前の補佐をさせてくれというやつは、かなり居たじゃないか。

今でも、狙ってるやつはいるぞ?」


「あいつらはダメだ。俺の仕事をするのに値しない。」


「夜白はそれに値すると?」

「さぁな。でも、裏がありそうなあいつらに頼むよりはマシだ」


それは、逆に言えば私に裏がなさそうと言っているようなものだ。実際そんなの

はないけど


「そうか。まぁ、今回はそういうことにしといてやる。気が向いたら、本当の理由、

教えてくれよ?」

「そんなものはない」

「はは、それじゃ、私は戻るとするか。夜白はどうする?」


訓練場に行っても出来ることはあまりない。なら、この部屋を掃除して、本読む

方がいい。


「・・・部屋の掃除をする。訓練は本を読み終わったらする」

「分かった。何もないと思うが、クレトに何かされたら言ってくれ。内容に

よってはこいつをぶっ飛ばすからな」

「何もしねぇよ!」

「それじゃあな」


クエナさんはクレトの部屋から出ていく。クレトはそれを確認すると、書類仕事を

進め始める。


私は、クレトに、雑巾、箒、ちりとり、バケツの場所を聞く。水道は、クレトの部屋に来る途中にあったからそこまでいけばいいか。

本棚の上の方を掃除するために、脚立の場所も聞いておく。


さて、掃除の始まりだ。

文才が欲しい。背景の描写がすごく苦手です。

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