表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い死神  作者: 夜白@白い死神
4/8

食糧探しと脱走

小説の書き方がまだ手探り状態ですがよろしくお願いします

私は自分の寝床から南に進んだ地域に来ていた。

理由は食糧を探すためだ。


だが、見た目のせいか、回りから視線を感じる。


まぁ、それも仕方ない。なんとか、襲われないように気をつけないと。


そんな事を考えながら、道を進んでいく。


そういえば、なんで私は南の方に来た?食糧を探すんじゃなくて、誰かから、お金

を奪って食糧買えばいいのに。


・・・今、ものすごく重大なことに気づいてしまった。・・・どうしようかな。


この辺りは、治安が比較的良いから来たけど、それって、逆に言えば

ひったくりとかがあまりないってこと。


ここでそんな事をすれば他の地域と同じように危険地帯になってしまう可能性

がある。


・・・仕方ない、一回戻ろう。ここで、ひったくりするわけにもいかないし。


そこで、私はいま来た道を戻ろうとする。だが、


「ぐへへ、良い獲物を見つけたぜ」

「そうだな、こんな所に警戒もせず来るなんてな」


二人の男に囲まれる。


「ボスのとこに連れてくか?それとも他のガキどもと一緒に監禁しとくか?」


「んーそうだな、ボスはガキを捕まえたらどんな奴でも捕まえておけとしか

命令してないからな」


「監禁で良いんじゃないか?」


「そうか。なら、早速連れて行くか。おい!!痛い目にあいたくなかったら、

大人しとけ!」


「・・・・・」


私は縄で縛られ、フードの上から目隠しをされた。少し経って、歩みが止まると、目隠しが外され乱暴に押される。


「・・・っ・・・」


「もし、脱走なんてしたら、何されても文句は言えないぞ。覚悟しとくんだな」

「てめぇらもだ。脱走なんて妙なこと考えるなよ?」


男はそういうと、扉を閉めた。


私は回りを確認する。暗くてよく分からないが、私以外に4人の人影が見えた。


その中の一人が私に近づいてくる。


「大丈夫?」


私に話しかけた子は髪が青く、瞳も青かった。


「・・・・大丈夫」


私はそう答えた。


「ケガはしてないかしら」


今度は髪が赤く瞳が薄紫色の子が話しかけてくる。


「・・・平気」


「そう、なら良いわ」


「ちっ!やっぱし、もっと頑丈なツルハシじゃないと此処を掘ることは

できないか!」


「ここを掘ることはほぼ不可能だ。それなら、あいつらが此処に来た時に、

潰すほうが遥かに現実的だと思うが?」


「んなことは分かってるよ!!でも、いざという時の逃げ道を用意しとかないと

何かあった時に困るだろ!」


「いざって時ってどんな時だ?」


「例えば、あいつらが俺らを殺すために此処ごと燃やすとか、

あるかもしれないだろ!」


「ふん、そんなことはありえない。そんなことするくらいなら、もう既に僕らは

殺されている」


「例えばっていってるだろ!!」

「何度言えば分かる。そんな例え話で無駄に体力を使う必要はない」


二人の少年が言い争ってるのが分かる。そんな二人を赤髪の子が止める。


「黙れ!!!」


その声はとても大きく、外に聞こえるのではと思えるほど強烈だった。


「今此処で、争っている暇はない!無駄に時間を使うな!」


そういうと、二人の少年は黙り込んでしまった。


「ルヴィ、言い過ぎ。確かにレンとシキは喧嘩してたけど、それは此処を脱出

するために考えたことだったんだから。そこまで言う必要はないよ」


青髪の子は赤髪の子に注意する。


「う、それは、・・・レン、シキ言い過ぎたわ。ごめんなさい」


「・・・いや、俺も少し熱くなり過ぎた。悪い」


「・・・僕も少し冷静さを欠いていたようだ。すまない」


なんとか仲直り出来たみたい。


「うん、それじゃあ、仲直り出来た所でみんなこの子に自己紹介しようか」

「なんだかんだ言って、私も自己紹介出来てないしね」


「それじゃあ、まず私から。私はルウです。よろしくね」


「私はルヴィアよ。よろしく」


「俺はレンだ。よろしく」


「僕はシキだ。よろしく頼む」


それぞれが自己紹介をする。まず青髪の子がルウ。赤髪の子がレヴィア。

金髪の子がシキ。最後に茶髪の子がレン。


「・・・・夜白・・・よろしく・・・」


「夜白?この辺りじゃ聞かない名前だな。別の派閥から来たのか?」


レンが私に問いかける。


「・・・・」


私は少し考える。ここで別の大陸から来たと言ってもおそらく信じてはもらえない。

見た目があれだからね。かといってなにも話さないのも印象に悪い。

さて、どうしたものか。


「ああ!話したくなかったら別にいいんだ。お前にも色々あるだろうし」

「それに、誰にだって言いたくないことの一つや二つあるもんな」


なんか知らんけど、納得してくれたみたい。


「おしゃべりはそこまでだ。これからどうするか考えなくては」


シキが会話を止めこれからどうするかを聞いてくる。


「あいつらを潰してから此処を離れるんでしょ?」


「ああ。でも、いつ仕掛けるかは決めてないだろ?僕たちは、大元を決めただけで

それ以外は何も決めていない。」


「そうだね。あいつらを潰すにしても、ただがむしゃらに挑んで負けたら意味が無い

からね。ちゃんと細かい所まで考えないと。」


「私はそんなもの無くても大丈夫よ。私の剣の腕を知ってるでしょ?」


「アホか!お前がどんなに強くても、数で攻め込まれたら意味が無いだろ!」


「うん、レンの言うとおりだよ。それに、これが戦争だったら、何も考えないで突っ込む

バカは自分が死ぬだけじゃなくて回りにも危険が及ぶんだから」


「う、分かったわよ。早いとこ作戦、決めちゃいましょ」


・・・戦争?なんでここで戦争を例えた?作戦が大事って教えるだけなら、それ以外にも説明のしようがあるし。・・・私の考え過ぎかな?


「進めるぞ。まず、あいつらが此処に来るのは、食糧を持ってくるときと、ここに

人を連れてくる時だ。」


「此処に来る時には必ず、二人で来ることが分かっている。」


「ここで、僕が厄介だと思ってる所は、常に二人で行動していて、奥まで足を

踏み入れないことだ」


「僕たちが今使える武器といったら、ツルハシとシャベル、この二つだけ。」


「正直、あいつらを潰すのに、これだけじゃ心もとない。」


「ここからが本題だ。この不利な状況で、此処を抜け出す方法を考える。

最悪相手を倒す事にこだわる必要はない。それだけ追われるリスクも伴うが」


「僕が思う最も最善だと思う方法は、一人があいつらに突っ込んで、その隙に

他の奴らが逃げる方法だ」


「この方法ならば、一人の犠牲だけで全員が助かることが出来る。」


「・・・犠牲?私達が助かるためにこの中のひとりを犠牲にするっていうの?」


「ああ。それが一番リスクの低い方法だ。」


「ふざけないで!!誰かを犠牲にして生き残るなんて意味が無いわ!」

「ここにいる全員が助かってこそ意味があるの!!」


「・・・それは希望論だ。僕だって此処にいる全員を助けたいが、

現実はそう甘くはない」


「だれか一人を犠牲にすることで多くの人を助けられるのなら迷わずそちらを選ぶ」


「っ!この!!」


ルヴィアはシキの頬を叩いた。


「私は認めない!!そんなことするくらいなら、私はその作戦を妨害してやる!」


「ルヴィア、落ち着いて。シキ、その作戦は、シキが考える上で最善だと思った

んだよね?」


「・・・ああ、これ以外にも幾つか思いついたが、どれも成功率が低すぎる」


「じゃあ、別の考え聞かせてくれる?」


「分かった。まず、一つ目は、あえて此処で待機するというものだ。あいつらは、

僕達を売るために此処に監禁している」


「その日が来れば何もせずに外に出ることが出来る。だが、逃げることは

ほぼ不可能だと思っていい」


「これまで以上に監視が厳しくなるんだ。逃げ切ることはほぼ不可能だ」


「次に二つ目、此処を放火することだ。」


「な?!おい!お前それ本気で言ってんのか!!」


「ああ、本気だ。この方法をとれば、あいつらは、僕達を外に出すしかない。

だが、外に気づいてもらえなければ意味がない。」


「外に気づかれる前に僕達が死ぬかもしれない。この考えにはかなりのリスクを

負う必要がある」


「僕が考えられるのはこれくらいだ。どれを選ぶにしても、行動を起こすのは

早い方がいい。」    


シキはそういうと、武器として使えそうなシャベルを持つ。


「僕は今日、夕食が運ばれてきたときに行動を起こす。協力してくれるなら助かるけど無理にとは言わない。」


沈黙が訪れる。その沈黙を破ったのは、レンだった。


「・・・俺はシキに従う。うじうじ考えるよりもそっちの方が分かりやすい」


レンは決意したように近くのツルハシを強く握る。


「・・・・いいのか?僕がやろうとしていることは、

 最悪命を落とすかもしれないことだぞ?」」


「今更何言ってんだ。お前がそこまでのことを言うんだ。危険はあっても死なない

程度だろ。」


「それに、仲間を信じることが出来ないほど、俺は落ちぶれてないぜ?」


屈託のない笑顔でレンは答える。


「・・・何をしようとしてるかは分からないけど、うん、レンの言う通りだ。

ここでシキを一人で行かせちゃったら、そのまま囮になろうとするかもしれないしね」


ルウが微笑みながら言う。


「・・・さっきは少し熱くなりすぎたわ。ごめんなさい。」

「・・・私も、シキに従う。けど、誰一人見捨てたりはしない」


ルヴィアは真剣な眼差しで言う。

         

「・・・・・ありがとう、みんな」


「よし、それじゃあ、準備を整えようか」


ルウのその一言でみんなが一斉に動き出した。それぞれが準備が整え

夜になるまで体を休めた。


シキが小さい声で回りに話す


「作戦の再確認だ。まず、夕食を持ってきた奴を倒す。おそらく、こいつは

かなり油断しているはずだ。これまでの動きを観察すると、こちらに一切

注意を払っていないことが分かる。」


「こいつは俺が倒す。そのあと、外にいる見張りをどうにかして倒す。

僕らが逃げられるだけのスペースを確保出来たらそれでいい。

わざわざ全員倒す必要はない。だが、殲滅出来そうなときはしても構わない」


「外の見張りをルヴィア、レン、お前らに頼みたい。やってくれるか?」


「了解よ、徹底的に潰すわ」

「任せろ。お前らには簡単に近づけさせはしない」


「ここを逃げ切ることができたら、カイさんのところに集まろう。あそこまでいけば

追いかけられたとしても何とかなる」


みんなそれぞれ頷く。


・・・ここまでみんなの話を聞いてきたけど、正直、私はここを逃げ出さなくてもいい。

食糧の問題もあるけど、ここで騎士団に引き渡されたほうが、この街について

知ることができるし、いざというときには逃げればいい。


ここまででこの人達が私に話を振らないのは、私の外見が幼いからだと思う。

何度も言うけど、私の年齢は多分3歳。そんな私に今の話を理解できるとは

思えなかったから話を振らなかったんだと思う。さて、どうするか。


「・・・そろそろ来る頃だ」


シキがそういうと扉が開き、男が一人入ってきた。


「ほれ、飯だ。ありがたく思えよ。飯を食えないやつだっているんだからな」


特に警戒した様子もなく、床に食べ物の入った皿を置いていく。


「今だ!!」


カイは食べ物を持った男の頭にシャベルを叩きつける。


「ぐっ!」


男は頭を抑えながらうずくまる。


「さっさと、死ね!!」


カイはシャベルを何度も何度も叩きつける。


男は抵抗しようとしたが不意打ちだったため、為す術もなく

やられた。頭から血を流しながら。


「カイ!ルヴィア!外を頼む!!」


「「了解!」」


二人はシキが男を倒したのを見ると外に駆け出していった。


「夜白ちゃん、私達も逃げる準備しようか」


ルウは私に言う。


「・・・・」


私は何も言わない。肯定もしなければ否定もしない。


「シキ、二人はどう?」


ルウの言葉にシキは振り返りながら答える。


「順調みたいだ。外には4人見張りがいたが、今はもう二人だけだ。」


「この調子で行けば、外の見張りを全員倒す事ができる。そうすれば

安全にここから逃げられるはずだ」


シキは浮かれていた。自分の作戦がうまくいき、その嬉しさにはしゃぐ子供のように。

私にはそれが分かった。何故かは分からないが。


ドン!!


外から大きな音が聞こえてくる。


「な、なんだ?!」


シキは慌てた様子で外を見る。それに合わせて私も外を見る。


外には三人の男が倒れていた。扉の近くに二人の男が倒れていて、もうひとりの

男はレヴィアにちょうど倒されていた。


倒されていない男はレンが相手をしていたみたいだが、体の大きな男に吹き飛ばされ

壁にめり込んでいた。


その様子をレヴィアはおろかルウやシキまでもが驚きで動きを止まっている。


「おいおい、この程度か?俺の手下を可愛がってくれた分、お返ししようと思ったん

だがな」


その言葉に、三人は呪縛から解けたように戦闘態勢に入る。


「お前らが此処に監禁されてたガキ共か。うまいこといけばここから逃げたせた

みたいだが、今日がお前らの回収日でな。俺が直々に来てやったわけだ。」


「運がなかったな。本当なら何もせず騎士団の連中に引き渡すつもりだったんだが、

予定変更だ。痛い目みせてから引き渡すとしよう。」


リーダー格の男(以後リーダー)が、私達の方、つまり監禁場所の方に向かって歩みを進める。


そこに、ルヴィアが剣を持ち、リーダーに向かって突撃する。


「なっ!?」


それをリーダーは素手で受け止め、足を引っ掛けて転ばせる。


「こんな剣で俺を殺ろうとしてたのか?ふん、話しにならん」


ルヴィアはもう一度立ち上がり、剣を振り下ろす。だが、


「全然だめだな。この程度で俺を殺せると思うなよ」


リーダーはそういうと、ルヴィアの剣の刀身を握力だけで折った。


「嘘?!」


「少しおとなしくしてろ」


そういってリーダーはレヴィアを蹴り飛ばす。


「ルヴィ!!」


ルウは呼びかけるが、ルヴィアは横腹を抑えながら苦しそうに呻いている。


「くっ、レヴィア!レン!先に逃げろ!!僕達もすぐに追いつく!」


シキは叫んだ。


「あいつらはともかく、お前たちを俺が逃がすとでも思ってんのか?

甘く見るなよ?」


リーダーはすぐ近くまで迫ってきていた。


シキは小声でルウと私にこれからすることを言う。


「ルウ、そいつを連れて逃げたらどれくらい時間がかかる?」


「・・・追手がこないなら、三分あれば十分。幸いにもここらへんには、

裏路地がたくさんあるからね。そこを通っていけばなんとかなるかな」


「三分か・・・。それなら、此処を一緒に飛び出すぞ。その後、俺はあいつと

一戦交える。その隙に逃げてくれ。」


「待って。そしたら、シキはどうするの?」


「さっきお前が言ったじゃないか。三分稼げれば十分だって。僕はなんとかして

三分稼ぐ。その後は僕も逃げるさ」


シキは決心したような顔で言う。


「・・・無理だと思ったら、時間を稼がなくても大丈夫。さっき言った三分は、追手が来なくて、安全に逃げ切れる為に必要だと思う時間だからね。」


「多少危険があっても、問題はないよ。」


「分かった。無理そうだったら逃げさせてもらう」


「うん」


「それじゃあ、行くよ!!」


私はルウに手を引かれながら外に飛び出す。もちろんシキも一緒に。


「・・・お、なんだ?命乞いか?大丈夫だ命は取らないぞ。

痛い目にはあってもらうがな」


リーダーは笑いながら話す。


「・・・僕がお前の相手をしよう」


その言葉にリーダーは一拍おいて、大声で笑い始める。


「ははは!!どう見ても、いいとこのお坊ちゃんにしか見えない野郎が俺の

相手をするか!しかも、得物はシャベルときた。」


「どこまで俺の相手が出来るか見ものだな。いいぜ、相手になってやろう」


そういうと、リーダーはシキを睨みつける。


「今だ!!行け!!」


その言葉に私たちは、駆け出す。レヴィアとレンはなんとか持ち直したようで、

倒し損ねた男を倒していた。


「レヴィ、レン!」


「ルウ!!シキは!?」


「あっちで私達を逃がすために戦ってくれてる!」


「何?あいつ、戦いは苦手だったはずじゃ」


「うん、私と夜白ちゃんが逃げる時間を稼いでくれてるんだよ。無理はしないで

って言っておいたから大丈夫だと思う」


「夜白ちゃんを安全な所に避難させるまで、どっちか一緒に来てくれないかな?」

「私じゃ、いざという時戦えないから・・・」


「分かったわ。私がルウ達を護衛する。レンはシキに加勢してあげて。」


「分かった。あいつだけにいい格好はさせないぜ」


移動しようと動いたその瞬間、


バン!!


後ろから銃声が鳴り響く。見てみると、女が上に向けて銃を発砲したことが分かる。

さらに、何十人もの男女がそれぞれ得物を持って私達を取り囲む。


「簡単に逃げられると思わないで」


銃を持った女が言う。


「・・・これはまずい、かな」


「あいつらが俺らの後ろにいるってことは、シキは・・・やられたのか?」


「・・・多分、殺されてはないと思う。けど、やられたと思ったほうが良いね」


ルウは焦りを隠すように落ち着いて現状を把握する。


(本当にこれはまずいな。私達がいるのは囲まれてちょうど真ん中ら辺。

銃持ちは私達が逃げる方向のちょうど対向側にいる。ここから逃げたとしても

銃弾に簡単に当たっちゃう。)


「武器を捨てて、手を頭の後にしなさい」

「抵抗すれば、命を取るわ。貴方達が子供でもね」


(どうする?此処まで来て簡単に捕まるわけにはいかない。それにシキの犠牲が

無駄になっちゃう。)


(・・・私達が逃げるスペースを作って尚且つ銃弾が当たらないようにするには・・・)


(回りには、縦に積み重ねてある木材。私達が進む方には、ゴミが散らばってる。

銃持ちのほうには特にこれといったものがない。)


(・・・ん?あのゴミの中に空き缶と瓶があるのか。・・・今の状況を抜け出せる

方法を思いついたけど・・・これをするには銃持ちをどうにかしないとダメかな)


(ん?・・・あれは!)


「どうしたの?早く武器を捨てなさい。十数えるうちに捨てなかったら容赦なく

殺すわ」


「十」


ルウは小声で話し始める。


「みんな聞いて。この状況を抜け出せる方法を思いついたんだ。」


「何?本当か!」


「九」


「どんな方法なの?」


「説明してる時間はない。だから私の指示通りに動いてくれる?」


「八」


「分かったわ」


「まず、レンは、あの木材をなんとか倒してほしんだ。あと、できれば空き缶を

思いっきり蹴って大きい音を鳴らしてほしい。そのあと銃持ちの近くの敵を倒してほしんだ。」


「次にルヴィ。ルヴィは、レンとは反対側にある瓶を銃持ちに投げつけてほしい。

その後、私達が逃げるスペースを作ってほしんだ。3,4人倒せば十分だと思う」


「今言ったことができれば、なんとかこの状況を切り抜けられると思う。」


「一つでも失敗すれば、私達の命はないと思っていい。ルヴィ、レン、頼んだよ」


「任せろ」 「了解よ」


二人は集中する。自分が失敗すれば仲間が死ぬ。何としてでも成功させねばという

気持ちで。


「私の合図で始めて」


「四」


(・・・・・・・・ここだ!)


「三」


「始めて!!」


ルウは耳が痛くなる程の大声で言葉を発した。


ルヴィアとレンは素早い動きでルウに言われたことをやっていく。

動きが早すぎて目が追いつかないほどだ。


銃持ちの女の方は状況を飲み込めていないような顔でいる。

だがすぐに立て直し、すぐさま銃を私とルウに向ける。


「・・・どうやら、死にたいようね」


引き金を引こうとする、が


「っ!なに!?」


シャベルが銃持ちの手に当たった。誰かが、シャベルを投げたのだ。


「ナイスタイミング!!」


木材を倒し、空き缶を蹴ったレンは銃持ちの近くの敵を数人倒す。

すると、シキが全速力で走り、レンと合流する。


「生きてたのか!!」


「僕が・・はぁ・・はぁ・・・簡単に・・・はぁ・・くたばる訳が・・・ないだろ・・」


銃持ちが態勢を立て直す。今度はシキに銃口を向けている。


「やってくれたわね、この!」


銃持ちは引き金を再度引こうとするが、


ひゅっ!


空き瓶が銃持ち目掛けて、飛んでくる。それに気づいた銃持ちは

すぐに瓶に銃口を向けて引き金を放つ。


バン!


瓶は割れ、銃持ちに直撃はしなかった。そう、”直撃”はしなかったのだ。


割れた瓶は破片となって、銃持ちとその回りにいた男女に襲いかかる。


「今だ!!全力で走れ!!!」


ルウの声と共にルヴィア、レン、シキは駆け出す。もちろんルウに手を引かれている

私も。


「させるかぁ!!」


銃持ちは銃を乱射する。だが、先程レンが倒した木材によって大半の銃弾は

阻まれていた。


だが、


「っ!!」


銃持ちの乱射した銃弾が、ルウの足に当たる。


態勢を崩したルウは倒れ込む。手を引かれていた私も同様に。


「ルウ!」


ルヴィアは駆け寄ってくる。後ろからは無事だった、男女が追いかけてきている。


「ルヴィ!逃げて!」


「駄目よ!私は誰一人だって見捨てない!!」


徐々に男女は距離を詰めてくる。


「今はそんな事言ってる暇はない!!」


「ルヴィ!戦争でこんな事してたら、命がいくつあっても足りないよ!!」


「あなたは、この理不尽な世界を変えたいんでしょう?そんなあなたが

ここで命を無駄に散らす必要はない!!」


「だから、ここは逃げて!」


「っ・・・!・・分かった・・・必ず助けるから!」


「うん、待ってるよ。それと、夜白ちゃんもお願い」


私はルウから手を離す。


「さぁ、行くわよ、夜白!」


ルヴィアが私に手を伸ばしてくる。私はそれに応えなかった。


「・・・・・」


「何してるの!!早く!!」


無理やり腕をつかもうとするルヴィアから離れる。


「夜白ちゃん!ルヴィの指示に従って!!」


ルウも何か言ってるようだけどここまでだ。


「・・・・・・」


私は追いかけてくる男女の方に向けて走る。


「な!?」


驚きでルウとルヴィアは目を見開く。


「おい、どうした!!」


何か異変を感じ取ったレンがルウ達の元に来る。


「ルウ!お前足,打たれたのか!!」


もう間近まで男女の追手は迫ってきている。


「っち!ルウ我慢しろよ!」


レンはルウを抱える。


「ルヴィア!!なにボケッとしてんだ!!急いで逃げるぞ!」


「っ・・・!!」


ルヴィアはなにも言わず走っていった。


「よし、しっかり、手に力をいれろよ?」


レンも駆け出していった。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

誤字脱字ありましたら連絡をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ