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砦の少女2

今回も幕間的なものです。

「いい加減、あきらめて話したらどうですか?」

男はいい加減にしてほしいという態度をあからさまにしていた。


「あなたたちは何者です。いつまでも、わたしをこんな所に閉じ込めて、いったい何がしたいのですか」

ユノはその問いには答えず、反対に威厳を込めて問い詰めていた。


「おお怖い。これではどちらが聞いているのかわからないですね」

男はあきれた感じだった。


「あなたのことは分かっているんですよ、お姫様。我々としては、若干計画が変わってしまったので、撤退することになりましてね。実際あなたをどうしようか迷っているんですよ。このまま私たちの国に連れて帰って、次の交渉に使うか、はたまた、ここでさようならするか。それもあなた次第ですね」

男はユノに向かって、冷酷な笑みを浮かべている。


「それが帝国のやり方ですか。大方アプリル王国の情勢が悪くなったのでしょう。孤立する前に撤退するつもりでしょうが、安全に帰国するためには人質というものがあったほうがいい。しかし、私があなたたちに王都に入る前にとらえられたので、わたしがここにきていることを証明することができない。だから人質にしても信じてもらえないということね。残念ね、利用価値がなくて」

ユノは男をにらみつけている。


「うんうん。そういう賢くて、気の強いところはお兄さんにそっくりですね」

男は妖艶な笑みを浮かべている。

その眼の怪しさに、思わずユノも退いている。


「まあ、正解と言っておきましょう。今更、あなたが何を知っていたとしても、それがこの国に持ち込まれることはないでしょう。それと、ここ数日この森に変なものが入ったのを感じたので、もうすぐ助けも来るでしょう。そうすればあなたは、ここにいることが証明されるのだし、我々もあなたの言う通り、あなたを利用して帰るとしましょう」

男は高笑いをしながら部屋を出ていった。


「助けに来たものを利用して……」

思わずユノも、へたり込んでいた。

帝国の手が、ジュアン王国にも伸びてきました。

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