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小さな違和感

自分に自信を持ち始めたヘリオス君はもう一人の自分と比べてしまいました。

「なんだろうこの感覚は……」

目覚めた私は、言いようのない不安感に押しつぶされそうになっていた。

そんな私にミミルが声をかけてきた。


「ヘリオス。学長が来てってさ」

そう言ってミミルはまた、お休みといっていた。


「なんだろう……」

この言いようのない不安感といい、いきなりの呼び出しといい、私の知らないところで何かが起きている。


そして間違いなくもう一人の自分は知っている。

そう感じていた。


「とりあえず、デルバー学長に聞いてみるか」

私はそう決めて、指輪の魔力を解放した。


「おお、ヘリオスや、遅かったの」

デルバー学長は笑顔で出迎えていた。


「先生、いったい何が起こってるんですか?」

気になって仕方がない。

つい気が焦ってしまった。


「ん、まずは順を追って説明しようかの。それよりも先に、これを見てみるがよいぞ」

そう言ってデルバー学長は1枚のレポートを私に見せていた。

それは、報告者名がないが、真祖に関してまとめたものだった。


そこには、考えたことのないものが書かれていた。


「真祖って、そういうものなのですか?私はてっきり不死者アンデッドだからと解釈してました」

私は死んでいるので死なないと思い込んでいた。


「たしかに、真祖によって生み出された眷属としての吸血鬼バンパイアならそうじゃろうの。信仰系魔法で滅ぶことからもそうといえる。しかし、真祖は信仰系魔法でも滅びはせんよ」

デルバー学長は遠い目をしていた。


「では、先生も精霊か何かだと思われるのですか?」

私はその答えが気になっていた。


おそらくこの報告書は、もう一人の自分が書いたものだろう。

その筆跡は私のものだった。

もし、同じ結論であるのならば……。


もう一人の私は大魔導師として名高いデルバー学長の結論と同じ結論を導いたことになる。


それは驚愕の事態だった。


「いや、わしの意見とは違うの。しかし、わしもある程度納得しておるわ。わし自身あのことがなければ、同じ結論を出しとったかもしれんしの」

デルバー学長は真祖に関して、もう一人の私よりも知り得る情報があったこと。

そのために、異なる結果を出したと言っている。


それはすなわち、もう一人の自分がデルバー学長の域に達する存在かもしれないと言っているものだった。


心の奥にどす黒い感情が渦巻き始めた。

私はこんなにも努力を重ねている。

しかし、もう一人のわたしは、私の知らないところで、私にはできないことをいつもしてきた。


私の中に小さな嫉妬がうまれていた。


それは、本当に小さなものだった。

しかし、それにミミルが反応していた。


「ヘリオス!」

自分の中に生まれた感情を、私はどうすることもできなかった。

私のなかで、何かの力が暴れようとしていた。


「ばかもんが。おぬしがおぬしをひがんでどうするんじゃ。おぬしもおぬしであることに変わりはないわ」

デルバー学長は私の頭を軽く杖でたたいてきた。


不思議なことに、私の中で暴れようとしたものは、すっかりおとなしくなっていた。


「すみません……」

私にはそれしか言いようがなかった。


「おぬしは自分一人の力がすべてと思っておる。それはマルスと同じ過ちをおかすぞ?おぬしはおぬしを含めていろいろな支えがあって生きとるんじゃ。それを忘れるな」

デルバー学長は私のことを優しく見つめていた。


私は自分の中に生まれてしまった小さな感情をもはやどうすることもできなかった。


自分よりもいろいろできる自分。

精霊たちが待ち望む自分。

デルバー学長が期待する自分。


そう言ったもろもろのことを意識しなくてよかったのは、古代語魔法、魔道具の存在が大きかった。

そして、その頂にいるデルバー学長の存在。


今回は頭で理解したにすぎなかった。


しかし、この感情を知ってしまった自分を、どうしていいのかわからなかった。


「少なくとも、今の私ができることをしていきます」

そう言うしかなかった。

少なくとも今、デルバー学長の話を聞こうと思っていた。


デルバー学長の話はどれも驚くべき内容だった。


まず、ルナが襲われるかもしれないこと。

そのために、もう一人の私が、いろいろと準備していること。

その私は相手をいぶりだすため、探索任務に行かなければならないこと。

私の留守中に起こることは阻止せずに、計画した者を根こそぎ後悔させる手段をとろうとしていること。


そして、その手順と方法をデルバー学長から説明をうけた。


いつの間にか復活したミミルも話に参加してきた。


「ヘリオス、ヘリオス。ヘリオスが新しく作った魔道具を必ず持っていくように伝えてほしいって言ってたからさ、ミミルちゃんと伝えたよ?あとね……」

ミミルは伝言を全うしたという感じで、とても偉そうにしていた。


「あたらしくって……」

もう一人の自分も魔道具を作っていた。


そのことに驚いた私は、ミミルの言葉を半分しか聞いていなかった。


転移不可領域があるからどうのという話だったが、それどころではなかった。


私は自分の専用空間セルフスペースではない、普通の魔法の袋に収納されていた魔道具を取り出し、鑑定した。


分解ディコンポーズの錫杖、魅惑防止インターフェランス・ファシネイションの指輪、……と、これは……」

どれも一級品を超えている。


最後に取り出した魔道具。

それは、私がルナの位置のみを正確に反映させるために、ルナだけに反応するようにして作った特化型どこどこ君だった。


それは手首につけるもののようだった。

ためしにつけてみると、頭の中に自分の位置とルナの位置が正確に理解できた。


「ほほ、どこどこ君はやはり高性能じゃの」

デルバー学長は、どこどこ君がどんどん利用されているのがうれしいようだった。


「ヘリオスはね、ヘリオスだけじゃないよ。みんながヘリオスを支えてるんだって言ってた。だから、ヘリオスは自分一人で何とかしようと思わずにさ、みんなの力をかりていけばいいわさ」

ミミルはまたも偉そうにしていた。


「わかったよ。ルナの危険が迫った時には、これで駆けつけることができる。ルナの位置さえわかっていれば、変化を見逃さない。そういうことだね」


私理解した。

しかし、同時に決意した。

これだけ準備されていて、私はただ従うのはおかしい。

ルナのブローチはリライノート子爵の円盤型のどこどこ君で認識可能だ。

わざわざあれを使う必要もない。

最初の二つは何故用意されたのかもわからない。


拉致されるルナを速やかに救出する。

それでその犯人を懲らしめる。


単純なことだった。


「でも、だからこそ、私は自分の力で何とかしてみせるよ」

私はそれらすべてを専用空間ポケットスペースに収納していった。


唖然とするミミルと、やはりというデルバー学長の顔を見て、私は決意を語った。


「私も、以前の私とは違いますからね。ここまで用意されていたら、あとは自分でできます」

私もここでずいぶん修行して強くなっている。

そして、目覚めてから一段と魔力マナが多くなっていることを感じていた。


できる。

私はそう思っていた。



***



やはりそうきたかの……。

ほれ、ヘリオスよ。おぬしに以前教えたじゃろ。過剰な力には反発があるとの。


己の力で己を制約するとはの……。

おぬしもまだまだ詰めが甘いわい。


次に会ったときは、まずは説教じゃ。


しかし、このままではあ奴の力が必要なときに出てこれん恐れがあるの……。

正直このヘリオスでは真祖の相手はきつかろう……。

しかたない。わしが手助けしておいてやるかの。あのものとはまだ話したいことがあるでの。

おおよその見当はついておる。

あやつ、マルスと同じ力。

あれも異世界からの来訪者というわけか。

しかし、マルスとはまた違う方法を……。

精霊女王も複雑なことをしよる。

このヘリオスの精神状況に大きく左右されるのであれば……。



「うん、よい覚悟じゃ。どれ、わしがおまじないをしてやろう」

ヘリオスの額の中央を中指で小突いておいた。


「え? いま、なにを?」

ヘリオスはかすかな違和感に戸惑ったようじゃ。


「なに、おまじないじゃよ。ほっほっほ」

いま、あ奴の中で動けるのはあのものだけのようじゃの……。

今後のことを考えると、お互いに話すのが一番じゃて。


「たのんだぞい」

宙に浮かぶ光にそう告げておいた。

光は一瞬輝くとすぐに消えていた。

これでよい。

後はこのヘリオスがどれだけやれるか見るのも楽しかろう。

あ奴もそのために準備しておったし、わしもいざという時は……。


「よし、明日は早いのじゃろう、しっかりと休むようにの。それと、一つのことにとらわれすぎると、周りが見えなくなる。ゆめゆめ忘れることのないようにの」

まあ、このヘリオスにはしれんじゃろう。


ヘリオスは素直にそれに従っていた。


「おお、そうじゃあの二人にも話しておかねばの……。説明に時間がかかっては仕方あるまい。まったく、世話が焼けるの」

あの二人なら、ある程度問題は無かろう。

今のヘリオスの問題も、あの二人を通してみれば、自分なりに気づいていくだろうて。

いずれ会った時に、今のままでは役に立点だろうしの。



さて、これからが問題じゃの。

こっちの問題は間もなく片付くぞ。

マルスよ……。


あたりはすっかりと暗くなっていたが、まだ明け方には程遠かった。

東の空もまだ暗い。


闇がその力を増すのは、光が生まれる直前じゃ。

光を光としてとらえきらんかった時点で、おぬしの負けはきまっとるんじゃよ。

のう、マルスよ。

お主の強い光ゆえに、他の小さな光など見えんかったのかの。

それはそれで悲劇かの……。


今は小さな光かもしれん。

じゃが、間違いなくお主を超えるぞ、マルス。


それも、お主の言うロマンなのかの……。


***


「では先輩方、まいりましょう」

その意気込みを込めて宣言した。

「ヘリオス、君の場合、魔法の背負い袋があるんだし、これ見よがしにそんな恰好しなくても……」

カルツ先輩はあきれていた。

私の装備を見てそう言ってるのだが、一応出発するということを見せつけるためのもの。

それに、中身は軽いものだ。

見た目ほど、重装備ではない。

しかも、私の筋力もずいぶん上がっている。

この程度なら問題なかった。


「先輩、これは大半放置するものですので、ご心配には及びません」

笑顔で二の腕をたたいて見せた。


「なるほど、筋肉強化というわけかい。ヘリオス、君もようやくわかってくれたようでボクもうれしいよ」

メレナ先輩はどうやら自分の都合のいいように解釈したようだった。


その方が、都合がいいのかもしれない。

その誤解をそのままにして先頭を歩きだす。


あまりここで時間を費やすのは得策ではない。

とにかく、私が出発する姿を、誰の目にも明らかなようにする。

王都から離れたことをアピールしなければならない。

筋書きは用意されている。


そして、ルナの件に気が付いていない、もしくはそう早いうちに問題は起こらないと思っている。

という風に誤解をしてもらう必要がある。

状況を自分なりに整理してみて、私はそう結論を出していた。

大半が準備されている。

しかし、演じるのは私自身だ。


もう一人のわたしが考えているシナリオ。

その意味は私にはわからない。

しかし、演出家の通りに動かなくてはいけないことは無いはずだ。


それはいつもの私ならば考えもしないことだった。

しかし、今の私にはそのことが頭から離れなかった。



大丈夫、わたしもうまくやれる……。

いや、やってみせる。



「じゃあ行こうか。まずはトラバキまでは街道を使う。問題の遺跡はヴィンター公爵領の方にあるようなので、街道からは外れるが、そのまま北上する」

珍しくカルツ先輩は、行き先と経路を説明していた。


めずらしい。

まっすぐ目的地に向かっている。


私が不思議そうな顔をしていたのが分かったのだろう、続けて説明をしてきた。


「詳細はトラバキの教会で聞く予定になっているから、どうしてもトラバキには、期日通りにいかないといけないんだ」

笑顔でそう説明していた。


なるほど。

妙に納得していた。


「最近はカルツがうるさいから、ヘリオスに試練があたえられないよ……」

いつの間にか隣に並んでいたメレナ先輩は唇をとがらせていた。


メレナ先輩の愉快な取り組みは、カルツ先輩によってことごとく却下されていたようだ。


「僕だけ先行しないといけないのも嫌だしね、それにもうヘリオスにはその必要もないだろう」

私の成長のあかしだ。


ただ、言い争いになった二人を、一歩下がって眺めるしかなかったけど……。


「あはは……」

笑うしかなかった。

ますます、激しくなる言い争い。

最近、その距離が縮まっている気がする。

でも、ここは人通りが多い。

そろそろ自重してもらおう。


「まあ、私もお二人のおかげでずいぶん自信が持てました。これで、一人でも戦えますので、安心です。お二人ほどではありませんけど」


本当に私は強くなったと思う。

今なら、ウラヌス兄さんと戦っても勝てる気がしていた。



のどかな田園風景。

遠くの方では農夫が作業をしている。

道行く人々に、不安な表情はない。

日々の安寧が、そこに映し出されている。


平和に見える光景。

その中では少々不似合いな話題だった。


「まあね、今のヘリオスなら並みの戦士よりも戦えるはずだと思うよ」

珍しくメレナ先輩が、私をそう評価していた。


「はい、1対1にさえ持ち込めば、もう少し上の実力者とも渡り合える自信が出てきました。これも、先輩方のおかげです」

ここぞとばかり、自分の戦闘力に自信がついてきたことをアピールした。

そこは、私の自信でもある。

私は、それこそ先輩たちの訓練を耐え抜いた証だと思っている。



***


なんだろうか、この感覚は。

何かとんでもない間違いをしている気分だ。


ヘリオスの成長は喜ばしい、しかもそれを育てているのは我々だ。

しかし、そのヘリオスから聞こえてくる言葉が妙にひっかかる。


ヘリオスを支える自信。

それは結構なことだ。

しかし、何かが私を不安に感じさせていた。


「もうヘリオスも立派な戦士だね!」

メレナは上機嫌だ。

彼女の価値観はいかに戦えるかにかかっている。

それはすっきりして、私も好ましいと思う。


「ええ、いつか先輩方と互角に戦って見せます」

ヘリオスは挑戦的にそう宣言している。


魔術師が?


私の中で、違和感の正体がはっきりとした。

ヘリオスを鍛えることを優先するあまり、我々はとんでもない間違いを犯していたことにも気が付いた。


「ヘリオス、君は戦闘に関してどう考えるんだい?」

立ち止まって振り返り、ヘリオスに尋ねた。

その答えではっきりする。


「そうですね、味方の犠牲が出ないように、早期制圧を図ります。先制攻撃は有効な手段ですので、状況が許せばそうしたいですね」

真剣に答えているのがよくわかる。

私の表情がそうさせたのだろう。

しかし、だからこそ、慎重に答えてほしかった。


「ヘリオス。それは戦士の考え方だよ。魔術師の考え方ではない……」

そうだ、ヘリオスを鍛えるのは、魔術師として鍛えなければならなかった。

しかし、我々はヘリオスの潜在的な希望を叶えるように動いていた。



戦闘において味方の被害が出ないように考えて行動する。

時として、自分自身を盾にして味方をまもる。

それが戦士ひいては騎士の本分だ。


これまで、私が整えた戦場で、ヘリオスは先制攻撃で相手を無力化するだけでなく、攻撃までしていた。


ヘリオスを鍛えるために、最前線で働かせたこともある。

なまじ体術がいいだけに、安心してみていられた。


本来後衛にいるべき魔術師を。


「ヘリオス。君にとってこのパーティでの役割は、いままでそうだったかもしれない。そして、我々は君を鍛えるために、あえて前衛に立たせていた。けれど、それは本来の魔術師の仕事からは外れているんだよ」

そう言ってからメレナを見た。


私の心配はメレナに伝わったようだった。

メレナも初めてそこに気づいた顔だった。


「君のその考えは、戦士の考え方だ。魔術師のものではない」

ヘリオスにとっては酷ないい方だろう。

今までしていたことが、違う方向に向いていた。


しかし、気が付いた以上は私が知り得ることを伝えなければならない。

幸い私にも魔術師の知人はたくさんいる。

彼らの言葉を借りて説明していかなければならない。


「魔術師の場合、大事なのは戦況がどう動くのかを冷静に判断することなんだよ。時には全員がやる気に満ちて、どんどん行こうとしているときでも、冷静に全体を見て水を差すことも必要なんだと思う」

これは大事なことなんだ。


一呼吸おいて、知人の話を思い出す。


「なによりも、魔術師は戦闘そのものを回避するようにしなければならないんだよ」

戦士は戦うことが本分だ。

だから戦闘を前向きにとらえてその対応は早期解決だ。

味方に被害を及ぼさないようにすることも重要な要素だ。


しかし、魔術師は違う。


戦闘という行為は短絡的に解決するための一種の破壊行為だった。

やむを得ないから戦闘をする。


魔術師の思考はそうならないように持っていくことだ。

自身が高い破壊能力を持つ以上、その行為に対して自らが抑止力を発揮しなければならない。


しかし、ヘリオスのそれは戦士のものであり、その魔術はかなりの危険性を持っている。


「要するに、きわめて高い破壊能力をもった存在が戦闘を肯定的にとらえた時点で、後に残るのは悲惨な結末だ」

じっくり考えなければならないだろう。

人の価値観はそんなに早く変わるものじゃない。

我々の責任である。

最後までしっかりと見守ろう。



***


「……」

私は黙ってそれを聞いていた。


たしかに、最近めっきり強くなった気がしていた。

下級妖魔などは魔法を使わなくても殴り倒せたりした。

以前の戦闘で、小さな飛竜ワイバーンも切り刻んでいた。


そして、何よりも自分一人でできる強さにあこがれていた。


それが私に自信をつけていた。

しかし、それは魔術師の考え方ではないと諭された。

私の中で混乱が渦巻いている。

今まで信じてやっていたことは、魔術師としてはおかしいことだと言われている。


押し黙る私を見て、メレナ先輩が声をかけていた。


「ヘリオス、カルツ先輩が言いたいのはだね。高い戦闘力を持つのはいい。その自分に自信を持つのもいい。しかし、その力を過信してはいけないってことだよ。そして、物事を広く、冷静に判断することを求められるのが魔術師だってこと」

そう言ってにっこりほほ笑んだ。


「まあ、ボクらのなかでは今のままでもいいよ。でもね、いずれはボクたちも卒業する。そうした時に今と同じことしてたらだめだね。それは戦士の役割だからね」

そう言ってメレナ先輩は私の背中をきつく叩いていた。


「まあ、今は進もう。これからのことはこれから考えればいいんだよ」

そう言ってメレナ先輩は鼻歌まじりに歩いていき、カルツ先輩を抜き去った。


「まっ、考えるのも必要だってね」

メレナ先輩は、私にも聞こえるように、カルツ先輩に告げていた。

カルツ先輩も、それ以上何も言わずにその横に並んで歩いている。


私はそのあとについて歩いていた。


いったい私はこれからどうしたらいいのだろうか……。


自信を持ったヘリオス君は、かつてない感覚に襲われています。認められたいという欲望にヘリオス君はどうするのでしょうか。

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