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妖精女王

ヘリオスはジュアン王国にある妖精女王の泉を訪れました。

この事は重要な意味合いがあるのですが、内容は「精霊たち」のようになっています。

「初めましてといった方がよろしいのでしょうか……。さすがに……、対応に困りますね」

その姿をみて、一瞬自分の目を疑ってしまった。


今回はヘリオスとして、一人で会いに行く。

事前にそう約束していて、本当によかった……。


ミミルを含めた精霊たちが、しきりに温泉から出たがっている。

その気持ちは分からないでもないけど、今は勘弁してほしかった。


物静かに、そして優雅に羽を広げた妖精は、優しげなほほ笑みを見せている。

その姿に、やっぱり違和感を覚えてしまう。


「まずはお礼を言わせてください。新たなる王。オルランドを助けていただき、ありがとうございます」

そう言って妖精は頭を下げていた。

光り輝く六枚の羽を持つその姿は、ミミルの姿にとてもよく似ていた。

というよりも、ミミルそのものだ。

おそらく、精霊女王は妖精女王の姿を似せて、ミミルを生んだのだろう。


「私からもお礼を。そして、知らなかったとはいえ、ご子息への数々のご無礼、お許しください。デュランダルの攻撃をうけたあの時、この命はすでにないものと思っていました。しかし、この指輪のおかげで、私はこうしてまた女王のもとで働くことができます。ありがとうございます」

オルランドは膝をつき、頭を下げていた。


「いや、無事で何よりだよ」

オルランドは体を固くしている。

まあ、これ以上何か言っても、何をしても、逆効果なことはすでに理解している。

ここは、放置する方がいいだろう。

それよりも……。


「妖精女王……」

「アウロラで」

妖精女王は俺の言葉をさえぎって、自分の名を告げてきた。


「では、アウロラ。今は、初めましてといいます。あなたのことは知っていますが、あなたを知っているわけではありません」

あえて俺はそう告げてみた。


「そう、あなたは精霊王として会いに来たわけではないということですね」

アウロラは、どこか悲しげな表情を見せていた。


「そう言わないでください。僕は、この存在を受け継ぎましたが、記憶をすべて持っているわけではないのです」

申し訳ないが、記憶はミミルがもっている。

使い魔契約で魂の結びつきがあるから、ミミルに教えてもらうことはできる。

そして、ミミルが俺に与えた知識だけが、俺が持つ精霊女王の知識だ。

悠久の時を生きたその知識は、俺の中にはほんの一部しかない。

だからこそ、世界はこの俺を許容しているのだといえる。


「で、ヘリオスとしてのあなたの用件は何ですか?」

精霊王のすべてを知っているわけではないとわかった途端、アウロラは雰囲気を変えていた。

先ほどまでの表情と打って変わって、興味を前面に出している。

それもそうか……。

精霊王であって、精霊王でない。

こんなあいまいな存在が、存在している。


それは、俺自身に対する興味を含んでいるとしても、納得のできるものだった。


でも、その顔……。

ますます瓜二つなんだけど……。


「ええ、ジュアン王国のことです。たしか君は王家の婚姻の承認者だったよね?」

そんなことを考えていたからかもしれない。

つい、いつもの口調になってしまった……。


「ええ、そうよ……。コホン。そうです。それがなにか?」

妖精女王は咳払いをして言い直していた。

なんだか、こんなこと前にもあったよな……。


「いや、今回、実の兄妹で結婚するようだから、君の意見を聞きたくてね」

ためしに、砕けた感じで聞いてみよう。

ミミルと同じ姿、同じ行動。

ひょっとすると、そうかもしれない。


「えー? それはちょっと賛成できないかも! コホン。それは、賛成できませんね」

またも、アウロラは言い直していた。

必死に威厳を持とうとしている。


この既視感……。


「…………」

「…………」


「ミミルじゃないよね?」

一応確認しておく。


「じゃーん! よんだー? ミミルはここだよー!」

これ幸いに、ミミルが出てきた。

ずっと出てこようとするのをなだめてたけど、呼ばれたと主張しているあたり、無理やり出てきた自覚はあるのだろう。


「うわー。ほんとそっくり。女王ってば、ちょっと考えようよ」

ミミルは自分の中にある存在に文句を言っていた。

そして俺の頭の上で、足をのばして、くつろぎはじめた。

やっぱり妖精は、こっちの世界の方がいいのかもしれない。


「それはこっちのセリフよ!」

最初あっけにとられていたアウロラも、立ち直ったのか、怒りを見せていた。


「なに? それって私じゃない。よりにもよって私の姿を、私の許可なく使うなんて!」

なぜか、アウロラまで、俺の頭の上に座ろうとしてきた。


「ちょっと! ここはミミルの席だよ」

ミミルが文句を言って妨げる。


いや、そこはミミルの席じゃないからね。

俺の頭だからね……。


「いーじゃん。けち。ちょっとだけだよ」

アウロラも負けていなかった。

というよりも、もはや取り繕うとはしていない。

きっと精霊女王は、その性格までまねたに違いない。


それから二人は互いの容姿について、不毛な言い争いを始めていた。



「あの……人の頭の上で、本人の許可なく取り合いするの、やめない?」

ほっておくと、全く話が進まない。

オルランドなど、跪いたまま目を白黒させている。


「「ヘリオスはだまってて!」」

息ピッタリな二人に、しばし黙ることにした。


聞くとはなしに聞いていると、互いに自分の方が、羽が美しいとか、背が高いとかスタイルがいいとか、そういう話だった。

しばらくして、意識を向けると、話題が変わっていた。


二人とも、その話題では決着がつかないと思ったのかもしれない。

ミミルが、自分に有利な話を振ったのかもしれない。


いつの間にか、争点は思いもかけないことに発展していた。


この頭の上に居るべきはどっちなのか。

今は、それで言い争っている。


「二人とも同じくらい美しいと思うよ。優劣つけがたい」

もう一度、最初の争点に戻して、引き分けで終わろう。

そうしないと、とんでもないことになりそうな気がする。


君たち本当にそっくりだね……。


「じゃあ、ヘリオスに選んでもらいましょう」

アウロラが宣言していた。


「ミミル的に異議なし!」

ミミルは自信たっぷりにそう告げていた。


「「さあ、どっち?」」

藪蛇だった。

二人は俺の目の前で迫ってきた。

話しをそっちで振ったんじゃないんだけどね……。


「あのさ、アウロラ。君、女王なんだから、僕が選べるわけないでしょ? ミミル。君はすでに僕の妖精じゃないか……」

そう言うしかない。

でも、ミミルが頭の上にふさわしいかは別だけどね……。


「かったー!」

ミミルはうれしそうに飛び回っていた。


「まけた? この私がまけた?」

力なく、俺の前から墜落するアウロラを両手で受け止める。

なんで、そんなに力を無くすのかわからないけど、その存在が希薄になっている感じがした。


「アウロラ。君は妖精女王だよ。僕一人で独占できる存在じゃないでしょ? 君の存在は妖精みんなのためにある。僕がどうとかはありえないよ」

顔の前までアウロラを掲げ、優しく語りかける。

片手で支え直して、その涙をぬぐってみた。


「えへ。そうよね!」

アウロラは立ち直りも早かった。

そして飛び回っているミミルをよそに、素早く俺の頭の上に座りにきた。


「ああ、ここいいわ。なんだかすごく落ち着くの」

足をのばしてくつろぐ姿を見て、ミミルが抗議の声を上げていた。

無視するアウロラに、ますます機嫌の悪くなるミミル。


「ねー。たまに交代しない?」

抗議するミミルに対して、とうとう横になりながら、提案していた。


「アウロラ様、お戯れは、ほどほどになさいませ」

オルランドが、俺に代わって諌めていた。


「いーじゃん。たまには。ていうか、オルランド、でしゃばりすぎ」

俺の頭の上で、たぶん仁王立ちしているアウロラ。

そうか、この子も本当はこういう性格なのに、普段は妖精女王を演じなくてはいけない。

精霊と違って、妖精はこの世界に生きている。

だからいずれ、この世界での死が訪れる。

このアウロラは、まだ若い妖精女王だろう。


そう思うと、なんだか不憫に思えてきた。

立場がその人本来の姿を隠してしまう。

ユノにせよ、アウロラにせよ、どこかで肩の荷を下ろせるところが必要だろう。


「とう!」

いきなりミミルがアウロラにとび蹴りを仕掛けてきた。

仁王立ちしていた分、バランスを崩して落ちるアウロラ。


「ミミル的に華麗な勝利!」

仁王立ちして、高笑いをするミミル。

受け止めた俺の両手の上で座り込むアウロラ。


しばしのにらみ合いののち、アウロラが羽ばたき、舞い上がる。



「ぐぬぬ……。こうなったらこっちも実力行使で……」

「のぞむところ!」


一触即発の雰囲気の中、ほんのわずかの距離を縮地シュクチで移動し、ミミルを振り落とす。

あっけにとられる二人の襟首をつまみあげて説教することにした。


「いいかげん、なかよく」

精霊王の存在を全開にして、二人を注意した。


「「ごめんなさい」」

見事な調和を見せて、二人してうなだれている。


しかし、こうして二人を並べてみて分かった。

たった一つの違い。

それは、俺とミミルの間にある、魂のつながりがもたらした変化だろう。

ミミルの髪には銀髪が紛れている。


「ほんま、すごいわ。さすが妖精、こっちで見る方がそっくりやわ。女王ってアウロラを意識してミミル生み出したんやね。性格もそっくりやし。最初のイメージ台無しやわ」

俺が精霊王の存在になったことで、約束はなくなったと判断したのだろう。

ノルンが出てきて、アウロラをしげしげと眺めている。


「わたしも、ミミルを最初見た時は、『なんで?』って思ったけど、今なら納得です」

ベリンダは大きく頷いて納得している。


「ミミちゃん。アウちゃんもかわいいねー」

シルフィードは上機嫌だった。


「ふっ」

そして誰もいなくなった頭の上に、フレイがそっと降り立った。

そこじゃないよ、君の場所は。

俺の意志を理解したのか、フレイはしっかり自分の場所に移動した。


「ミミルが二人……。うるさい」

ミヤは俺の左腕をしっかり固めていた。

ここは私の場所だと主張しているのだろう。


「ホタルがおらんのがかわいそうやわ。そや、ヘリオス。アウロラにも水着あげたって。ミミルと同じサイズやからあるやろ? ホタルだけ見てないの、かわいそうやし」

ノルンの提案はもっともだ。

しかし、それでいいのか?

アウロラは見せもんじゃないけど……。


「そうだね、アウロラの返答次第かな?」

アウロラがいいのなら、いいけど……。

でも、ちょうどいいから取引にしてしまおう。


「何かわからんけど、いいよ。だからその水着っての、頂戴」

アウロラは自分だけが持っていないことに、納得がいかないのだろう。


「ミミルもいいんだね?」

ミミルの要望で、ずいぶん作ったからたくさんある。

でも、所有者はミミルだから、一応確認しておかないと……。


「ん? ミミル的にはうれしいかも。でもミミルには、新しいの作ってね!」

ミミルはその件に関しては問題ないようだった。

むしろ、自分と同じ妖精が増えるのがうれしいようでもある。

なんだかんだ言っても、ミミルは妖精で、ほかの精霊たちとは少し違う存在。

純粋に、仲間ができたような感じなのかな?


「じゃあ、私も最初はお古で我慢するけど、新しいのを」

やっぱり、アウロラも負けてはいなかった。


俺につままれたまま、二人は角を突き合わせている。


「二人とも仲良くね」

一応、釘はさしておこう。


「うわ、その笑顔、こわ」

そう言いながらも、ノルンは楽しそうに笑っている。


「じゃあ、これを着て。くれぐれも、この水着を脱がないでね。あと、みんなのとは……」

俺が細かい注意をしようとする声をさえぎって、ノルンがアウロラに挨拶をしていった。


「じゃあうちら、先に入っとくでー! はよ、おいでやー」

フレイも、シルフィードも、ベリンダも、みんな手を振りながら入っていった。


ノルンが消えた後、その存在を追っているアウロラ。

しかし、俺の特別空間に入っていったのだ。

いくらアウロラでも、探すことはできなかった。


あせるアウロラに、ミミルが声をかけていた。


「えへん。ミミルが教えてあげよう」

その様子に、二人を離すと、ミミルはアウロラを俺の頭の上に誘っていた。

やっぱり、そこで着替えるようだった。


しばらくの間、あれこれ人の頭の上で、楽しそうにしている声が聞こえていた。

そして、ようやくその時間は終わったようだった。


「じゃーん。どう? どう?」

水着に着替えたアウロラは、俺の目の前に来て、水着を見せていた。


「うん。いいね。細かいことは中で聞いて。ただ、これだけは注意しておくよ。絶対に、その水着はぬいじゃだめだからね。絶対だよ!」

なんだか、ミミルにも同じことを言った気がする。

でも、ミミルは聞いていなかった。

念を押す俺の顔を不思議そうに見つめるアウロラ。


なんとなく、その顔は怪しかった……。


「いいかい、絶対だよ」

くどいようだけど、もう一度念を押す。


「はーい」

そんな俺の態度に、素直に片手をあげて、返事していた。

そして、ミミルに教えてもらって消えていく。


「ミヤ、もう一度注意しておいて」

まだ、一人だけ残っているミヤにお願いする。


「わかった」

何となく、やる気を見せているミヤだった。



「アウロラ様はどこに行かれたのでしょう」

残されたオルランドは、不安そうに尋ねてきた。


「疑似精霊界だよ。僕が作った特殊空間で、温泉があるんだ。ヘリオス温泉という名前みたいだね。一種の概念世界でもあるので、どこからでも入れるし、どこにでも出れるから安心して」

かなり端折っているけど、そう説明する方がいいだろう。


「なるほど……。便利ですね」

オルランドは、素直に感心していた。

今のオルランドなら、話しても大丈夫だろう。


まだ跪いたままのオルランドに、重要な役目を伝えておくことにした。


「オルランド、たぶんここにジュアン王国の使いが来ると思う。ユノ女王の結婚についての用件だよ」

俺の態度に、オルランドは真剣なまなざしを向けていた。

重要なことだと、肌で感じる事が出来る。

普通にしていれば、オルランドは立派な騎士だ。


「妖精女王の行方は、ヘリオス温泉だと告げてほしい」

恐らく、しばらくそれで時が稼げるだろう。

しかし、アウロラはしばらく帰ってこない。


そのうち、怒り心頭に発したユリウス将軍は、強引に話を進めるだろう。

冷静な判断力を欠いた状態であれば、対応もしやすい。

そして、ユノにはメッセージとして伝わるだろう。


オルランドはヘリオス温泉とつぶやきながら、俺の指示を反芻しているようだった。

暫らくそうした時間が流れた後、オルランドは再び俺に顔を向けていた。


「いや、それだけでいいよ。僕の用件はそれだけだから、そろそろ失礼するよ。アウロラも、しばらくは戻らないと思う。君は、君の仕事に戻っていいと思うよ。アプリルの方も気になるんだろ?」

もし、ミミルと同じ過ちを繰り返すのであれば、オルランドがいない方がいいだろう。



「!?」

オルランドは驚きの顔で俺を見ている。

しかし、納得したのか、立ち上がり頭を下げてきた。


「では、お言葉に甘えて、これで失礼します」

オルランドの立ち去る背中をみながら、何となくため息をついていた。


「さて……。心配だ……。そう言えば、後でサイズも合わせないと……」

こればかりは、アウロラがミミルとは違うということを祈るばかりだ……。



***



「うわ! うわ! なにこれ? ここどこ? 精霊界じゃないし、妖精界でもない。なに? なに?」

アウロラははしゃぎまわっていた。

そしてそのまま温泉に突入していく。


やっぱり、うるさい。

ミミルが二人になってる。


「うわ、なにここ。きもちいい!」

温泉を巡って堪能していった。


ヘリオスに注意して、と言われたけど、じっとしてないから注意できない。


「気に入った? ホタル紹介するから、こっちきて」

ノルンがアウロラを手招きしていた。


「ん」

満足しているアウロラは、素直に招きに応じている。


そうか、その手があったんだ。

でも、あそこに行くと危ないかも……。

ちょっと急ごう。

ヘリオスに、これ以上余計なものを見せられない。


そこに追いついて入った時、アウロラは感動していた。

うるさいアウロラも、おとなしくなっている。


それはそうかも。


私たち精霊のくつろぎ空間。

十二個の個人用ジャグジーバスと呼ばれる温泉。

そして、その中でくつろいでいる精霊たち。

ヘリオスが私たちのために作ってくれた宝物。


「この子がホタルや。ドライアドやで」

ノルンは裸の幼女を前に出していた。


「ほたるです……」

か細くもしっかりと挨拶していた。

悔しいけど、かわいいのは認める。


「ええ子やろ? かわいいやろ? ウチの隣がホタルの席。あんたは……。そうやな、シルフィードの横がええな!」

そう言ってノルンは水着を脱いで、自分の風呂に入って行った。

シルフィードも水着を脱いで、自分のところに入って行った。


「アウロラ……」

この流れは、とても危険。

今、アウロラに注意しないと……。

私は水着のまま、アウロラの方に急ぐ。


「アウちゃん。ここよ! おっきいけど、今は我慢してね」

けど、私の声はシルフィードに消されていた。


「じゃあ、わたしも大きくなろう!」

瞬時にアウロラは人間サイズに変化していった。


ミミルはそんなことはしなかった。

あのミミルでさえ、あっけにとられている。

ミミルたちの水着は、概念で変化することはできない。

それは、大きさもそう……。

ミミルの上を行く行動に、私達の沈黙が、妙に長く続いていた。


さすが、妖精女王。

でも、これでまた余計なものを見せてしまった……。


しばらくして、真っ赤になったアウロラが、一目散に温泉に突撃してきた。


「なんや、サービスまでミミルそっくりやな。でも、今度は大きかったからヘリオスもびっくりしとったやろ」

笑い事じゃない。

ヘリオスにまた余計なものを見せたのは、私のせい。

どうしたらいい?ヘリオス……。


口まで温泉につかりながら、アウロラは何かを言っている。

繰り返し、何か言ってるけど、温泉の中だと良くわからない。


「え? なんやて?」

ノルンは聞こえないので、立ち上がっていた。


「だから、ヘリオスが直しに来るから水着を着ておいてね。だって!」

アウロラが叫んだタイミングと、ヘリオスが現れたタイミングはほぼ同じだった。


「ノルン。きみもか……。アウロラはそこだね。じゃあ、これで。ごめん、みんな。邪魔したね」

ヘリオスはあっという間にアウロラサイズに直して消えていった。

真正面からヘリオスと対面したノルンは、そのまま固まっていた。


「あー。ノルンもサービスやな」

ミミルがノルンの口調をまねて、ゆったりと温泉につかりながら、感想をもらしていた。


「あんたに言われたないわー!」

ノルンの絶叫とみんなの笑い声が続く中、私は密かに反省する。


また、余計なものを見せてしまった……。


アウロラはヘリオス温泉で4時の位置に自分の場所をもらいましたとさ。

さて、ミヤの悩みはまだまだ続くのでしょうか?


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