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夢の世界の中で僕は  作者: あきのななぐさ
夢の世界へ
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プロローグ

初投稿になります。

いろいろ未熟ですが、読んでもらえたらうれしいです。また、感想をいただけるとなおありがたいです。よろしくお願いします。

少年は森の中を走っていた。


何かを追い求めるわけでもなく、ただ何かから逃げるように。

しかしそれが何なのか、少年にはわからないようだった。


だからこそ、少年は立ち止まることができずにいた。



ただひたすら走り、つかれて歩き出し、また走り出す。

それを永遠に繰り返すことも、少年には苦痛ではないようだった。


必死に逃げるその姿は、少年の恐怖を物語っている。


木々の間を走り抜けたその先に、きらめく水面をそよ風が走り抜ける。

心地よいぬくもりと光に照らされ、少年はおもわず立ち止まっていた。


少年の目の前にあるのはちいさな泉だった。

突然森の中に現れたようにも感じるが、そこにあるのが当然と思えた。


そして、少年はその場から動けなくなっていた。


流れ落ちる汗が、ほおをつたいおちてゆく。

不意に少年はのどの渇きを覚えたようだった。


そこにはきれいな泉がある。

その水は自分を潤してくれるに違いない。


泉に向かう少年の姿は、少年の気持ちを物語っていた。


ひざをつき、拝み入るように両手を泉にむける少年を、何かが押しとめたようだった。


「お水をいただいてもよろしいでしょうか?」


顔をあげ空を見上げ、少年はなにかに伺い立てる。

どうやら少年は、そのまま無断で飲むことをためらったようだった。


そのとき一陣の風が少年の背中から駆け抜けた。

それで少年は許可が下りたことが分かったのだろう。

泉に手を入れ、大事そうに両手ですくう。


両手の間から零れ落ちるのも気にせずに、少年は両手ですくった水をながめていた。

ほとんどなくなりかけてから、おもむろに顔を近づけ口に含んでいた。


「おいしい……」


それは少年が今まで飲んだことのない味だったのだろう。

たった一口。

それしか飲んでいないが、少年には十分のようだった。

そして、少年はそのままそこにすわりこんでいた。


「ありがとう」


ふいに少年はその言葉を口にしていた。


感謝を告げたその顔は、恐怖から解放されたかのようだった。


ひと時の安らぎ


それは、その場所で安らぎを得ることができたからなのだろう。

その言葉がつむがれたあと、ほのかな風が頬を横切る。


「うん、かえるね。また、ここにきてもいいかな?」


そこには、誰もいない。

少年の目にもなにも見えない。

しかし少年はそう言なければならない気がしたようだった。


水面が揺れ、光が踊り、そよ風が少年の体を包む。

少年は来てもよいことを悟ったようだった。


「ありがとう」


気が付けば、少年は泣いていた。

自然とこぼれたその涙は、少年の渇いた心が満たされた証なのだろう。


そして少年は立ち上がり、もときた道をみつめていた。


「よし、いこう。」

しっかりと大地を踏みしめて、少年は歩き出していた。



安心できる場所がある。

そう思うことで、少年は前に進むことができたようだった。


***


「そうか、ここが始まりの場所なんだな……。なんで俺まで泣いている?」

片手で涙をぬぐい、見慣れた天井をしばらく見つめる。


「ああ、そうか……。しかし、あの後どうなった?」

続きを見よう。

そう思うと、いてもたってもいられなかった。



夢の世界へもう一度。

布団の中から旅にでる。


物語は、ヘリオスという少年を月野という人物が夢の中で見るところから始まります。時間をさかのぼり、見ることもあれば、順を追ってみることもある。そんな夢でした。この夢には秘密がありますが、ここではそれはお伝えできません。

話が進んでから、この夢物語がいったいなんなのかが明らかになります。


そして、いつしかその夢の中に自分の視点で入ることになった月野は、戸惑いながらも、いままで見てきたヘリオスとして行動しているつもりです。

しかも、夢から覚めた後、またその続きの夢をみることもできる。夢で演じた自分の行動の結果を自分が客観的にも見るようになります。

いつしか、月野は結末を迎えることなく舞台を降りていくことに不満を感じるようになります。


さて、この夢物語。

ある程度進むのに、時間を費やしています。

興味を持っていただいた方、どうかしばらくお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。

初投稿から、3か月になろうとする現在、遅々として進んでいない改稿作業をしながら、物語を完結に向けて進めております。

うまく表現できていないかもしれませんが、ヘリオスと月野が織りなす物語とそれにかかわる人々の物語を読んでいただけるとありがたいです。

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