EX STAGE34:救済
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「やあ、フィリ。久しぶり」
私のこの状況下を見てもなお、翔琉は表情を崩さずそういった。
「久しぶりじゃないわよ!ってか、なんであんたがここにいるのよ!!」
「うーん……まあ、簡潔的に言えば拉致された……かな?」
「拉致?異世界から?」
「まあ、そんなところ」
そんなところじゃねーだろ。
と、私は思っていた。
だが、翔琉には時間がなかったのだ。
「おい、翔琉……君……」
「あー、これ?」
と、自身の透ける肉体を見回す翔琉を見て私は理解した。
この天野翔琉は魂の存在なのだと。
「まあ、とりあえず……頼みがあるんだフィリ。今は大人しく聞いてくれ」
「この状況下で大人しく聞けるか!!」
そう私が言うと、翔琉はやれやれと魔法を使って私の拘束を外す。
だが、その拘束を外したことにより、彼の足は消失した。
「やれやれ、魔法の思念的状態だからね。 この状態は長くは保てないか……」
「ごめんなさい……私、自分のことばかりで…… 」
「心配しなくていいよ。 今は、君にお願いしたいことがあって来たんだ」
「お願い?」
「そう……君の召喚魔法を使って、俺を再度召喚して欲しいんだ」
「……また、なんでそんなことに」
「とりあえずノース文明の跡地へと向かってくれ。そこならば、身を隠せると前にフルートから聞いた。 あそこは魔術による結界があるから、邪悪なものたちは入れないはず」
「え、でもそうすると……父上や母上は?それから、国民たちも……」
「大丈夫。 君の父上や母上、それから国民たちは単に【成り代わり現象】によって別のものにすり替えられているだけなんだ」
その証拠に……と、翔琉は近場にいた筋肉質の男たちの仮面をはぐ。
すると、そこにあったのは……。
「父上と母上‼」
「邪ナモノと呼ばれる存在でね……この物体はなんにでも変身できるようなんだ」
「くっ……おのれ……謀ったな、色欲‼」
「そして、その色欲こそが……今回の事件の黒幕……邪悪の悪の因子の1人……ようするに、敵の幹部ってことかな」
「……分かったわ翔琉。 とりあえず、ここは逃げることにしましょう……あなたはどうするの? 」
「いやぁ……それがさ、実は今邪悪に肉体を奪われかけててさ~」
「はぁぁぁ?」
そんな大事なことをあっさりとア
天野翔琉は語った。
図太すぎるだろ、精神力。
「だから、最後の力を振り絞って、生き残ってるみんなを助けようと君にお願いしてるのさ」
「……全く、どこにいってもあなたは変わらないのね……いつでも他人のために行動する……まあ、いいわ。 じゃあ、約束通りノース文明の跡地に行くことにするわ」
「恩に着るよ……」
「ただし……」
「??」
「ただし……ここにいる化け者共を一掃してからね」
「大丈夫かい?毒を盛られてる上に、今の君の魔力では……」
「大丈夫……頼れる仲間を呼ぶから」
「じゃあ、ひとつだけ……俺からも送らせてもらうとしよう……もうじき、本体が乗っ取られて動けなくなる……その前に……」
天野翔琉はふわりと私に近づいて、私の額に人差し指を突きつける。
「神魔法&魔力消費零を付加。 さあ、頑張ってくれ、フィ……」
私の名前を言いかけ、天野翔琉は光の粒子となって消えた。
そして、止まっていた時間が動き始めるのだった。
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