表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/49

EX STAGE22:異世界、再び‼

 神を越えた神外なる存在へと成り代わろうとしている天野翔琉を封じるべく、世界の創始者【ファースト】と、時空間の主クロノスの必死の魔法によって、天野翔琉は再び封じ込められた。

 もし仮に、天野翔琉がこのまま神外化が進んでしまった場合どうなるのか……それは、始まりの神であったファーストでさえも予想がつけられない。

 それまでに、神外化というのは予想できない現象なのである。

 というのは、まあ天野翔琉が始めての事例である故に……と言うところなのかもしれない。

 厳重に封印された翔琉は、再び時空間の中に幽閉された。

 いや、幽閉されたという表現ではまるで犯罪者のようなので、こう言おう。

 保護されたのだ。

 『はぁ……はぁ……流石に疲れたわねクロノス』

 「そうね……はぁ……ここまで力を使ったのは久しぶりだったわ……」

 二人の驚異的な力を持つ者たちは、ぐったりとしていた。

 それほどまでに今の天野翔琉は、悪の因子よりも危険な存在なのだ。

 「さて……翔琉が封じられてるとなると……悪の因子はどうしたものか」

 「ファースト様以外に、他に始まりの力を宿した方は居ないのかしら?」

 そんな物議が醸し出されている中、ファーストは考える。

 天野翔琉以外に、彼と同等な力を持つ者。

 または、彼を封じ込めた状態で彼と同等の力を使える存在……。

 そう、唯一いるとすれば……。

 『天野(あまの)……狼牙(ろうが)しか居ないわね……』

 その言葉に全員がピクリと反応した。

 天野狼牙……その名に聞き覚えがあったからだ。

 天野翔琉が生み出した、もうひとつの世界にて存在した天野翔琉の義理の弟にして魔法を食らいつくし、死に至る病【魔力零(ノーライフ)】現象を引き起こすことができた伝説の怪物パラノイアの正体である。

 かつて、あの世界でのパラノイアはあの世界での水の大魔導士リュウによって倒され、更には彼に封じられていた真のパラノイアである天野蘚流(あまのこける)は天野翔琉とディルによって倒されている。

 その後の彼らは、天野狼牙は天野翔琉と共にあり、天野蘚流は贖罪の旅として、オールドアの中をさ迷い続ける事になったのだ。

 そしてあの日……あの【全滅】の日に、天野翔琉以外の生物は死に絶え、あの世界は終わったのだ。

 「確かに……天野狼牙なら、天野翔琉の力を封じ込めた上に天野翔琉の力を使役することは可能だけど……天野狼牙は、ディルたちが発動させた【なにか】によって食われて死んだんじゃなかったっけ?」

 そうヨルヤは言う。

 しかしながら、クロノスは首を横に振る。

 「いいえ……そういえば、天野狼牙が死んだという描写は無かったわ……」

 「じゃあ、やつはどこに……」

 『可能性としては、狼牙は……オールドアの世界に行ったんじゃないかな? ほら、あんな消去者があらわれた以上、真っ先に狼牙は姉である蘚流を助けに行くんじゃないかしら』

 「でも、あの世界のオールドアはもう……」

 「しょうがないな……」

 そう言って、クロノスが指を弾くと時空間に穴が出現した。

 その穴の先には、なにか違う景色が見える。

  廃墟となった世界……荒廃し、荒れ果て、血生臭い臭いのする世界だった。

 「はい、天野翔琉が生み出したもうひとつの【魔がさす楽園】よ」

 「「「えぇぇぇぇぇぇぇ‼」」」

 ファースト以外の一同は、それはそれは驚いたという。

 「そ、そんな……作り出された世界への扉を開くだなんて……」

 「私、時空間の主だから。 これくらいは出来るわよ」

 「これくらいって……逆に何が出来ないんだこの人……」

 「ほら、いいからさっさと行ってきなさいな……あ、でも注意してね。 あの世界は不安定だから、あり得ないことも起こり得るから……」

 と、クロノスは言った。

 あり得ないこととは、なんだろうか……と疑問を持ちつつ、彼らはあの世界へとなんの迷いもなく向かう。

 天野翔琉を助け、悪の因子討伐の鍵となる天野狼牙を探しに行くために。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ