追跡 part2
「すいませ~ん!誰かいませんか?」
愛華が扉を叩きながら中にいるであろう人に言った。
竜間達が複数に光を見た後、直ぐに光への道を探した。
何せその光だけが頼りだった。
1時間くらい辺りをグルグルと回っていると、光の方角に小さな道があった。
そこに車で入り、村らしい所に着いたはいいが、複数あった光は1つになっていた。
そのまだ光が点いている家の前に竜間達は車を止めた。
愛華の問いかけに1分間は何も物音がしなかったが、もう1回愛華が扉を叩くと家の中からガタガタと音がし、扉が開いた。
扉が開いた先にいたのは、髪が短く黒色の女の子だった。
年は高校生くらいの竜間達からしたら同い年だ。
「何か用ですか?」
その女の子は、小さく竜間達を見て言った。
「いや・・・。用ってわけじゃなくて、今日1日ここに泊めてもらえない?」
愛華の返答に一瞬考え、そして「はぃ?」と変な声が出てしまった女の子。
まぁ知らない人からいきなりこんな事を言われたらビックリして当然だ。
今の状況を信じてくれる人は少ないと思った竜間達は家出してきたという事にした。
その説明も少し無理矢理だったが、なんとか女の子は家に入れてくれた。
愛華が「お風呂に入りたい!」と入って直ぐに言い出したので、愛華は女の子に風呂に連れて行ってもらた。
竜間と実はリビングに通してもらった。
リビングには四人が掛けられる机とイスがあった。
そこに竜間と実が横並びに座り、愛華を風呂場まで送った女の子が帰ってきてその前に座った。
「こんな時間にいきなりすいません」
実は正面にいる女の子に軽く謝った。
「親御さんは?」
竜間が訊くと、女の子は「いない」と答えた。
「私の名前は桜井 咲!あなた達は?」
「俺は波風 竜間だ。そして横にいるのが倉橋 実。あと今お風呂を借りてるのが橋本 愛華。よろしく!」
竜間は笑って咲の質問に答えた。
「でさ・・・・あんた達のここに来た理由ってなに?」
咲が少しして竜間に訊いてきた
「だから家出で・・・・」
「いや、私が訊きたいのは本当の理由!」
咲は少し笑った。