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柚色物語  作者: 雄花
3/5

第03話「女顔って好きじゃない」



きつい・・・はっきり言ってきつい・・・


ていうか、なんでこんなことやらなきゃいけないのかなぁ!


『自動電力発電』だなんてっ!


もう、汗はだらだら。喉渇いた。だが、僕は自転車をこぎ続ける。


「せんせぇ・・・なんで、こんなことぉ・・・」


暁先生は、チューとオレンジジュースを飲みながら答えた。


「あなたをただで泊めるわけには、いかないでしょ?これから、いろいろやってもらうわ。」


「はぁはぁ・・・だけどもぅがっこ・・はじま・・・・」


僕が、死ぬ気の勢いで人差し指で時計を指す。暁先生は、手に持っていたオレンジジュースを握りつぶすと疾風のごとく


部屋を抜け出した。


せんせぇ・・あなたは、鬼ですぅ・・・というか・・・僕・・動けないのですが・・・


「もぅ・・・だめ・・・」


僕の意識は飛んでいった・・・



              *




おかしいなぁ・・・先生に預けといたプリントが見つからない・・職員室にもないし・・


一応、宿直室に来てみたけど・・・ないなぁ・・・


う〜〜ん、仕方がない。直接先生に聞いて・・・



『がたっ!』


向こうの部屋から、なんか物音が聞こえたよ!どうしたのかなっ!


私が、急いで駆けつけてみると知らない女の子が寝込んでいた。


その横には、テレビで見たことがある『自動電力発電装置』


ああ・・・また暁先生か・・


もしかして、あれかな?先生が言っていた、居候さん。


へぇ・・・男の子って言ってたけど、まるっきり女の子じゃない。


先生のボケも相変わらずよね。


ていうか、なにやらせてるんだ・・・先生は・・・


もう、この子ぐだぐだじゃない・・・


可哀想に・・・先生ってたまに無茶なことやらせるからなぁ・・・・


とりあいず、手当てしないと。


私は、女の子の側に近づく。


さらさらとした、柚色の髪。汗が、きらきらと輝いて、綺麗だった。


思わず、どきっとしてしまう。


って、私レズじゃない!


それに、この子苦しそうだし!


見惚れている、場合じゃないわよ!


ふーと、ため息を漏らしながら女の子の肌に触れようとした。


―――その時。


女の子が目を覚ました。


「ん・・・誰・・・ですか?」


女の子は、うっすら目を開けて、私に聞いた。


「石ノ巻黎イシノマキレイていうの。あなたは?」


「っ・・・自分は―柚木柚です。」


はぁはぁと、息を荒くしながら、柚ちゃんは自己紹介をする。


こんなになるまで、なにやったんだ・・・先生・・・


改めて、暁先生の無茶振りの怖さを知った。


「柚ちゃん。私が看病するから、じっとしててね?」


私は、柚ちゃんを膝の上に乗せた。


こくっと、柚ちゃんはうなずいた。


まず、全身の汗を拭こう。タオルで、顔の汗を拭き


首、腕、足――よし、次は胸――


胸を拭こうとした時。彼女の胸がないと言うことに気づく。


もしかして・・・男っ!?


えええーーー!!こんな綺麗な顔してるのに?


ていうか、私・・・ひ、膝枕っ・・・


私の顔は真っ赤かになる。


あぁ・・・もう柚君より汗が出てきそ・・・


「大丈夫ですか・・・?顔、真っ赤かですよ?」


柚君が、私の顔に手を近づけてくる。


柚君が男と知り、私の体温は急上昇中なのに・・ッ


そんなことされたら・・・私・・・!


「っ―」


目をぎゅっとつぶり、なるべく柚君の顔を見ないようにする。


だって、柚君がとっても綺麗だったから。


「すいません――」


「へ?なんで、誤るの?」


「だって――」


「黎!もう時間だよーー!!」


その時、私の親友が入ってきた。

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