第02話「宿直室での変人第一号」
僕、柚木柚は女顔であり趣味がお花の水遣り女の子が苦手。
昔っから、家族の世話係を担当していたので料理などが得意。
そして、ビンボー少年でありながら・・・
と・く・た・い・せ・いで、あの超お金持ち学校、皇国学院に入学することになった。
明日から、僕の新生活が始まる前に明日からの僕の寝場所となる宿直室に荷物を置くことになっていた。
ボストンバック(つかいすて)には、洋服と下着と小銭しか持ってきていない。
今頃の学生とかは、最新の携帯電話とか持っているとおもうけど生憎、僕にそんなものは必要ない!
まぁ・・・一度・・・結構ほしいな、と思ったりはするけどさ・・・
でもぉ!けぇたい電話なんかなくったて生きていけるんだよぉ!ホームレスのおじいさんが叫んでいた!!
叫ぶ必要はないと思うけど!!
てことで、家からおよそ3時間、僕は今皇国学院の前にいる。
王国学院とは、全国で一番お金持ちが通っていて
その面積は、約3000haあるし、しかも超・頭がいい名門校で偏差値は65以上という・・・化け物みたいなところ。
それに、全ての設備において全てがトップクラス!
あのかの有名な、三菱企業の娘さんだって入っているという事だしあの政治家の風祭大臣の娘さんだっているという!
まさに、全てにおいてトップクラスだね!
僕の胸は弾むが、少し残念なところがある。
だって、椛と梓ねぇに悪いじゃん?
それに、僕がいなかったら柚木家おしまいじゃん?
あと、明々後日スーパーの特価売りがあるじゃん?あ、知らないか・・・
ああっ!!なんで明日入学なんだぁーーー!!!楽しみにしていたのにぃぃいい!!!
「柚木柚君?」
「はへ?」
後ろから、女の人の声がした。
僕が振り向くと、20代後半ぐらいの、女性が立っていた。
こい、黒い髪をしていて髪を後ろに束ねていた。
すらりとした体からは、まさに大人の女性というのが見事に感じられた。
いやぁ、うちの母とはちがうねぇ!
「はい・・・・柚木柚ですけど・・・・」
僕がそう言うと、女の人はニコリと微笑んだ。
「始めまして、暁理恵と申します。一応、あなたの担任よ。」
「僕の担任の先生ですか〜〜」
「こっち来て」
暁先生は、僕の腕を引っ張ると校内に入った。大きい銅像、壁掛け・・・僕の目には高級なものが入ってくる。ほ、ほし・・
そして、ドアの前で先生は止まる。
そこには、『宿直室』と大きく書いてあった。
そうかぁ〜〜ここが宿直室かぁ・・・
ほぉ〜〜と僕が見とれていたら先生がドアを開ける。
まさに!まさに!部屋の中は僕が望む家庭環境だった。
テレビは、あんまり大きくはなく部屋の中もあんまり大きくはなく・・・
ああ!!僕はこれを望んでいたんだーーー!!!
あまりの嬉しさになきそう・・・僕・・・
「柚木君の部屋はこちらね。」
なんと!僕の部屋まであるのか!豪華すぎる!
「普段は、勉強会に来た子達の寝場所なんだけど・・・柚木君が使ってね。」
「はい!はい!!」
僕は、飛びつくかのように、ドアを開けた。
そこは和室で向こう側には窓。
ううっ・・・神様ぁ・・ありがとぉございまぁーす!
僕が荷物を置こうとしたとき。
床ではなく、硬いなにかに当たった。
なんだ?とそれを見てみると・・・
「わぁ!!!」
女の子が寝ていた・・
「うわうわ!!ああ!!!」
もう、驚きのあまりに叫ぶ僕。
その、女の子のまぶたが静かに開き始めた。
「ん・・・・」
女の子が目を覚ますと、目の前にあった僕の顔をじーと見つめる。
その目はなんかボーとしていて・・・
髪は、茶髪のショートカット。
3秒ぐらい経ったときかな?女の子が口を開く。
「何で・・・空は青いのだ?」
「は?」
「だから、何で空は青いのだ?」
「ん・・・地球だからじゃない?」
「そうかぁ・・・地球だからか・・・」
奇想天外な、女の子の質問に戸惑う。
女の子は、はぁーとため息をついた。
「名前はなんというのだ?」
「柚木柚ですけど・・・」
「私は、加賀瀬青葉というのだ。宜しくなのだ」
「うん・・・宜しく・・・・」
加賀瀬さんの微妙な空気に乗せられながら、僕は笑顔で加賀瀬さんと握手を交わす。
その時、暁先生が急に部屋に入ってきた。
息は荒く、どうしたのかなーていう感じ、どうしたのかなぁ・・・
「青葉ぁ!まだかえっていなかったの!」
「うん。眠かったのだ。」
こくっと、加賀瀬さんは首を縦に振る。
「もぉ!今日は、居候さんが来るって言ったでしょ?苺もみまも帰ったわよ!」
「だってぇ・・・なのだ〜〜」
頬を膨らませて、ふてくされる加賀瀬さんをほっといて、暁先生は僕に謝る。
「ごめんね!ちょっと、昨日勉強会があって・・・青葉!もう、帰りなさい!」
「はぁい・・・」
加賀瀬さんは、とぼとぼと帰っていった。
何か・・・変な人にあっちゃったなぁ・・・