第三話 猛禽、野心を抱いて天下に羽ばたく
アンヘルが山を下りる十数年前に遡った話である。
飢饉はようやく収まり始めたその頃に少年が父に伴われ、ある小さめの屋敷で働くことになった。
少年の名はブレイズといい、父は元々その屋敷で奉公人として働いていて、息子もその手伝いとしてこの屋敷に入れた。
屋敷の主はエイドといい、下級役人から数多くの武勲で侯爵まで上り詰めた男である。
既に老齢となっていたので全権や領地は既に息子夫婦に渡し、小さな屋敷に隠居して妻と共に余生を楽しんでいた。
時折、知人や旧友が来てはバックギャモンやチェスに興じて暇を潰す毎日だ。
ある冬の出来事であるが豪雪となり暫く客足が途絶えたので、ブレイズにチェスの相手をさせることにした。
「ルールさえ覚えさせれば、利発な子だからすぐに強くなるだろう」
エイドはそう思い、試しにやってみたら、ブレイズが勝ってしまったのである。 エイドはチェスの妙手でもあったので、思わず驚きの声をあげた。
ブレイズは小さな屋敷故、暇なことも多く、暇さえあればエイドと客人の試合を眺めていては学んでいた。
ある時、エイドのある癖を見抜き、自分なりに工夫した戦術と合わせ、それを用いたので勝利したのである。
エイドはその事を知ると怒るどころか素直に喜んだ。
「トンビが鷹を生むというのは、正にこの事だ。いや、大鷲かもしれんな」
エイドはトンビ呼ばわりしたブレイズの父親の下男を呼ぶと「今後、一切の家事をブレイズにさせないように」と命じた。
下男の父親は驚いて
「とんでもねぇ話です。あっしの給金だけで、かかぁと目一杯ですぜ。こちとら干上がっちまいますわ」
と言うので、その分の給金の倍を出すと言うと下男である父親は大層喜んだ。
「願ってもない機会だ。これから大いに学んで、大志を成就させよう。エイド様への恩義に報いるためにも」
ブレイズは素直にそう思うとエイドにもそれが通じたのか、妻も呼んでささやかな祝賀会をした。
エイドはそれ以降、ブレイズに対してチェスだけでなく、様々な学問を講義した。
戦術と戦略が主なのだが、統治の仕方なども学ばせた。
エイドはその時の自分よりも、身分は低いが同じような境遇を持つブレイズを我が子のように思い、可愛がったのである。
ブレイズの青く氷のような瞳は、知的で野心に富み、猛禽のような鋭さも持っている。
エイドは時折、空恐ろしく感じる時もあったのだが、それ以上にブレイズの将来が楽しみで仕方なかった。
ある日のこと、エイドはブレイズに悪戯心をおこして、意地悪な質問をしてやろうと思い
「一番良い勝利とは何か?」
と訊ねた。するとブレイズは間髪入れずに
「戦わずして勝つことです」
と答えたのでエイドは驚いた。
「大勝することだ」という返しを期待していたからである。
どのように、と更に聞くと
「状況にもよりますが・・・」
と言葉を濁し「正確な情報が少ない上で答えるのは愚者の典型」と言い放ち、例を一つずつあげていっては持論を展開した。
「この若さで、これ程とは・・・将来が楽しみどころか、末恐ろしい男になるであろう」
流石に少し恐ろしくはなったのだが、現時点ではあどけない少年である。
なのでエイドは
「君の利発は、わしも舌を巻くほどではある、が無闇やたらに自慢してはならんぞ。それが命取りになる場合もある」
と諭したので、ブレイズは笑顔をピタリと止め素直に
「肝に銘じておきます」
と返した。
だが実はブレイズはエイドだからこそ、手の内を明かしたのであって、他の者であれば明かさないつもりだった。
エイドはこのブレイズを、息子夫婦の良き家臣として、教育しているつもりだったので、ある時ブレイズにこう言った。
「このわしの我儘であるのは重々承知の上だが、将来は我が息子夫婦の良き相談相手になってくれないだろうか?」
ブレイズはその方が、自身の出世の道を開けると思い、こう返答した。
「願ってもいないお言葉です。しかし、畏れながら、どのようにしていけば良いのか、ご助言願いますか?」
と、ブレイズが言ったので、エイドもそれも当然と思い、こう答えた。
「息子夫婦の妻なのだが、現国王の姪でな。先代の娘でもある。気位は高いが、根は優しい方だ。それと息子は頭が上がらないから、それを利用すると良い」
と、答えると今度はブレイズが、エイドには考えてもいなかったことを平然と述べた。
「エイド様の息子夫婦様方には、ご令嬢はいらっしゃいますか? 私に貰えるのでしたら、必ずや立身出世した上で、お幸せにしたいと思いますが」
ブレイズは無礼者呼ばわりされる覚悟で言ったのだが、エイドは驚いた後に大笑いして
「娘は二人いるが、どちらもお前さんより年上だ。一人は婚約しているが、もう一人はまだのようだからな。見込みはあると思うぞ」
と愉快そうに言った。
ブレイズは早熟のみならず、立身出世のためには血縁によるコネが必要と、常に痛感していた。
というのも、エイドの奥方は平民であるが、侯爵になれたのには「息子に国王の姪を貰い受けた」という手順があり、それを酒に酔っては愚痴のように
「息子には好きな女がいたのだが、自分の我儘ですまないことをした」
ということを常に聞いていたからである。
エイド本人は他人がいる前ではそのような事はしないのだが、ブレイズの前だと気が緩むのもあるせいか、つい本音が出てしまうのだ。
ブレイズはそのような愚痴を聞く度に
「息子とやらは、逆に運が良かったのだ。立身出世の機会を、たかが女のために棒に振るなんぞ、俺は御免だね。それと俺が孫娘を貰った方が、エイド様も喜ぶに違いない」
と、常々思っていた。
王家の血筋なら容姿もそれなりに見れるであろうし、例えブスであっても道具みたいなものだから問題ないのである。
この世界での女性の地位は低い。
それに一夫多妻は、それなりの地位があれば認められる。
現代日本に置き換えれば、確かに歪んだ思想にも思えるが、この世界ではそんな事をブレイズが思っても、そう不思議ではない。
野心家でもあるブレイズには、エイドの息子の恋の破局なんぞは馬鹿馬鹿しい以外の何物でもないのである。
そして、エイドへの忠義心はあるが、王国に対してはそれ程、いや全くなかった。
この点においてはエイドが、ブレイズを見誤った唯一のものである。
エイドはそのような事は露知らず、ブレイズのためにと、一流の剣士をブレイズにひき会わせて、武術をも学ばせた。
戦場に出るからには、武術にも秀でていなければならなかったのは当然なので、ブレイズも喜んで指導を受けた。
その剣士もまたブレイズの上達ぶりは、目を見張るものだと舌を巻き、エイドへの義理もある人物であったので、エイドへの恩返しと言わんばかり、ブレイズに指南をしていった。
またエイドは、様々な学問の専門家を呼び寄せては、ブレイズに指南させた。
水を得た魚のように、どんどん上達をしていくブレイズであったが、比例するかのように野心というものも次第に肥大化していった。
そして時は流れ、アンヘルが山を下りる頃になると、既に成人していたブレイズは、全てにおいて洗練された男となっていた。
会話も流暢で、声は若干、年の割に低いが、それは逆に女心をくすぐり、街では評判の伊達者として憧れの的になっていた。
ある時、ゴロツキが数人で喧嘩を売ったのだが、事もあろうかゴロツキ全員を殺してしまうという事件があった。
エイドの口添えもあり事なきを得たが、エイドは流石にこれには立腹し、ブレイズに問い詰めようとした。
「相手はゴロツキと言えど複数だ! なのにお前は何故、そのような危険なまねをしたのだ!?」
するとブレイズは悲しそうな目でエイドを見て
「私の恥であれば、すぐに逃げることを選びました。しかし、エイド様にまで臆病者の汚名を被せたとしたら『死ぬほうが良かれ』と思い、したまでのことです」
それを聞くと、エイドもどう怒って良いのか分らなくなった。
故にエイドは仕方なく、この件を不問にしたのだが、ブレイズは
「エイド様も齢をとったせいか、ちょろいもんだ。俺があんな連中なんぞに、やられる訳がないのを、知らぬ訳ではあるまいに」
と、何処吹く風に内心思っていた。
というのもゴロツキは痛めつける程度、と思って取り囲んだのだが、一人がいきなり殺されたので、逃げ腰になった所を更に追い討ちをかけられて、無残に斬り殺されてしまったのである。
ブレイズは微塵も情け容赦はなかった。
死んで当然の奴らを殺しただけに過ぎない。
それはゴブリンだろうが、ゴロツキであろうが同じなのである。
だが逆に街ではそれが評判となった。
さらには、街の警ら隊長や街の顔利きにも賄賂を贈って影響力も高めていった。
エイドは隠居してはいるが、侯爵の父親である。
権威が全く落ちた訳ではない。
そのエイドに一番信頼されているのは、街全体でも知られてもいた。
それに今回の騒ぎで、更に武名を高める結果になっていったのは、中央の権力闘争から逃れるように隠居したエイドからしてみれば、皮肉でしかない。
だが、エイドとしては、今や我が子以上に思える存在となったブレイズに、何かしらの手助けをしてやりたいという願望が芽生えてきた。
ブレイズの街での評判は高まる一方で、エイドは息子の妻である国王の姪にブレイズの騎士叙勲の口添えをするよう、書状で頼み込んだ。
数日後、返事が来たのだが、その返事にはこう書いてあった。
「最近、地方の街でエイド様のご威光をかさに、つけあがる者を叙勲する手助けとするは王家の恥となる故、ご容赦願いたい」
他にも中傷と思える文言が幾つも書いており、エイドは失意どころか怒りすら覚えるほどであった。
「確かに最近は、やや傲慢不遜に見えるフシはあるが、ここまで言われる筋合いはない。大体、会ったこともないのに噂だけで何故、そう判断できるのだ!」
エイドはそう言うと返事を破り捨て、暖炉に投げ捨ててしまった。
実はこれには理由がある。
姪である彼女には数人の家来も、彼女が嫁に来た際に同行してきたのだが、その者達はブレイズの街での評判を聞き、家来に取り立てたてられることを怖れ、姪である彼女にこぞって讒言を弄し、吹き込んだのである。
ブレイズはその事をエイドから聞くと、心中では激怒したが穏やかに
「仕方ありませぬ。向こうには向こうの事情もあるでしょう。私は元々、下男の身です。筋道を通して、勲功を積んでからでも遅くはないでしょう」
しかし、エイドはその穏やかな表情で諭すように言われると、逆に申し訳ないと思い、こう述べた。
「お前には何れ、息子の役に立って貰おうと思っておったが、息子の傍には佞臣しかいないらしい。わしが死んだら息子のことなんぞは忘れて、自分の道を進むが良い」
ブレイズは暫く、黙って考えた後に
「私はあくまでエイド様の下男です。故にエイド様が、身まかられる日までエイド様に付き従う所存です。ご迷惑かもしれませぬが、お傍に置いてください」
そう笑いながら言ったので、エイドは感激して一振りの宝剣を手渡した。
宝剣には魔法がかかっており、戦場では幾多もの、エイドの危機を救った業物である。
通常の剣とは違い、刃こぼれもしない上に、血がこびり付くこともない。
そして、何より自分の命の次に大事なものとして、息子には渡さずに肌身離さず持っていたものだ。
ブレイズは、この宝剣を棺の中に入れると言ったのだが、エイドはそれこそが不忠であると言ったので、申し訳なさそうにブレイズは受け取った。
しかし、ブレイズの心中は違っていた。
ブレイズは心の中で
「これを馬鹿息子の喉元に突き付けたら、どんな顔をするか楽しみでしかないな」
と、ほくそ笑んだが当然、それが表情に出ることはなかった。
それから一年が過ぎ、エイドは風邪をこじらせると老齢のため、床に臥せったままとなり、臨終を迎えようとしていた。
しかし、息子夫婦やその娘達は、見舞いにも来ない。
エイドは朦朧とし、ブレイズに息子と間違えるようになり、頻りに「すまない」と何度も懇願するようになっていた。
その様子を見る度、ブレイズは
「大恩ある父の見舞いにも来ぬとは・・・恩知らずの親不孝も、ここまでくると八つ裂きにしても物足りぬ」
ブレイズはあまり人に感謝などはしない性格だが、エイドに関してだけは殊更違っていたので、一層強く息子に対しての憤りを感じていた。
ついにエイドが臨終を迎えると、今までにないぐらいブレイズは泣いた。
人目もはばからず泣き続けた。
しかしそれは悲しみだけでなく、息子夫婦に対しての憎しみの涙も共に流していた。
やがてエイドの葬式となり、痩せ細って変わり果てたエイドを棺桶に入れていると、一人の若い女性が不意に現れ、エイドの遺体にすがって泣き始めた。
ブレイズはこの女を初めて見るので訊ねると
「私は孫娘よ! お前のせいよ! お爺様の臨終に間に合わなかったのは!」
突然の侮辱にブレイズは、何がおこったのか理解出来なかった。
「何故、俺のせいで来なかったのであろうか?」
不思議に思うと同時に、侮蔑の念を込めてその泣き崩れる女を見た。
「ふざけるなよ。俺はエイド様に見込められ、エイド様に喜ばれるように、今まで尽くしてきたのだ。だのに、何だって貴様ら親子は、今まで一度たりとも訪ねて来なかったのだ!」
ブレイズは孫娘と名乗る女に対し、殺意まで芽生えたが、我慢して平静を装った。
隣にはエイドの妻もいるし、他にも弔問客がいたからである。
エイドの妻は孫娘に対し、慰めてからブレイズにエイドの遺体を棺桶に入れるように命じると、ブレイズは黙ってそれに従った。
葬儀を無事終えると、エイドは質素な墓に入れられた。
「華美な墓はいらぬ」というエイドらしい遺言があったからだ。
孫娘と名乗る女は落ち着きを取戻し、ブレイズにお詫びをしたいというので、エイドの妻も交えて話すことになった。
孫娘と名乗る女はブレイズに
「先ほどは大変失礼しました。貴方の責任ではないのに、あのような事を・・・取り乱していたとは言え、申し訳ありません」
「いや、いいんですよ。しかし、解せないのは私のせいだとか・・・私は何のことだか分りませんので・・・」
「・・・それは当然ですよね。貴方には知りようがないのですもの・・・」
孫娘は次女フォルテと名乗り、こうなった経緯をブレイズに語りだした。
ブレイズが街で名を馳せてきたときに、家臣の一人がその事を聞き及んだ。
エイドがブレイズを取り立ててやりたいというのは、日頃から手紙で息子夫婦に宛てており、国王の姪である嫁に付き従ってきた家宰にとっては、自分の地位を脅かされると思うようになって、嫁に様々な讒言をしていた。
フォルテは半信半疑であったが、家宰と名乗る人物は、嫁に来た彼女にとって幼い頃から務めていた者だったので、全てを鵜呑みにしてしまっていた。
さらに、嘘が発覚するのを恐れて、家宰は事あるごとにエイド宅への訪問を止めるように申し、今日に至ったというのである。
フォルテは黙って家を飛び出し、葬儀に来たということであった。
「そういうことであったか・・・しかし、俺のせいではない。責任は確かにその家宰と一味にあるかもしれぬが、父を信じないようとせず、嫁の言いなりとなる愚者のような息子にも責任の一端はある」
ブレイズは内心穏やかではなかったが、フォルテやエイドの妻の前で柔和な笑顔を作りながらも、黙って聞いていた。
フォルテはブレイズの反応が予想と大きく違っていたので驚き、「怒っていないのか」と訊ねるとブレイズは
「こればかりは私が至らぬ故『エイド様には誠にすまないことをした』と恥じております。私が街で人を殺めたのは事実です。ですが、それは襲って来られたので致し方なくやったまで。しかし、このような事になり、このままではエイド様には謝るにも謝れませぬ。・・・しからば御免!」
そう言うやいなや宝剣を抜き、自分の首に押し当てて、今にも自害しようとした。
驚いたフォルテとエイドの妻は、下男や女中を呼んで必死に取り押さえようとした。
「お放しくだされ! 私は死んでエイド様にお会いし、侘びねばなりませぬ! お願いです! 私を憐れと思うのでしたら、死なせてください!」
当然、これはブレイズの狂言ではあるが、必死のブレイズの形相に誰も疑いの念はなかった。
ブレイズはエイドの妻に、優しく諭されると号泣した。この時もやはり演技であった。
だが、エイドがみまかった時も、既に本気の号泣をしていたので、やはり誰も疑わない。
フォルテはブレイズのことを、信用出来る人物とこの時、既に思い込んでいた。 この時に既に、種はまかれていたとはブレイズ以外の誰も知りもしなかった。
ブレイズは「暫く自ら謹慎したい」とお申し出て、エイドの妻もそれで気がすむならばと快諾した。
そして数日の後、ブレイズは暇を申し出た。
エイドの妻は何故かと聞くと
「ここではもう私の役目は果たしました。エイド様の恩に報いるには、どうすれば良いか、暫く旅に出て考えようかと思います」
と言うのでエイドの妻も
「貴方には充分お世話になりました。少ないですが路銀に使いなさい。ここは貴方の家みたいなものですから、何時でも帰って来なさい」
と言いブレイズと抱擁を交わした。
ブレイズはエイドの妻を真の良妻と思っていたので、涙を流した。
その涙は本物であった。
ブレイズは不思議な男で、野心溢れるだけと思いきや、変な忠義心もある人物だ。
取るに足りないと思った人間には容赦はしないが、惚れ込んだ人間には尽くし通すのである。
だが彼の理想は高く、彼の目に適う者は既にエイドがいない今となっては皆無に等しかった。
旅立つ前に、慣れ親しんだいつもの街に着くと有力者や知人に別れを告げた。
街の有力者達は「婿に来ないか」と誰もが誘ったがブレイズは笑って断った。
「俺はこんな田舎町で安穏に過ごすほど小者ではない。それに、いずれエイド様以上の武勲をあげて、エイド様の目が正しかった事を証明せねば申し訳が立たぬ」
そう自分に言い聞かせ街を去った。
「飢饉は既に過去のものだが、ゴブリンどもが大軍で押し寄せていると聞く。まずはそこで武勲を立てるのも良いであろうし、有能と思える奴がいたら知り合いとなっておくのも良いであろう」
ブレイズは、他にも
「よしんば、エイド様のツテで取り立てられたとしても、冤罪で牢獄にぶち込まれるやも知れぬ。無能や奴は俺みたいな者は邪魔だからそれぐらいの小狡い手段を講じてくるかも知れぬ。だからと言って無能どもに群れるのも御免だ。俺は俺らしく生きたいのだ」
ブレイズはそう思いながら宛もない旅路へと向かった。
猛禽は飛び立った。
野心を胸に抱え、大望を志し、来る乱世を望みつつ・・・。