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5 デビュー<感謝する>

路上ライブの日が迫る。

その前に練習をやることにした。

リョウ

「なに唄うか決めとく?」

ケイ

「その方がいいかもね。」

弾ける曲は今のところ7曲しかないコピーが5曲で、オリジナルが2曲だった。当然全部弾く。

ケイ

「これで何分くらいかかるかなぁ?」

リョウ

「ん〜、1曲5分としたら35分位?休憩とかいれたら、4〜50分位じゃね?」

ケイ

「約1時間かぁ、どうなんだろうね。」

リョウ

「まぁ、やってみなきゃわかんないしね。」

ケイ

「そうだね。」

初めての路上ライブなので2人はよくわからなかった。




[18時32分の電車だと思うから、それ乗って。]

リョウがケイにメールを打つ。


[あいよ。]


ケイから返事がくる。

ついに路上の日だ。

電車の中のリョウは緊張していた。

ケイの町に着く。

ケイが乗ったのが見えた。ケイに向かって手を振る。

リョウ

「うぃッス。」

ケイ

「いや〜、いよいよだね。」

リョウ

「俺、けっこーキンチョーしてんだけど。早くやりたいけど、なんか…。」

ケイ

「そう。俺、けっこー平気かも。」

ケイはいつもと変わらない様子だった。

O町に着くまでの時間が異様に長く感じた。


リョウ

「着いた〜!」

O町に到着する。時刻はちょうど19時だ。

ケイ

「あっち行こうか。」

下見の時に決めた場所に移動する。

ケイ

「どうやろっか?」

リョウ

「座ってやるしかないね。」

楽譜立ては用意していなかったので、曲が書いてあるノートをその場に広げた。

リョウ

「あー、超キンチョーしてるわ〜!」

ケイ

「やべぇ、俺もキンチョーしてきた!」

さっきとは違い、ケイも緊張していた。

ギターを取り出す。

リョウのギターはナチュラルで、ケイのギターはタバコといわれる色のサンバースト(この場合は中がオレンジっぽくて、外にいくにつれて黒くなっていく色の仕上がりのこと)だった。

リョウ

「やりますかぁ!」

テンション上がり気味で言った。

ケイ

「よっしゃ!やるかぁ!」

ケイもやる気満々だ。

カッカッカッカッ

リョウがピック(ギターを鳴らす為のもの)をボディに当て、リズムをとる。

最初の曲はオリジナル曲だ。

リョウ

「夏が〜…♪」


オリジナル曲が終わった。当然の如く観客はいない。でも2人はとても嬉しそうだった。

ケイ

「次、やろうか!」

リョウ

「なんか唄ったら、楽になったんだけど!」

2人の緊張はなくなっていた。

練習で決めた曲順通りにやる。路上ライブをやる人が珍しいのか、向こう側から見ている人や、歩きながら見ている人が多かったが、止まって聞いてくれる人はいなかった。時間だけが過ぎていき、20時を回った。

これが現実だ。今のレベルじゃ人は来ない。

その内容とは関係なく、2人は充実していた。

リョウ

「ついにデビューしちゃったね!」

ケイ

「キンチョーしたけど、なんか楽しかった!」

リョウ

「人は来なかったけどホント楽しかったよね!」

観客は来なかった、でも2人はついに路上デビューをはたした。

20時を過ぎると、人通りが少なくなった。電車から降りてくる人も少ない。

ケイ

「そろそろ撤収しますか?」

リョウ

「そうだね。帰んべっか!」

今日は終わりにすることにした。

駅のホームヘ向かう。

リョウ

「今日どうだった?」

早速聞いた。

ケイ

「内容はあんま良くなかったけど、初めてやったってゆうトコロが良かったね。」

リョウ

「準備不足ってゆーのもあると思ったんだけど、楽譜立てとかさぁ、いろいろ必要だったね。」

初めてだったので、何が必要なのかはわからなかった。今日やって気付いたことをリョウは言った。

ケイ

「他の人達とかってさぁ、どうやってんだろうね?」

リョウ

「見に行ってみる?」

ケイ

「どこでやってんのか知ってる?」

リョウ

「ケイちゃんの町でやってる人いたよ。」

ケイ

「マジで?じゃあ見に行ってみよっか。」

リョウ

「そうだね。」

デビューしたものの、2人には経験と情報が足りなかった。なので、他の人達がどんな感じでやっているのか、研究の為に見に行ってみることにした。



<感謝する>


作詞 ケイ


感謝する 感謝する 感謝する

感謝する 感謝する 感謝する

ここにありがとうと言う

人にありがとうと言う

僕にしかわからないけど

僕だけが知らなくちゃいけない

だから聞いていて

感謝する 感謝する 感謝する

感謝する 感謝する感謝する


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