4 始動!!!<はじまり>
リョウ
「いいねぇ〜。」
ケイ
「マジで!?ありがと。」
リョウ
「じゃあどのパート唄うか決めんベーか。」
新曲のパート決めを行う。
ケイ
「だんだんと曲が増えてきたね。」
リョウ
「そうだね。もう少しだね。」
コピー曲、オリジナル曲も少ないながらも、確実に増えつつあった。
ケイ
「路上の場所とかどうしよっか?」
リョウ
「そこが問題だよね〜。どうすんべ〜。」
ケイ
「俺のイメージではさぁ、なんか路上ライブとか誰もしてない場所で、そこから集めるっていうのがあるんだよね〜。」
リョウ
「ここら辺でどこかなぁ?」
ケイ
「O駅とかどう?」
ケイが具体的に場所を言う。
O町は、ケイの町から電車4つ行ったところにある町だ。
リョウ
「Oかぁ…。」
考えているリョウにすかさずケイが言った。
ケイ
「そこでやってみよう!」
突然だ。またしても突然なケイ。
リョウ
「1回、下見に行きたいんだけど。俺、降りた事ないからどんなかわかんねぇしさ。」
ケイ
「俺もわかんねぇや。そうだね、行ってみよう!」
次の練習の時に、2人はO町に行ってみることにした。
[17時40分のに乗るから、そっちに55分位に着くよ。]
リョウがケイにメールを送った。
今日はO町に下見に行く日だ。
(いい場所があればいいなぁ)リョウの妄想が膨らむ。
(人がたくさん来たらどうすんべー)そんな考えをしていると、ケイが住む町の駅に着いた。
ケイは乗ったのだろうか。そう思っているとメールがきた。
ケイからだ。
[何号車にいる?]
[11号車にいるよ!]
リョウはそう返信した。
しばらくするとケイがやって来た。
ケイ
「O駅、次だっけ?」
リョウ
「もうちょっとしたらだね。」
ケイ
「いいトコがあればいいね。」
リョウ
「そうだね〜。」
そんな話をしているうちに目的地に着いた。
リョウ
「意外と人降りるね。もっと少ないかと思った。」
ケイ
「俺も初めて降りたからさぁ、…こんななんだぁ。」
リョウ
「外でてみんベ!」
改札を出る2人。
駅前だが、そんなに栄えている感じではなかった。
リョウ
「コンビニとかないんだね。」
ケイ
「そうだね。売店があるからじゃね?」
リョウ
「とりあえずよさ気な場所探してみんベーか。」
周辺を歩いてみる。
駅前にあるのは、タクシー乗り場やバス乗り場、パン屋やちょっとした食事処がある。
少し歩くと、学校などがあり、有名な海水浴場もある。
リョウ
「やっぱ、やるなら駅前がベストだね。」
ケイ
「駅前のほうが人通りが多いもんね。」
リョウ
「どこら辺でやる?」
ケイ
「そうだねあっちの方は。」向かい側の道のちょっと広がっている門の前を指差した。
その場所に移動する。
駅の近くだが、向かいの道ということもあって人通りは少なくなった。
リョウ
「いいね。ここでやってみよっか!」
リョウは賛成した。」
ケイ
「そうしよう!」
言い出したケイもこの場が気に入った。
人に聞いてほしくてやるのに、人通りが少ないトコを選んだ。
完全に矛盾している。
まだ人前で唄うことが恥ずかしいのだ。
リョウ
「じゃあやってみよっか!今度!」
ケイ
「帰ろっか!」
いよいよ路上にデビューする。まだ曲数は少ないし技術も低いが、やってみることにした。
<はじまり>
作詞 リョウ
今日はツイてなかっただけさ
明日からはイイことがあるはず
今日はたまたま運がなかっただけさ
だからもう眠ろう
きっと神様が与えた贈り物なんだ
そう思えばヤなことも嬉しくなる
明日からが君の始めの一歩
新しい君のはじまり はじまり
そして
明日からは僕も始めの一歩
新しい僕のはじまり はじまり