32 緊張する?<テレフォン>
ライブはいったん休憩に入った。休憩中はテツロウさんとシンゴさんのトークで間を繋ぐ。
テツロウさん
「いや〜、あっという間に休憩に入りましたねぇ。この時間は僕ら2人のトークタイムです。」
シンゴさん
「夏のフェスに常連のバンドが主体ですけど、イベント初参加のグループが冬は多いですねぇ。」
レッドパープルを含めた4組が初参加らしい。
シンゴさん
「ここに集まってくれた人は、もちろん観客の方々を含めて、最初は見ず知らずの他人じゃないですか。でも、こうゆうイベントがあって集まれる、ライブがあってきっかけが生まれる。ホントッ音楽って素晴らしいですよね!」
テツロウさん
「いいこと言ってたけど、最後なんか聞いたようなフレーズだなぁ…。映画…?」
シンゴさん
「まぁそれは気にせず、後半戦いきましょう!」
テツロウさん
「…そうですね。気になるけどそうですね。」
後半の組にワサビは入っているが、トリ前なのでまだまだ時間はあった。テツロウさんとシンゴさんのアルマジロも聞きたかった。
ステージでは後半、最初のグループが準備をしている。
ケイ
「ユウカさんちどこにいんのかなぁ?」
リョウ
「ん〜、まだ出番じゃないからねぇ。」
そんな話をしていると、前からコウキさんがやって来た。
コウキさん
「お疲れ!うまいじゃん!」
リョウ
「コウキさんほどじゃないスよ。」
コウキさん
「ははははは!でもほんと良かったよ。」
ケイ
「ありがとございます。コウキさん、ユウカさんち見なかったッスか?」
コウキさん
「ユウカさん…。あぁ、ワサビね。裏にいたよ、たぶんまだいるんじゃない?」
ケイ
「そうッスか。あざッス。裏、行ってみる?」
リョウ
「そうだね。まだ出番まで時間あるけど、行こっか。」
2人はステージの裏にある建物に向かった。
そこには談笑しているワサビのメンバーがいた。
アツさんが2人に気付く。
アツさん
「おぉ!何やってんのさぁ。こっち来なよ。」
ケイ
「実は探してたんスよ。」
ユウカさん
「えっ?なんで?」
ケイ
「いや〜、まだ出番じゃないッスけど、ちょっと応援的な…。」
ユウカさん
「応援って、ウチらの?ハハッ!ありがと。」
リョウ
「準備とかあるから、早めにいっとこうと思って。」
ユウカさん
「そうなんだ。ありがとね!」
いつものテンションで言った。
リョウ
「ユウカさんって、あんま緊張とかしないんスか?もう慣れたとか?」
リョウはユウカさんにたずねた。
ユウカさん
「緊張はするよ。まだ出番が近くないからあんましわかんないだけだよ。」
リョウ
「そうなんスかね〜。あんまわかんないッス。」
ユウカさん
「そっかぁ。ん〜、そうだなぁ、やっぱり大舞台に立つとするんだけど、ガチガチに緊張しちゃっていつも通りのパフォーマンスが出来ないのって勿体なくない?緊張するのって大事だと思う。自分に気合いが入ってるなぁみたいのを感じられるんだ。でも、しすぎちゃうと大変なことになっちゃうから気をつけてる。そうならないように意識してる。ま、難しいけどね!」
トモさん
「おー!かっけ〜!ドキュメンタリー番組っぽかったよ、今。」
ユウカさん
「ウッサイ!」
トモさんが茶化しながら言うと、照れながらユウカさんは言った。
ヨシさん
「そろそろアルマジロじゃねぇ。」
久しぶりに喋ったヨシさんにみんなが反応した。
アツさん
「出番近いけど、ちょっと見に行こうかぁ。」
みんなイスから立ち上がりステージの前に向かった。
<テレフォン>
作詞 リョウ
珍しく早く終わった今日のバイト
これからどうしよう
やることも特にないな
あぁ憂鬱だな
どっか行こう
一人で行くのもなぁ
そうだ電話をしよう
みんなを呼ぼう
君に届く電波
君の手を掴んだ
君に届く電波
君の手を掴んだ
珍しく雨上がりの虹を見た
空に七つの色
一瞬の出来事
心におさめよう
みんなも見てるのかなぁ?
そうだ電話をしよう
みんなに言おう
君に送る電波
君の手を掴んだ
君に送る電波
君の手を掴んだ
どんなに遠くにいたって
どんなに近くにいたって
光の糸が君を探すよ
光の糸が君を見つけるよ
君に届く電波
君の手を掴んだ
君に届く電波
君の手を掴んだ
君に送る電波
君の手を掴んだ
君に送る電波
君の手を掴んだ