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27 ゴミ拾い

ケイ

「こんなイベントがあるなんて知らなかったの?」

リョウ

「まったく知らなかったよ。」

今日はプレイベントのゴミ拾いの日だ。リョウの家で集合時間まで時間を潰していた。

ケイ

「つーか、曲どうしよっかぁ?」

リョウ

「そうだよねぇ。そろそろ決めとかないと、ライブに向けて練習もやってかないとまじぃね。」

ケイ

「新しい曲で揃えとく?それとも、自信のある曲でいっとく?」

リョウ

「1曲はエコ的な曲入れるんだっけ?」

このイベントの主旨にそって、ステージで歌など披露するグループは、一つは入れなければいけない決まりになっていた。

ケイ

「エコ的な曲かぁ…。あったっけ?」

リョウ

「微妙かも…。」

集合時間が迫ってくる。

ケイ

「とりあえず行こうか。」

リョウ

「そだね。」

海に面しているリョウの地元。今日のゴミ拾いは、海沿いを歩きながらゴミ拾いをする。

リョウの車に乗り込む。

集合場所ヘ向かった。


集合場所の駐車場になっているところに着くと、イベントの出演者はすでにけっこう来ていた。

リョウ

「アレ?遅刻っぽい?」

ケイ

「いや、まだ時間過ぎてないよ。」

車からおりる。

リョウ・ケイ

「こんちはーッス!」

まずシンゴさんが気付いた。

シンゴさん

「おぉ!ありがとねー!」

そこには、ワサビのメンバーも全員揃っていた。

トモさん

「よぉ!久しぶりじゃん!」

リョウ・ケイ

「こんにちはーッス!」

ボランティアの人達も集まり、テツロウさんが今日の説明をする。

テツロウさん

「えー、ではそろそろ始めたいと思います。じゃあ、一人1枚ゴミ袋とゴミばさみを持ってもらって、ここの半島を歩きながら落ちてるゴミを拾ってもらいます。それで、燃えるゴミ、燃えないゴミ、カン、ビンにちゃんとわけて拾ってください。じゃあ今日はよろしくお願いします!」

長い行列が海沿いを歩く。

リョウ

「俺、燃えるゴミ拾うわ!」

ケイ

「じゃあ俺は燃えないゴミね。」

落ちてるゴミを拾う2人。

タバコの吸い殻、吸い殻、吸い殻、紙クズ、吸い殻…。

リョウ

「燃えるゴミっつーか、吸い殻ばっかじゃねぇかっ!」

ケイ

「いや〜、ヒマだなぁ。」

リョウ

「こっち選ばなきゃよかった…。」

トモさん

「ホントだよな〜。」

後ろにはワサビのメンバーが歩いていた。トモさんも燃えるゴミ担当だった。

リョウ

「トモさんもッスか?」

トモさん

「そうだよ!俺ばっかでこいつらなんもねーんだよ!」

ユウカさん

「そんなことないでしょ。私の袋入ってるよ。」

見ると、空のペットボトルが何本か入っていた。

ヨシさん

「とりあえず行くベ。」

久しぶりにヨシさんがしゃべった。みんなまた歩き出した。

ゴミは至る所に落ちていた。

吸い殻、お菓子の紙の容器、汚くなった新聞紙にダンボール。すべて燃えるゴミ。

リョウ

「トモさん燃えるゴミ落ちてますよ。あっ、そこにも。あっちにも。」

トモさん

「…オメーも担当だろうが。」

リョウ

「バレたか。」


歩き続けていると、海岸に出た。地元では有名なM海岸。

リョウ

「M海岸なつかしいなぁ〜。ん〜、マイナスイオン出てるな、こりゃ。」

ケイ

「出てないから。絶対出てないから。」

ヨシさん

「たしかに。感じる。」

ケイ

「いや、出てないッスよ…。」

海岸は燃えるゴミだけではなく、いろんなゴミが落ちていた。中には、なんでこんなものが?、と思うようなものも落ちていた。

海岸でみんなゴミを拾う。岩に挟まったゴミを拾う。砂に埋もれたゴミを拾う。貝ではなくゴミを拾う。

コウキさん

「こんなん出ましたけど。」

コウキさんが、ばかデカイ、変な、何でできてるかわからないような、ってかゴミなの?的な、ばかデカイゴミを拾ってきた。

ケイ

「すごいッスね!」

コウキさん

「いや、大変だったよ!すげぇ重てぇ。」

ケイ

「ハハハッ!」

コウキさん

「君、前にライブ見に来てくれたことあるよね?君の相方と。」

コウキさんは覚えていた。

ケイ

「はい!今、自分らも路上やってるんスよ。」

コウキさん

「そうなんだ!じゃあ来週のイベントも頑張ろうぜ!」

ケイ

「はい!」


テツロウさん

「本日はプレイベントのゴミ拾いにご参加いただき、ありがとうございます。えー、来週は毎年、夏にやっているコンサートを冬にもやるので、今日来て下さったボランティアの方々もぜひ見にいらして下さい。出演者の方は渡した紙に内容が書いてあるんで、当日はお願いします。今日はありがとうございました!」

ライブ、来週に迫る。

でもまだ何を唄うのかも決まっていなかった。


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