26 説明会
簡単に教えてもらった内容をもう一度聞く。
テツロウさん
「目的は緑を増やそうみたいな感じなんですけど今、環境破壊とかで自然がなくなってきてるじゃないですか、それでこの考えに賛成してくれる人達が出店やったり、ステージで歌とかを披露してくれたりして、その売り上げを森林育成の為の募金に寄付するのを毎年夏にやってたんですけど、今年からは冬にもやろうってゆう案がでまして、こうして集まってもらったわけなんです。で、ステージの持ち時間は1バンド、20分で、その中でセッティング、曲などやってもらいます。」
テツロウさんはみんなにわかりやすく説明してくれた。
シンゴさん
「じゃあ次に、唄う順番を決めるんで…、えーっとどうしよっか?」
テツロウさん
「ジャンルでわけとく?」
シンゴさん
「そうしようか。」
何やらこそこそと話し込んでいる。
シンゴさん
「…えーと、じゃあアコースティック系と、エレキ系みたいな感じでわけるんで、自分達のグループがどっちなのかこのホワイトボードに書き込んでください。両方な感じのグループは真ん中でお願いします。」
テツロウさん
「ちなみにアルマジロは…アコースティック、と。」
テツロウさんはアコースティック系の欄に名前を書き入れた。
アコースティックの欄と、エレキの欄にグループの名前が書き加えられていく、だいたい半々くらいだった。
ケイ
「エレキ系って、ロックとか激しいってことかなぁ?」
リョウ
「そうじゃね?」
ユウカさん
「私が書いてくるわ。」
ユウカさんが立ち上がる。
順番はワサビの番になっていた。
ワサビ。
カタカナの文字が真ん中に書かれる。
リョウ
「アコースティック系の曲とかもあるんスか?」
リョウはアツさんに聞いた。
アツさん
「そうだねぇ。あるねぇ。」
ユウカさんが戻ってくると同じくらいにケイが立った。
ケイ
「俺行ってくんよ。」
アコースティックの欄にレッドパープルという名前が入る。
シンゴさん
「後は来てないグループはだいたいどんなジャンルかわかるんで…、ん〜と、半々くらいになりましたね。」
ほんとにちょうどくらいにわかれていた。
シンゴさん
「じゃあ次は唄う順番を決めますんで、10組いるんでアコ系とエレキ系が交互になるような感じにしたいんで。あっ、最後はこのイベントのオリジナルバンドのオリヅルなんですけど、えー、誰か立候補する人いますかね?特にトップバッターを…。」
一番最初は一番やりたくなかった。
回りのグループも黙っている。ただ一人を除いて。
コウキさん
「俺やります!」
手を挙げたのは、ソロで路上ライブをしているあの人だった。
シンゴさん
「おっ!やってくれる?いつも悪いねぇ。」
えっ、いつも?常連で、毎回トップバッターなのか?
ケイ
「あの人って、常連なんスか?」
ケイはユウカさんにたずねた。
ユウカさん
「コウキ君は夏のライブよく出てるよ〜。」
アツさん
「毎回のように最初だよなぁ。」
ケイ
「そうなのかぁ。」
徐々に順番が決まっていく。
ケイ
「どうする?なに唄うかも決まってないし…。」
リョウ
「う〜ん、どうしよう。」
テツロウさん
「レッドパープルさんはどうかな?」
突然、声がかかる。
リョウ
「えっ、あっ、ん〜…、時間とかってわかりますか?やる時間みたいな。」
テツロウさん
「あー!時間ねっ!えーと、そうですねぇ、いろいろ準備とかあるんで、集合は午前中ですけどやるのは15時を予定してますね。」
リョウ
「そうなんですか。えーと…。」
悩むリョウ。
テツロウさん
「真ん中辺りが今、空いてるんだけどいいですかねぇ?」
リョウ
「どうする?そこにしとく?」
ケイ
「いいんじゃない?」
リョウ
「じゃ、お願いします。」
テツロウさん
「わかりました。ありがとうございます。」
なんとか順番が決まった。
1 コウキ
2 Magic Music
3 ゼブラ
4 レッドパープル
5 Smoke
休憩
6 ゆりかご
7 僕、無ー理ーズ
8 A Piece Of Cake
9 アルマジロ
10 ワサビ
11 オリヅル
レッドパープルは4番目、ワサビはオリジナルバンドを除けばトリだった。
すげぇ。2人は思った。
テツロウさん
「順番も決まったところで、本番は2週間後の日曜なんですけど、次の週の日曜日にプレイベントとしてゴミ拾いをやりますんで、基本、全員参加なんでお願いします。」
あらかじめ渡されていた資料を見ても書いてあった。
場所 M町。
M町はリョウの地元だ。
リョウ
「M町!?ここでやんの?」
ユウカさん
「どしたの?」
リョウ
「ここ俺の地元なんスけど、こんなイベントがあったとは…。」
ケイ
「じゃあ本番はリョウちゃん家集合ね!」
衝撃的な事実を知って、会議は幕を閉じた。