25 冬のイベント
ケイはユウカさんにメールを送信した。
内容はこうだ。
[ちょっと聞きたいことがあるんスけど、アルマジロっていうグループのテツロウさんって人から、ライブ出てみない?って誘われたんですけど、なんか知ってますか?]
すぐに返ってきた。
[ライブって冬のフェスでしょ!ケイ君ちも出るの?ワサビはもちろん出るよ!!]
ワサビも誘われているらしい。
夏のライブはけっこうやっていて、ワサビも何度も出ているらしいが、冬は今年かららしく、アコースティック系のグループを探してると、ユウカさんはテツロウさんが言っているのを聞いたらしい。
ライブの目的は、いわゆるエコ。屋台などもでて売り上げの一部が森林の育成にと寄付される。
その主旨に賛同してくれたグループがステージで歌などを披露する。
テツロウさんはその実行委員らしく見た目若いが、けっこう年上らしい。
ケイはリョウにメールをした。
[とりあえず話し合いがあるから、それ行ってみよう!]
しばらくすると、リョウからの返信が。
[了解!]
話し合いに行ってみることにした。
渡された紙に書いてある場所に行ってみた。
意外と、ケイの家の近くだった。
公民館らしきところ。
自動ドアのところには、このことを教えてくれたテツロウさんの姿があった。
テツロウさん
「おぉ!来てくれたんだ!」
ケイ
「どーも、来ました!」
テツロウさん
「2階に上がって、すぐ左に会議室があるからそこ行っといて。」
リョウ・ケイ
「はい!」
階段を上がると、すぐ左に会議室があった。
ドアの前には誰かが立っている。
その人に話し掛けてみた。
リョウ
「すいません、ライブの話し合いがあるって聞いたんですけど、この部屋でいいんですか?」
男
「そうですよ。どうぞ中に。」
部屋の中はこのライブに出る人達なのか、何人かはすでに来ていた。
その中に、ワサビのアツさんとユウカさんがいた。
ユウカさん
「2人とも!」
手招きするユウカさん。
リョウ
「おぉ。もう来てるし。」
ケイ
「あっち行こう。」
2人はユウカさんたちの隣に座った。
アツさん
「久しぶりだよねぇ。なんかさぁ。」
リョウ
「そうッスね。飲み会以来ですね。」
ユウカさん
「ライブでるよね?」
ケイ
「出ると思いますよ。」
ユウカさん
「出ると思うって、まだ完ぺき決まりじゃないの?」
ケイ
「この話し合いを聞いてから決めようかなって、ほとんど出るッスけどね。」
ユウカさん
「そーゆーことね。」
テツロウさんとドアの前に立っていた男の人が入ってきた。
テツロウさん
「えーと、まだ全員来てないんですが、時間なんで始めたいと思います。まず私から自己紹介します。このイベントの実行委員のテツロウといいます。このライブでも、アルマジロっていうグループで出るんでどうぞヨロシク。」
次にテツロウさんの隣に座っていた男の人がしゃべりはじめた。
ドアの前にいたひとだ。
シンゴさん
「同じく、実行委員のシンゴです。僕もここにいるテツロウと一緒に出るんでよろしくお願いします。」
2人はコンビを組んでいるらしい。
テツロウさん
「じゃあ僕から見て右側に座ってる人から自己紹介お願いします。名前と、バンド名と、ボーカルならボーカルみたいな感じで言ってください。」
次々に自己紹介がされていく中、一人の男の人が大きな声で言った。
コウキ
「どーも!コウキです!よくO町で一人で路上ライブやってます!よろしくお願いします!」
一度見に行ったことのある人がいた。
(この人も出るんだ…)
リョウは思った。
アツさん
「ワサビのアツです。担当はギターとコーラスです。よろしくお願いします。」
ユウカさん
「同じくワサビのユウカです。ボーカルやってます。お願いします。」
次はいよいよレッドパープルの番になった。
リョウ
「えー、レッドパープルのリョウと言います。自分らも路上ライブなどで活動してます。お願いします。」
ケイ
「レッドパープルのケイです。担当はギター、ボーカル、ハープです。よろしくお願いします。」
テツロウさん
「ありがとございます。じゃあ初めての人も、何度かやってる人もいるんで、このイベントの主旨を説明したいと思います。」