24 同業者からのお誘い<迷>
リョウ
「そろそろやりますかい?」
ケイ
「やりますか!」
2人はいつものようにO駅で路上ライブをしていた。
1人の通行人がよってくる。
そして2人の前で止まった。歳はちょっと上だろうか。
リョウ
「どうもー!レッドパープルです!」
軽く頭を下げるさきほどの通行人。
唄い出す2人。
唄い終わると、聞いていた通行人はしゃべり始めた。
テツロウさん
「僕も実は路上ライブとかやってまして、アルマジロのテツロウって言います。」
同業者だ。(仕事にしているわけではないが…)どう思ったのだろう。
リョウ
「そーなんスか。いきなりで悪いんスけど、どう思いました?自分らの歌…。」
テツロウさん
「いや、よかったよ。この駅前でやってるの見たことないから声かけたんだけど、オリジナルって何曲くらいあるの?」
ケイ
「そうッスねぇ…、20曲位ッスかね。」
テツロウさん
「けっこうあるね〜!路上やりだしたの最近でしょ?」
ケイ
「はい。最近ッスけど、練習とか結構してたんですよ。」
テツロウさん
「そっかぁ。じゃあ、オリジナル曲がけっこう出来てから、出てきたんだね。」
ケイ
「そんな感じッスね。」
テツロウさん
「実はさ、こうゆーこともやってんだけど見てもらっていいかな?」
2人にチラシを渡した。
真冬のフェス!!
冬にやってもいいでSHOW!
的な内容のチラシ。
リョウ
「これ…なんスか?」
テツロウさん
「いや〜、冬にライブやろうと思ってさ!音楽やってる奴らで集まってやるんだけど、毎年、夏にやってて冬は今年が初めてでさぁ、やろうかなと。」
ケイ
「へぇー、こんなことやってるんスか?」
テツロウさん
「そうなんだよねー。もうちょい先だけど、出てみない?」
リョウ
「そッスね。出てみる?」
ケイにたずねた。
ケイ
「面白そうだよね。出ようか!」
テツロウさん
「おぉ!出てくれる!?じゃあこの日に出演者で集まって順番とか決めるから来てね。」
チラシとは別に、集まるところの場所と時間が書かれた紙を渡された。
リョウ
「はい。わかりました。ありがとございます。」
ケイ
「ありがとございます。」
テツロウさん
「じゃあよろしくねー。」
そう言って、テツロウさんは行ってしまった。
ケイ
「なんかノリで出ますって言っちゃったけど、どうなのかなぁ?」
リョウ
「まぁ、集まるって言ってたからそん時詳しくわかるべ?」
ケイ
「ユウカさんとか知ってんかなぁ?」
リョウ
「そうだね。知ってそうだよね。」
ケイ
「俺、聞いてみるよ。」
リョウ
「ホント?ヨロシク〜!」
路上ライブが終わり、ケイはユウカさんにメールしてみることにした。
<迷>
作詞 ケイ
もう迷わない 迷いたくない
君を不安にさせたくない
迷わない 迷わない
揺るがないようにと決めた
みんな不安にさせたくなかった
そのこと胸に誓った
今を見失いたくなかった
選ぶ道がたくさんある
そのぶん迷うことになる
選択肢はもちろんいる
だけど迷わず決める
迷うことは仕方がないさ
それでもスパッと決めるんだ
君が選んだ答えだから
そこに間違いなんてないはずさ