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2 始動!<僕の夏>

リョウがケイにメールを送る。


[13時25分頃着きます]


返事が返ってくる。


[あいよ]


その位の時間に着くように電車に乗り、待ち合わせ場所に行く。


ブーン

しばらくして車が到着。紺色の軽自動車でマニュアル車だ。

ケイ

「ごめん。待った?」

リョウ

「今、来た。」

変わらぬやりとりで車はケイの家に向かった。


家に着き、居間に行く。今日はケイの姉が最初からいた。

リョウ

「おじゃまします。」

ケイの姉

「こんにちは。」

挨拶したところで、ギターの練習にはいる。

リョウ

「Fの音でるようになった?」

ケイ

「ん〜、微妙だけどでるようになったかな?」

リョウ

「じゃあ曲弾いてみて。」

ケイが弾いてみる。

ジャンジャカジャンジャカジャンジャカ…

リョウ

「弾けてんよ。」

ジャンジャカピャン…

今まで弾けていたFのところで音が鳴らなくなった。

ケイ

「最初はいいけど、だんだん指が痛くなってきて、最後の方になってくると鳴らなくなっちゃうんだけど。」

リョウ

「やっぱ慣れないとね。練習あるのみ!」

ケイ

「そうだね〜。」

リョウ

「まぁ1ヶ月位続けてたら普通に弾けるようにはなるよ。」

リョウが励ます。

ケイ

「いきなりなんだけど、俺、詞書いてみたんだけどさ、これに曲付けてみてくんない?」

リョウ

「えっ!?ホントに!?作曲したことないんだけど。」

突然の頼みに驚くリョウ。

ケイ

「俺、リョウちゃんと組んで路上ライブとかやりたいんだけど、ダメかなぁ?」

またしても突然言うケイ。

リョウ

「突然すぎるよ。ちょっと考えさせて。」

練習を終わりにして今日は解散することにした。

電車に乗りながら、ケイに託された詞をリョウは見てみた。


タイトル<僕の夏>

(今、春だし…)リョウは思った。



作詞 ケイ

夏がもうやって来た 暑い夏 セミが鳴いている その声が何故か悲しく聞こえるのは 誰かに伝えたいんだろうか 夏に吹く風が君のことを思い出させるんだ 今何してる? 君に会いたい 違う場所にいるけれど 声を聞かせて


(初めてだけど、やってみるかぁ!)リョウは思った。

家に着き、早速曲作りにかかる。

(どうすればいんだろう…)やったことがない曲作りに戸惑うリョウ。

(とりあえずテキトーにメロディ考えて、それをコードに変えてみよ)

鼻歌をやってみる。曲はあっさり出来た。

「出来たぁ!完璧!」初めて作った曲にリョウは興奮した。自画自賛した。いい曲だと思った。CDにしたらミリオン突破すると思ったくらいだった。その曲を見ないでも弾ける位に練習した。

嬉しすぎてケイに出来たと電話で報告しようとした。

でもやめた。

メールにした。たかが1曲作っただけでテンション上がって電話したと思われたくなかった。メールならバレない。

リョウはメールを打った。


[曲、出来たよ。]


曲作りなんて朝メシ前ですよばりに普通の文を打った。

送信。


ブー

ケイのケータイがふるえた。

(メールか?)

リョウからだった。

ケイ

「もう!?はやっ!」口にだして驚くケイ。

ケイもメールを打つ。


[早いね!今度練習いつできる?その時聞かせてよ。]


リョウからそのメールの答えが返ってきた。


[明日はバイトだから、その次の日なら大丈夫!]


(明後日か、俺もFを完璧にしないと)ケイはそう思い、練習に取り掛かった。

ジャンジャカジャンジャカジャンジャカ

「ウルサーイ!!」

ケイの姉が怒鳴る。

ケイの姉

「今、何時だと思ってんの!?夜は弾くなよ!」

時刻、夜の22時。

さすがに近所迷惑の時間だ。

ケイはギターをしまった。

リョウの家でもそうだった。

「うるさいよっ!いいかげんにしなー!」

1階にいるリョウの母親が、2階の部屋にいるリョウに叫んだ。

リョウ

「おー!」と答える。(おかんの声の方がうるせーよ)同時にそう思った。


練習の日になった。

いつものようにケイの家で行う。

リョウ

「早速聞く?僕の夏。」

練習が始まりすぐに言った。

ケイ

「うん。聞かせてよ。」


ジャンジャカッカッジャカジャンジャカッカッジャカ

「夏がもう〜…。」



唄い終わるリョウ。

ケイ

「おー!すげー!いいじゃん!」

ケイもその曲に賛同した。

リョウ

「ちょっと高めになっちゃったけどね。」

家の時とは違い、こんな曲まだまだだよ的な言い方でリョウが言った。

リョウ

「一昨日言ってた事なんだけどさ…やってみよっか路上ライブ。」

ケイ

「マジで!」

ケイが驚く。自分から言ったのに驚く。

リョウ

「とりあえずケイちゃんは弾けるようになんないとね。頼むよ!」

ケイ

「はい。」頼りなく言ったケイ。

ケイ

「路上ライブするときって何が必要かなぁ?」

リョウ

「楽譜立てとかじゃね?あと、曲とか沢山弾けた方がいいべ。オリジナル曲もそうだけど、コピー曲とかもね。」

ケイ

「そうかぁ。大変だな。」

リョウ

「それより名前決めねぇ?コンビ名。」

ケイ

「いいねぇ。実は考えてたんだ。」

リョウ

「実は俺も。」

考えていることは一緒だった。

あの有名なフォークデュオに対抗して考えた、みかん、2人の名前を足しただけの、ケイリョウなど、どれもパッとしなかった。

ケイ

「なんかグッとくるものがないね。」

リョウ

「そう?このゲンガッキーズなんて良くない?」

ケイ

「だせぇ。」

2人は行き詰まってしまった。

リョウ

「今、名前考えてるんスけど、なんかないスか?」

その場にいたケイの姉に突然リョウが聞いた。

ケイの姉

「ん〜、レッドパープルとか。」

リョウが回りを見た後、

「俺っちのTシャツの色じゃないスかっ!」とつっこんだ。

リョウ

「…でもなんかカッコ良くねぇ!?どっかのロックバンドみたいでさぁ!」すぐに気に入った。ケイ

「そうだね!なんかいい!」何となくいいという理由で、レッドパープルが誕生した。

ケイ

「名前も決まったから次は曲だね。どうしよっか?」

リョウ

「オリジナル曲を頑張って作る!でもとりあえずはコピー曲とかを覚えるしかないね。」そう言って、持ってきた袋から、有名なコンビの曲が載っている本を出した。

リョウ

「俺、こんなの持ってるからみんなが知ってる曲選ぶベ。」

ケイ

「そうだね。選ぼう!」

リョウ

「練習も実際に外でやってみない?中と外じゃ違うと思うよ。この辺に民家とかがない場所とかある?」

ケイ

「あるよ。山に囲まれてる公園みたいのがあるけど家とかほとんどないね。」

リョウ

「ホントに!行ってみんべーよ!」

2人はギターを持って、車でその公園に向かった。

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