18 経験値<Color.>
ケイ
「フーッ…、リョウちゃん、一回深呼吸しよう。」
ケイが小声で言った。ケイは落ち着きを取り戻していた。
その提案にリョウも体がほぐれる。
リョウ
「オーライ。フーッ…スー…フーッ…。」
コンビはこうゆう状況のときはいいのかもしれない、決して1人ではないのだから。
(よしっ!)
リョウ
「今日は自分ら2人をこの場に招待していただき、本当にありがとうございます!自分ら2人はレッドパープルとゆうグループで路上ライブとかやってます!自分はリョウと言います!」
ケイ
「おいしいご飯もごちそうしてもらって、本当にありがとうございます!自分はケイといいます!歌のほうはまだまだかもしれないですけど、よろしくお願いします!ではまず最初はオリジナル曲を唄います!」
打ち合わせなどしていなかった。しかし、言葉がどんどんとでてきた。
落ち着いた結果だ。
オリジナル→コピー→オリジナルという順番でライブは行われた。
たった3曲だけだったが、そこにいた人たちは喜んでくれた。
スギヤマさん
「いや〜ありがと!ありがと!こんなことやったの今回が初めてだったからね、昨日のうちから張り切っちゃったわよ!」
スギヤマさんもそうだったのか。
リョウ
「こちらこそ今日はありがとうございました!」
ケイ
「ありがとうございました!」
2人は深々とお辞儀をした。
スギヤマさん
「またこうゆうのがあったら言うから、よろしくね!」
夏祭りはまだ続いていたが2人は先に帰ることにした。
ケイ
「これからうち行って反省会する?」
リョウ
「そうだね。今日どうだった?」
ケイ
「よかったよ。よかったけど…、やっぱ緊張しすぎてたから音程とか外したとことかあったし、まぁ…詳しくはうちで話そうよ。」
リョウ
「そうだよね。もう反省会始めちゃってんしね。」
ケイの家に向かった。
ケイ
「ただいまー!」
リョウ
「おじゃましまーす!」
いつも話し合っている場所にはケイのお姉さんが座っていた。
ケイの姉
「おかえり。どうだったの?」
ケイ
「別に。よかったよ。」
ケイの姉
「もっと具体的に言ってよ。リョウちゃん、どうだったの?」
リョウ
「20人くらいの前でやったんスけど、緊張しちゃって失敗したとこもあったんスけど、よかったッスよ。」
ケイの姉
「ふーん。よかったじゃん。」
ケイ
「今から練習するから、向こう行ってて。」
ケイの姉
「えー!いいじゃん、いても。」
ケイ
「じゃあ、あっちの方に座ってよ。」
ケイの姉
「冷たいねぇ、名付けの親だよ?あたし。」
ケイ
「親じゃねーじゃん、俺の姉じゃん。」
ケイの姉
「そうゆう意味じゃなくて…。」
リョウ
「まぁ、今日はやってよかったよね。」
(なんてのんきな…)
ケイはそう思った。
葉留沢でのライブは無事に終了し、またいつもの路上ライブに切り替わっていった。
今までにない大勢の前でのライブが今後の路上に繋がるかどうかはわからないが、レッドパープルにとって一つの経験として残ることは、確かなことであった。
<Color.>
作詞 リョウ
なにもかもできるようになってきた世界は
なんでもしていいわけじゃない
見分けがつかなくなっているけど
ホントは白黒ハッキリしている
今日はキレイなオレンジの
夕焼けが空に現れた
このオレンジ色を誰かが
同じ思いで見てるはず
違いはそれぞれあるけれど
元をたどればみな同じ
違いはたくさんあるけれど
流す涙はみな青い
その手を赤く染めないで
その手を赤く染めないで