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16 チャンス!<底辺>

最近の練習場所が葉留沢に変わってきていた。

いきいき広場に人がいてやれない、という理由もあるが、その場所が気に入ってきたというのもあった。

この前のライブでは人が来てくれた。これで今のところ3連続で来てくれている。

人数は1人だったが、オリジナル曲を聞いてくれた。


リョウ

「オリジナル曲で来てくれたの初めてだよね?」

ケイ

「たぶんそうだと思うよ。嬉しいよね!」

リョウ

「なんか、わかってくれたと思うと嬉しいね!」

ケイ

「人をたくさん集めるのもいいけど、リョウちゃんが言ってた自分達の歌をわかってもらいたいってゆうのがわかった気がするよ。」

リョウ

「1人だったけどさぁ、これから2、3と増やしていけたら素敵だよね。」

ケイ

「素敵だよね。」


素敵だよね…いい響きだ。


リョウ

「おっ、到着。」

葉留沢に着く。

リョウ

「ん〜〜。やっぱマイナス…」

ケイ

「またその言葉かいっ!」

体を伸ばしながらリョウ が言おうとしたアノ言葉に、ケイが遮るようにツッコミを入れた。

リョウ

「ふぅ。じゃあやろっか?」

いつもの場所に座り、いつものようにギターを弾く。いつものように時間が進む。

練習が前よりもっと楽しくなってきた。

演奏技術の上達により、路上ライブの観客数が増えたように感じる。実際はそうなのかわからないが、なにより楽しい!

自然と顔がニヤけてしまう。

他人が見ればちょっと気持ち悪いくらいだった。

スギヤマさん

「お疲れさん!」

スギヤマさん登場。

リョウ・ケイ

「こんちはーッス!」

スギヤマさん

「今日は暑いねぇ。」

確かに暑かった。

ケイ

「そッスね。」

スギヤマさん

「ところで今週の日曜日って2人とも予定とかあるの?」

リョウ

「いや〜、まだわかんないッスけど。どうしたんスか?」

スギヤマさん

「実はその日、葉留沢で夏祭りみたいなのがあってね、それで2人に何曲か唄ってもらおうと思ってねぇ。」

ケイ

「まじッスか!?」

スギヤマさん

「大丈夫?」

ケイ

「…ちょっとまだわかんないんで、わかったらすぐに言いますよ!」

スギヤマ

「そう!じゃあちょっと待ってて。」

そう言って、家の方に向かっていった。

ケイ

「俺は平気だけど、リョウちゃん平気?」

リョウ

「家帰ってみなきゃわかんないけど、日曜だから多分だいじょぶ。」

スギヤマさんが戻ってきた。

スギヤマさん

「じゃあこれ、連絡先ね。」

電話番号が書かれた紙をケイに渡した。

ケイ

「ありがとございます。わかったら連絡します。」


チャンスがきた。

たくさんの人の前でやれる。

ケイ

「わかったらメールしてよ。」

リョウ

「了解。休みだったらいいなぁ。」

ケイ

「なに唄おっか?やっぱオリジナル?」

リョウ

「そうだね。唄いたいね。」

ケイ

「何曲やっていいのかな?」

リョウ

「そんなにやれないベ。」

ケイ

「だよね。じゃあ2、3曲だとしたら…、1曲コピーで、あとオリジナルにする?」

リョウ

「いいよ!」

ケイ

「じゃあそれでいこう!」

リョウ

「とりあえず連絡すんわ!」

2人は解散した。


家に着き、リョウは早速ケイにメールした。


[休みだったよ!できるッス!]


ケイはその内容を見て、スギヤマさんに電話した。

しばらくするとケイからメールが返ってきた。


[いまさっきスギヤマさんに電話したら、11時頃に葉留沢にきてだってさ!]


リョウが返信する。


[了解!じゃあその前くらいに練習しとこっか?]


ケイからすぐに返ってきた。


[あいよ!]



レッドパープルを結成して初めての大舞台、そのことを思うとなかなか眠れないでいた。



<底辺>


作詞 ケイ


絶望の影を見た

暗く黒いおぞましい影を

悲劇の音を聞いた

耳をふさいでも聞こえてしまう


死神と出会った

目的は俺だったのか?

不幸の手紙が届いた

まさかこれは奴からなのか…

もうやるしかない

いまここは底辺だ

もう休みはない

駆け上がれ 駆け登れ


最低最悪この状態

小さなことがバカらしく見えた

ここで決心 やるべきことは

ひたすら上へ はい上がれ


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