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短編集  作者: 篶-suzu-
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7月20日、僕は部屋で1人

僕は体調が悪かった。今日の朝までは。

週末にお腹をくだしてから、なんとなく違和感のある体で臨んだ週明けの仕事日、吐き気が僕を容赦なく襲い、早退してから2日経つが、そのくらい経っているのだからやはり治っているのである。

しかしなぜ今日も休んだのか、そう、今日の朝、またお腹をくだしたのだ。我ながらか弱い体よのう。

そんなわけで、仮病なわけではないが妙に罪悪感のある平日の午後を過ごしている今である。

はっきり言って、明日が不安でしかない。

確かに僕は本当に具合を悪くして休み、医者で胃腸炎の診断を受けた。その診断により薬を貰い、吐き気止め、整腸剤、痛み止めを貰ってついさっき食後に当たる時間に飲んだ…何の矛盾もなく、怒られるようなことや悲しまれるようなことはしていないと断言できる。

それなのになぜ、こんなにも僕がこんな思いをしなきゃいけないのか、それは僕の仮説だが、胃腸炎の原因に行き当たる問題だと思う。

胃腸炎とはざっくり言えば胃腸の風邪で、風邪と同じように、何のウイルスによって引き起こされたかを特定しづらいものだ。もちろん思い切り腐っているものを食べたから、など、心当たりがあれば別の問題になるわけで、その僕の心当たりというのはストレスなのである。

そう、つまり僕はストレスによって吐き気や腹痛、下痢に至ったと考えていて、今、明日への不安を感じるのもストレスが原因だと考えているのだ。

それについての心当たりもある。僕は自分で言っちゃあ悪いが仕事場のエース的な存在だ。僕の勤めている支店の二番目の古株に当たるし、僕の担当している行程では1期生に当たる、仕事を作ってきた人物の1人だ。

そんな僕が抱える具体的なストレスは、人手不足による1人当たりの仕事量の配分の多さにあると思う。正直なところ、僕の勤めている会社は小さい。故に、多少ブラックだと言われるようなギリギリのラインに沿って行く他ないような会社だ。そこに不満はない。

ただ、それを補うにはどうするかと言えば個人の能力に委ねられるような仕事内容であることは確かであり、前述したように僕は古株でありその処理能力に期待されている。それは、多少ならスパイスだが、それが、多大だったからストレスになった。それだけのことだった。

僕はこうやって冷静に分析しているけれど、明日になったらまた仕事まじむりーやっぱ休んじゃおっかなーなんて過ってしまうかもしれない。そしたら今日は木曜日だし、1週間半も休めるとか凄くね??なんて馬鹿なことを考えそうだ。

しかし、それはつまりこの1週間ずっと同僚に僕の穴埋めをさせているのに代わりはなく、また次誰かが倒れたら、今以上の辛さを彼ら彼女らにのしかけることになるだろう。明日行かないのは、もはや完全に仮病だ。

怖くても行こう。みんなに謝罪して回ろう。トイレにこもって出られなくなっていた昨日とは違う、本当に食べられなくなっていた一昨日とはまるで違う、食べ物を見るだけで吐き気を催していた一昨々日とは全く違うのだ。

僕はできる。なんたって僕は会社のエリートで、あんな小さな会社のエリートで、あんなブラックな会社のエリートだけど、みんなで頑張れるような会社の一員だ。そこに誇りを持とう。

部屋を出よう。明日の準備でもしようかな。む、急に立ったらなんだかくらくらするな…お、麦茶がある、一杯飲もう。…これで明日、僕は、仕事に精を出せる心になってきた気がする。









ところで、この麦茶、いつのだ?

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